《歩くだけでレベルアップ!~駄神と一緒に異世界旅行~》第42歩目 はじめてのラピスラズリ!雇用契約最終日

前回までのあらすじ

俺とスカイさん、どっちを選ぶ?

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side -ラピスラズリ-

□□□□ ~あなたとともにいる幸せ~ □□□□

アユムさんとの雇用契約最終日の夜は、ささやかでしたが一杯豪勢にふるまいました。

明日アユムさんは旅立ってしまいます。

私の決斷次第ではこれが最後の夜になってしまうことも.....

本當はアユムさんに付いていきたいです。

アユムさんと一緒にいると、飾る必要のない素の私でいることができます。

またアユムさんも、素の私をれてくれています。

私は何事にも全力を盡くす格です。

ただそれが行き過ぎるせいか、お付き合いしていた男とは上手くいかないことが多いです。

が重いと言われたときもあります。ショックです。

私はただあなたに盡くしたいだけなのに.....

また私はよく食べるほうです。

食べることは好きですし、食べている時は幸せです。冒険者の頃からそうでした。

はしたないと言われたときもあります。ショックです。

私はただあなたと一緒に幸せをじていたいだけなのに.....

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そんな私をれてくれたのはアユムさんでした。

が重いと言われた私に、一生懸命なだけで好ましいと言ってくれました。

はしたないと言われた私に、一緒に食事をするのが幸せだと言ってくれました。

私の全てをれてくれた男は、アユムさんだけでした。

アユムさんと一緒にいると、私はとても幸せな気持ちになります。

アユムさんとこれからもずっと一緒にいたい.....

だから一度は決斷しました。アユムさんに付いていく!

それは紛れもない本心でした。噓偽りのない気持ちでした。

そしてきっとれてもらえると思っていました。

私をれてくれた時のように、く見えつつも頼りがいのある優しい笑顔とともに。

でもそれは葉いませんでした。

いえ、むしろアユムさんは私をよく見ていてくれました。

私の心の奧深くに潛む本心を.....

□□□□ ~お母さんへの想い~ □□□□

私は何不自由なく育てられました。

お父さんやお母さんにもされていました。

裕福な家庭ではありませんでしたが、それでもやりたいことを自由にやれるぐらいには余裕がありました。

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私はお父さんに憧れていました。

小さい頃に聞かされた冒険譚にいつもわくわくしていました。

だから私は冒険者になりました。しでも憧れのお父さんに近づきたくて。

.....でも私には才能がありませんでした。

そんな私にお父さんが薦めてくれたのが探索者です。

PTのために貢獻できる冒険職。私にぴったりでした。

このころから私は、誰かのために貢獻できる喜びを知りました。

當然、お母さんにも憧れていました。

いつもきれいで優しくて料理上手。怒っている姿なんてほとんど見たことがありません。

だから將來はお母さんみたいになりたいと思っていました。いつかお父さんみたいな人と結婚するんだと。

.....でも大好きなお父さんがいつからか帰ってこなくなりました。

死んでしまったと聞いたときは頭が真っ白になりました。そして泣きんだものです。

そんな悲しんでいた私をお母さんはいつも勵ましてくれました。

お父さんが死んでしまって、一番悲しいのはお母さんのはずなのに。

このころから私は、お母さんの優しさと強さを知りました。

その後も手一つで育ててくれたお母さんには謝してもしきれないです。

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私は本當にされて育てられました。

だからこそ、ふとした時に見せるお母さんの悲しそうな顔は忘れられません。

お父さんを失ったお母さんの悲しみは私には癒せません.....私はお父さんの代わりにはなれないから。

だから私がお母さんにできることは限られています。

お母さんに心配をかけないこと。

お母さんに喜んでもらうこと。

お母さんの笑顔を悲しみのに変えないよう頑張ること。

そしてひそかに誓ったのです。

私がお母さんを支えていく!お母さんに二度と悲しい思いはさせない!

そして、ギルド職員ラピスラズリが誕生しました。

□□□□ ~変わらないやりとり~ □□□□

靜かな夜にかわいい寢息だけが聞こえてきます。

「アテナさんはもう寢ちゃったみたいですね」

「こいつは寢ることと食べることに関しては天才ですからね」

アユムさんはそう文句を垂れつつも、どこか優しげにアテナさんをでています。

この二人の関係もよくわかりません。

兄妹きょうだいと言っていましたが、絶対噓。

アユムさんのアテナさんに対する接し方は、兄妹きょうだいのそれとは明らかに違います。

かと言って、人のそれとも違う気がします。

なんなんだろう?この二人.....

