《歩くだけでレベルアップ!~駄神と一緒に異世界旅行~》第50歩目 再びのギルド!

前回までのあらすじ

おかしな世界に見合った、おかしな種族事だった

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□□□□ ~ナンパ師?歩さん~ □□□□

ギルドに著いた。

お姉さん達とはここで別れることになる。これから酒場に行くらしい。

と言うよりも、滯在期間中はずっと飲み明かすみたいだ。

冒険者はなんとも豪快だ。恐らくはこれが冒険者の本來の姿なのだろう。

町の滯在期間は5日間。

雇い主がこの町でも仕れを行うらしい。

そうなると5日間分の滯在費が必要となる。

パレスでほぼほぼ遣いきってしまったので、先立つものがない。

ギルドで素材を換金する必要がある。

早速付嬢さんに話しかけようとしたのだが・・・

.....おや?おやおやおや?

「ようこそ冒険者ギルドへ。本日はどのようなご用でしょうか?」

付嬢さんが爽やかな営業スマイルで話しかけてきた。

.....う~ん?どういうことだ?俺の勘違いか?

「うん?どうかなされましたか?」

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付嬢さんは困ったような表で再び尋ねてくる。

.....やはり似ている。でもここはガタツだぞ?なんでいる?

「.....あ、あの?」

付嬢さんはもはや不審者を見るかのような眼差しだ。

これ以上ジロジロ見るのはマズイだろう。そろそろばれる危険がある。

ここはやはり確認しないといけないだろう。

「すいません。俺達、以前會ったことがありますよね?」

「いきなりナンパですか!?」

「.....え?」

「ナンパの常套句ですよ!嬉しいのですが、まだ仕事中なので困ります。

それに.....(ペラペラペラ)」

なんだか勝手にナンパ師にされてしまった。

どうやら俺の言葉はナンパに使われる常套句だったらしい。

.....それにしてもこの人、ペラペラとよくしゃべるな。

・・・。

「.....(ペラペラペラ)」

付嬢さんが話し終わるまでしばらく待っていたのだが、その気配が一向にない。

アテナもつまらなさそうにしているので急ぎたい。

「す、すいません」

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「あっ。申し訳ありません。それでデートの時間でしたよね?18時頃でしたら.....」

違うわ!まだ勘違いしてるのかよ!?

しかもなんかナンパ?功してるし!

「全然違います。それにナンパもしていません」

「そうなんですか?そうなると.....求婚ですか?あなたと以前、そんな約束しましたっけ?」

「求婚!?」

「以前會ったってことは、昔なにかしらの約束をしたってことですよね?

間の約束なんて大概が結婚じゃないですか。私は覚えていないのですが.....(ペラペラペラ)」

「・・・」

付嬢さんはまたしてもマシンガンの如く、話し出してしまった。

.....本當よくしゃべる人だな。放っておくと1日中しゃべってるんじゃないのか?

・・・。

「.....(ペラペラペラ)」

やはり先ほどと一緒で、終わる気配が微塵もじられない。

この付嬢さんは、付嬢としては問題なのではないだろうか。

「す、すいません」

「あっ。失禮しました。それで挙式の日取りですよね?お互いをよく知るために3ヶ月後に.....」

違うわ!てか、3ヶ月後とかリアルすぎ!

それになんか求婚?功してるし!

「ぜ、全然違います」

「これも違うんですか?そうなると.....略奪!?」

「略奪!?」

「甲斐も無いくせに、旦那から私を奪うつもりなんですよね?

そういうの形もあると聞きましたが、まさか私にもくるなんて.....(ペラペラペラ)」

「・・・」

付嬢さんは予想通りまたしてもマシンガンの如く、話し出してしまった。

・・・。

はぁ.....もう付嬢さんは黙っていてしい。話が進まないだろ!

□□□□ ~驚愕の大家族~ □□□□

「もうやだぁ。早く言ってくださいよ!恥ずかしい///」

付嬢さんのマシンガントークを黙らせた後、事を詳しく話した。

てか早く言いたかったのだが、付嬢さんがペラペラしゃべっているのでその機會がなかった。

「パレスからいらしたんですよね?でしたらそれはお姉ちゃんですよ」

「お姉ちゃん?」

「はい。お姉ちゃんもギルド職員ですから」

.....思い出した!あのうっかりさんの付嬢か!

俺がこの世界で初めて出會ったパレスのギルド職員さんが、この付嬢さんのお姉さんらしい。

パレスの付嬢さんはあまりにもうっかりが多いので、途中からはラズリさんと代してもらった。

重要なことも當たり前かのようにうっかりするので信用に欠けた。

.....それにラズリさんのほうがきれいだったし。

「それにしても.....似すぎなような?」

「當たり前ですよ。私達三つ子ですから」

「三つ子!?」

「はい。パレスにいるのが長のアシーネ。そして私がイシーネ。そして妹がウシーネと言います」

アシーネ?イシーネ?ウシーネ?

なんだその五十音姉妹は。親ももうちょっと考えてやれよ、娘だろ?

「でもさすが姉妹ですね。お姉さんもギルド職員とは。これで妹さんもギルド職員だったら驚きですが」

軽い冗談のつもりだった。

いくら三つ子でもさすがにそれはないだろう。

そう思っていたのだが.....

「ウシーネもギルド職員ですよ。現在はジュレッタで働いています」

「マジですか!?」

「ええ。ほんと.....」

「まじー( ´∀` )」

いやいや。アテナに聞いてないから。退屈なのはわかるが。

それにイシーネさんはアテナににこやかな笑顔を向けているがどこか怒っているようにも見える。

.....なんでだ?

