「あのは誰だ？」

ジョニーが澤の耳元で囁くように尋ねると、彼は外國人男の右隣りの席に座りながら答えた。

「宮本栞さん。この店の常連客のようです」

「サボりかと思ったぜ」

數秒の沈黙の後、板利明が廚房に戻り、澤の顔を見る。

「注文は？」

「宮本栞さんと同じ奴を三人前」

「了解」

注文を済ませた後でジョニーは澤に尋ねる。

「それで果はあったのか？」

「はい。先日病死した第二の被害者、安田友さんについて調べました。どうやら彼は通り魔に襲われた前日、橫浜明桜病院を退院したようです。しかも、調べた所によると、第三の被害者、渋谷花蓮さんも同じ病院に搬送されたようです」

「搬送先の病院っていうのは、偶然かもしれないな」

ジョニーが顎に手を置いた後で、彼の左隣に座る茶髪のは澤に報告する。

「澤さん。私は通り魔事件の現場を検証しました。第一の事件現場は、晝間は人通りが多いけれど、夜になると人通りが悪くなるようです。次に第二の事件現場は、道路が狹いため、人通りがなかったです」

「その周辺の様子はどうでしたか？」

「第一の事件現場は飲み屋が多く、第二の事件現場は近くにデパートがありました」

「なるほど。つまり事件現場の共通點は駐車場があること」

「どういうことだ？」

ジョニーが口を挾むと、澤は自信満々に頬を緩めた。

「犯行手口ですよ。犯人は被害者の腹をナイフで刺した後、駐車場に停めた自車に乗って逃走した。通り魔は目撃者を出さないために、人通りのない場所を狙い犯行を重ねました。しかし、第三の事件は違います。サービスエリアのトイレ前で発生した第三の事件は、多くの目撃者を出すという大きなミスを犯したのです。なぜでしょう？」

「第三の事件は模倣犯による犯行だったのではありませんか？」

茶髪のの意見を聞き、二人の男は同時に首を橫に振った。

「それはないな。刑事はあの現場を第三の事件現場として斷定した。兇も同じ奴らしいから、同一犯で間違いない。俺が気になっているのは、兇を四本も買った髪の長い。橫山時計店で限定十個の腕時計を買った、渋谷花蓮が同じ帽子を被っていたらしい。あの事件の第三の被害者が犯人の可能もゼロじゃない」

報換が行われる中、板利明はミートソーススパゲティーを三人の前に配膳した。

「特製のミートソーススパゲティーだ」

三人が晝食をとっている中、宮本栞は席から立ち上がりレジへ向かった。それに合わせて板利明はレジに移する。

「ありがとうございました」

店主に挨拶した宮本栞は、レジの前に五百円玉を置き、彼の店から立ち去った。

イタリアンレストランディーノでの食事を済ませたジョニーは、澤に尋ねる。

「これからどうする？」

「そうですね。僕は橫浜明桜病院に行きます」

「そうか。それなら俺も付き合う」

ジョニーと行を共にすることが決まった澤は、もう一人の仲間であるラジエルと視線を合わせる。

「ラジエルは、引き続き丸山翔に関する辺調査をお願いします」

「了解」

ラジエルは短く答え、彼らの午後の行指針が決定された。それから澤は全員分の會計を済ませ、再び橫浜市でき始める。