他にもわからないことばかりです。

召喚された目的が、勇者業ではなく観だったり。

アテナさんの、上手く言葉にできないぐらいなんとも言えない違和のある存在

アユムさんの、勇者ではないのにありえないぐらいの不自然な強さと萬能

なんで?どうして打ち明けてくれないんだろう?

アユムさんのことだから何か理由があることはわかります。

だから私も深くは聞こうとしませんでした。

それでも.....どこか悲しさをじる私がいます。

私がをバラすとでも思っているんでしょうか?

二人のを知ったら、私が二人に対して態度を変えるとでも思っているんでしょうか?

私はそんなに信用がないんでしょうか?

そう思うと、悲しみとともに怒りも沸いてきました。だから私は、

「いたたた!な、なんですか!?」

「アユムさんのバカ!」

「なんで!?」

おもいっきりお腹をつねりました。

鍛えられた腹筋にどきどきしたのは緒です。

「なんで急に照れてるんです?」

「そ、その.....立派だなって///」

「なにが!?」

「え?腹筋ですが?」

「あ、腹筋ですか.....」

「なにと勘違いされ.....」

そこまで言ってようやく気づきました。

私だってそういうことには興味があります。

「あ、あの.....アユムさんは、り、立派なんですか?///」

「そういうこと普通は聞かないですよ!?」

「み、見てもいいですか?///」

「ダメに決まってんだろ!」

照れちゃってかわいいんですから♥

やっぱりアユムさんと一緒にいると楽しいです。離れたくないな.....

□□□□ ~私の最終決斷~ □□□□

私のわがままでアユムさんに抱き締めてもらうことになりました。

最初は渋られましたが、私がどうしてもとお願いしました。

もしかしたらこれが最後になるかもしれないですし.....

アユムさんのはガッチリしていてとても安心します。

年上とは思えないあどけなさが殘りつつも、否が応にも男なんだなと思い知らされました。

とても溫かいです。

どこまでも安心する溫かさです。

いつまでもじていたい溫かさです。

でも、この溫かさを明日からはじることができない.....

「.....アユムさん。寂しいです」

「.....もうどうするか決めたんですか?」

「・・・」

「後悔しない選択をしてください」

そんな選択ありません!どちらを選んでも後悔しますよ!

せめてアユムさんが、俺に付いてきてほしい!とさえ言ってくれたら、どれだけ楽になれるか.....

「.....アユムさんはどうしたらいいと思いますか?」

「個人的には、スカイさんを大切にしてあげる方がいいと思います。

俺よりもいい男なんてたくさんいますが、ラズリさんの母親はスカイさんただ一人ですから」

アユムさんの言っていることは頭では理解できます。

でも私は.....それでも私は.....付いてきてほしいと言ってしかった!

「.....私はアユムさんが好きです。だから他の男に興味はありません」

「ありがとうございます。ラズリさんの本當の気持ちを知れて嬉しいです」

どうしてもっと早く、この気持ちに気付かなかったんだろう.....

「.....私はアユムさんが好きです。だからアユムさんのお役に立ちたいです」

「ありがとうございます。ラズリさんには助けてもらってばっかりですね、すいません」

謝らなくていいんです!私がアユムさんのお役に立ちたいんですから!

「.....私は.....アユムさんが好きです。だから.....アユムさんにおいしい料理を作ってあげたいです」

「ありがとうございます。ラズリさんの料理はおいしい上に、一緒に食べるのが好きでした」

私も!私もアユムさんと一緒に食べるのが幸せでした!これからだってずっと一緒に.....

「.....わ、私は.....アユムさんが.....好きです.....だ、だから.....本當は.....ずっと一緒に.....いたいです」

「.....ありがとうございます。俺もラズリさんと一緒にれたらいいな、とは思います」

やめて.....やめてよ!その気にさせるようなことを言わないでよ!私の心をさないでよ!

.....アユムさんと離れたくないよぉ。

「.....わ、私は.....私は.....」

「・・・」

むせび泣く私を、アユムさんはギュッとし力強く抱き締めてくれました。

力強くはありますが、どこか遠慮したのある力強さ。

本當はもっと力強く抱き締めてくれてもいいのですが、そこがなんともアユムさんらしいです。

アユムさんの優しさにれる度、私の中のアユムさんがどんどん大きくなりました。

「.....好き.....です!.....本當に.....大好き.....です!」

「.....ありがとうございます。俺もラズリさんのこと好きですよ」

そんな嬉しいこと言わないで!どんどん離れたくなくなってきちゃうから.....