「でもなんで3人ともギルド職員なんですか?いくら三つ子でも仕事まで一緒なのは珍しいですよね」

「それは父の言い付けですし、願いでもありますからね」

「言い付け?願い?」

「冒険者よりも稼ぎは低いですが安定していますし、なによりも所帯を持ちやすくなりますから」

なるほど。公務員の異世界版みたいなものか。

ラズリさんも冒険者からギルド職員に転職していたし、意外と人気職業なのだろうか。

「いいお父さんですね。娘の將來をよく考えた素晴らしい願いだと思います」

「あっ、いえ。ギルド職員になったのは確かに言い付けですが、父の願いは違いますよ」

「普通逆では!?」

譽めた俺がバカだった!

言い付けでなったって.....それはほぼ強制だよな?異世界ではそれが普通なのか?

.....いや。もしかしたらイシーネさん達は貴族なのか?

俺のそんなに多くはない異世界知識でも、貴族令嬢の將來の相手は親が決めたりしている。

つまり親が娘の將來を決めているようなものだ。

.....でも貴族がギルド嬢になるか?親がそんなのを願うか?

「私達は平民ですし、父は商人ですよ」

「商人がギルド嬢になることを勧めるんですか?

 安定って.....それこそ商人に似つかわしくないような?」

「それは私にもわかりません。ただなんかいつもぶつぶつと言っていたんです。

資産は數であり、數は.....」

「それってー、「資産は數であり、數は力、力は金だ」ってやつでしょー( ´∀` )

えらい人が言ってたよー」

どこの田○角栄だよ!?てか、それは商人ではなく政治家では?

アテナはよくそんな言葉知ってんな。

「.....そ、それです。ありがとうございます?」

それにしても気になるのはイシーネさんの様子だ。とても不機嫌そう。

アテナにとてもきれいな笑顔を向けているが、目は笑っていない。

「私達姉妹がみんなギルド職員になれば、商人にとって役に立つ報がります。

それにギルド職員は収が安定しているので、商人にとって有用な資産も築けるみたいですよ」

確かに商人にとって報とは、なによりも大切なものなのだろう。

報の有無で儲けもするし、損もする。

そう意味では、報が集まりやすいギルド職員は商人にとって押さえておくべき職業だ。

.....でも資産はどうだろう?そんなに稼げないような気がするのだが・・・

商人なら貴族に嫁がせるとか、大商人の息子に嫁にやるとかもっとやり方があるような気がする。

安定を求めたら、それは既にっからの商人ではないだろう。

「たかが娘3人がギルド職員になっても、資産はそんなに増えないと思うのですが?」

「いえいえ。私達は三つ子ですが、姉妹はもっといますよ」

「.....なるほど。資産は數、とはよく言ったものですね。ちなみに何人姉妹なんです?」

「今は10男40ですね」

.....は?

「す、すいません。聞き間違えたようです。.....何人姉妹ですって?」

「10男40です」

「じょ、冗談ですよね?」

「正真正銘、今は10男40です!」

.....今はってなんだよ!?まだ増える予定あんのか!?

「みなさん驚かれるんですよね。そんな顔何度もみました(笑)」

「い、いや。普通驚くと思いますが.....でもなぜそんなに?」

「父の願いは、いずれ自分の子供や孫、子孫で世界各國のギルドを掌握することらしいです。

そうすれば簡単に世界の報が手にりますから。報はお金。本當にっからの商人ですよね」

・・・。

大商人の壯大なスケールに、壯大な下準備、壯大な願い。それに驚き呆れつつも俺は思う。

「英雄を好む」と言うけれど、ここでは「商人を好む」なのか。

経済力がものをいう世界だ。そういうこともありえるんだろうな.....

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後書き

次回、

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今日のひとこま

~姉同様、やっぱりめんどくさかった付嬢~

「10男40もいると、お母さん大変だったんじゃないですか?」

「母は10人いましたからね。それでも助け合っていましたよ」

「じゅ、10人!?」

「1人な訳ないじゃないですか」

いや。それはそうだろうが、てっきり2~3人ぐらいかと.....

「でもそんなにいると、仲の悪い姉妹とかもいたりしません?」

「ええ、いますね。そういう場合は母親同士も仲が悪かったりします。例えば.....(ペラペラペラ)」

「・・・(またか。話を振ったのは俺だが、こればっかりはなんとかならんのか)」

「.....(ペラペラペラ)」

「あ、あの.....」

「あっ。また私ったら、すいません。なんか話をちゃんと聞いてくれるのが嬉しくてつい.....」

「い、いえ。それにしても話が途切れないのですごいな、と心します」

「本當ですか!?私が話し出すと、なんかみんな嫌な顔するんですよね」

みんなの気持ちもよくわかる。

.....こういう人をなんて言うんだったかな?確か臣秀吉もそう言われていたはず。

「親も嫌な顔するんですよ!ひどいですよね!?母はいつも、あんたは口から.....」

「「口から先に生まれた」ってやつでしょー( ´∀` )」

「そうそう。それだ。アテナ、よくそんなこと知ってんな」

「智慧の神だからねー!まっかせなさーい!」

「・・・」

「.....あれ?イシーネさん?なんか怒ってます?」

「怒ってません!それと、アテナさんと言いましたか?あ・り・が・と・う・ご・ざ・い・ま・す!」

怒ってんじゃねえか!でもなんでアテナに?

.....あ~。わかっちゃった。この人、話を聞いてほしいタイプの人か。

だから話をたびたび遮るアテナに怒ってんだな。

アシーネさんもそうだったが、どうやら姉妹らしくイシーネさんもめんどくさい人のようだ。

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