離れたくないです。離れたくはないですが.....私の答えは既に決まっていました。

でも、その言葉をなかなか言い出せずにいました。

言葉にしてしまうと、アユムさんとお別れしなくてはならないからです。

そう、私の答えは、町に殘ること。お母さんと一緒にいること。

そして.....アユムさんとは一緒に居れないこと。

悲しい.....

悲しい.....

悲しい.....

悲しさを抑えきれませんでした。

「.....うわあああああああん。離れたくないよおおおおおおお」

だから私はおもいっきり泣きました。

見栄も外聞も全てかなぐり捨てておもいっきり泣きました。

大好きなアユムさんのの中で一晩中おもいっきり泣き続けました。

そんなみっともない私を、アユムさんは一晩中ずっと抱擁していてくれました。

アユムさん。ありがとうございます。あなたを好きになれて私は幸せでした。

□□□□ ~再會の約束~ □□□□

.....最悪です。こんなことがあっていいのでしょうか?

アユムさんの旅立ちという日にまさかの失態です。

「おはようございます。よく寢れました?」

「・・・」

いつも通り寢てしまっていました。

しかもだらしない顔で涎を垂らしながらのおまけ付き.....があったらりたいです。

「余程疲れていたんですね。すぐ寢ったのでびっくりしました」

「・・・」

私はあの後、一晩中泣くどころか、泣き疲れてすぐに寢てしまったらしいです。

どんだけ私の神経は図太いんでしょうか.....

アユムさんと一緒にいれる殘りわずかな時間なのに、いつも通りに起きました。

.....最悪。こんなだらしない、きっとアユムさんは失したはず.....

私が自己嫌悪に陥っていたら、アユムさんが散歩にってくれました。

しかもさりげなく手を繋いでくれました。顔を真っ赤にして.....かわいい♥

きっと気遣ってくれたに違いありません。そんなささやかな優しさがとても嬉しいです。

「落ち著きました?」

「ありがとうございます」

「急に散歩にってすいません」

「いえ。しでも長くアユムさんと一緒にいたいですから」

「俺も同じ気持ちです。だからいました」

「.....せっかく気持ちの整理ができたのに、またすつもりですか?」

アユムさんは申し訳なさそうにしていましたが、私の気持ちは既に固まっています。

「私はここに殘ることにします.....寂しいですが、それでも大切なお母さんですから」

「はい。今までお世話になりました。ありがとうございます」

そこには私がした優しい笑顔がありました。

本當はいつまでも見ていたい笑顔ではありますが、それは葉いません。

いつまでも駄々をこねていてはアユムさんに迷をかけてしまいます。

だから私は笑って見送ることにしました。

「アユムさん。後悔しないでくださいね?」

「なにをです?」

「こんなにいい、そうそういないですよ?誰かに取られても知らないですから!」

私の一杯のギャグでした。

いつも押してばかりの私が、初めて引いてみたのです。

「お、驚きました。それにしても.....」

「なんですか?」

「確かにラズリさんの言う通りです。他の誰かに取られると思ったら、ちょっと悔しい気がします」

「あぅ.....///」

うれしい.....アユムさんの好意がすごく伝ってきました。

初めてアユムさんに一人のとして見られた気がします。

本気でアユムさんのものになりたいとさえ思いました。

だから私は決意しました。

今しかそのチャンスはありません。

結局私は押し続けるしかないのかもしれません。

それでもきっとアユムさんなら、そんな私をれてくれるはずです。

「アユムさんにお願いがあります」

「なんですか?」

「.....ラピス」

「え?」

「ラピス、と呼んでほしいです」

「えっと?どういうことですか?」

「この世界では、特別な名前を呼ぶことにとても大切な意味があります。

稱とはまた違う、名まなと呼ばれる特別な名前です。

そして私の名まなはラピスです。

その名まなを呼んでいいのは、生涯この人と決めた人だけです。

だからアユムさんには、ぜひ私の名まなで呼んでほしいです」

名は親しい人でも、例え親子であっても呼ぶことは許されません。

それだけ特別な意味があります。

そしてそれはお互いの承認があって初めて立します。

立していない名は所詮稱に過ぎません。

名.....なるほど。それは結婚するとかそういうのとは違うんですか?」

「夫婦であろうとなかろうと、人であろうとなかろうと関係ありません」

「・・・」

「本當ですよ?なんでしたらお母さんに確認してもらっても構いません」

「.....わかりました。それは信じます」

「それはってなんですか!それはって!」

「ラズリさんは油斷ならないですからね。

俺はラズリさんが思っているよりも、ずっとラズリさんを見ていますよ?」

うっ。うれしいけど.....今はその気持ちがうれしくないです!アユムさんは変に鋭いですしね.....

「それで?きっとなにかありますよね?」

「・・・(ぷいっ)」

「今、あからさまに顔を背けましたよね!?」

教えたらきっと困ると思うんです。それにアユムさんに拒絶されたらと思うと.....

「ダメ.....ですか?」

「はぁ.....別にいいですよ?」

「.....え?本當に?」

「むしろそんな大切な名を、俺なんかが呼んでいいんですか?」

「アユムさんがいいんです!アユムさんじゃなければ嫌なんです!」

うれしい!まさかなにも聞かずにれてくれるなんて!アユムさんを好きになって本當に良かった!

早速儀式を済ませて、名を呼んでもらおう。

そう企んでいたら、まさかの待ったがかかりました。

「ただし條件があります」

「條件ですか!?」

名を呼ぶのは次回會った時にします。これだけは譲れません」

「ど、どうしてですか?」

名とは特別な名前なんですよね?

今はまだラズリさんの気持ちに応えられるかどうかわかりません。

そんな曖昧な気持ちのままで、大切な名前を呼ぶことに納得できません。

もうし考えさせてほしいんです。すいません」

・・・。

アユムさんは本當に真面目です。

そのアユムさんが考えてくれるということは、それだけ私のことを真剣に想ってくれているということ。

名を呼ばれなかったのは殘念ですが、とても幸せな気持ちになりました。

だからこそ私は確認したかった。

「次出會えた時、必ず名を呼んでくれますか?」

「約束します。それに俺もラズリさんに會いたいですしね」

アユムさんの純粋な好意がうれしい。それに比べ私ときたら.....

「私はアユムさんを待っていてもいいんですか?」

「.....?あ~。そういう意味なら、別にいい人がいたら待たなくても.....」

私言いましたよね?アユムさん以外の男に興味ないって!

「.....間違えました。アユムさんを待たせてもらってもいいですか?」

「.....本當ブレないですね。気持ちに応えられるかどうかはわからないですよ?それでもいいなら」

「はい!ずっと待ってます!.....だから必ず會いに來てくださいね?約束ですよ?」

「約束します。必ずラズリさんに會いにきます」

清々しい朝にわされた一つの約束。

別れるのは寂しいけれど、わした約束をに抱き頑張ろうと思います。

次に出會った時、アユムさんの心を止められるよう、さらにに磨きをかけて。

「いってらっしゃい、アユムさん。お気をつけて」

こうして、私の好きなアユムさんは旅立って行きました。

ここで私とアユムさんの冒険は一旦終わりです。

次に出會えたときは、今よりもきっとステキな冒険になることでしょう。

第一部 完

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『アテナ』 レベル:3 危険度:極小

種族:

年齢:ーーー

別:♀

職業:

稱號:智慧の

力:50

魔力:50

筋力:50

耐久:50

敏捷:50

神ポイント:7200【↑1200】

【一言】ちょっとー!メインヒロインである私の出番が0ってどういうことー!?

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アユムの所持金:34000ルクア【↓500000】

冒険者のランク:A(クリア回數:3回)

このお話の歩數:約32000歩

ここまでの歩數:約1167900歩

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『アユム・マイニチ』 レベル:1527【↑21】

種族:人間

年齢:26

別:♂

職業:凡人

稱號:神の付き人

力:1537(+1527)【↑21】

魔力:1537(+1527)【↑21】

筋力:1532(+1527)【↑21】

耐久:1532(+1527)【↑21】

敏捷:1687(+1627)【↑21】

裝備:疾風の剣(敏捷+100)

技能:言語理解/ステータス/詠唱省略

Lv.1:初級水魔法/初級風魔法/初級土魔法

初級魔法/初級闇魔法

Lv.2:隠/偽造/捜索/吸収/浄化魔法

治癒魔法/共有

Lv.3:鑑定/剣//索敵/

理耐/魔法耐/狀態異常耐

初級火魔法

共有:アイテムボックスLv.3

パーティー編Lv.1

固有:ウォーキングLv.1527 261/1528

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後書き

次回、閑話!

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これにて、第一部が終了となります。

閑話を掲載して後、第二部の旅路編に突となります。

第二部からは、タイトルが「はじめての~」以外になることもあります。

これからも「歩くだけでレベルアップ!~駄神と一緒に異世界旅行~」をよろしくお願いします。

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