《歩くだけでレベルアップ!~駄神と一緒に異世界旅行~》第66歩目 はじめての素顔!妖狐と二人っきり①

前回までのあらすじ

アテナと妖狐が姉妹になった

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□□□□ ~奴隷の実~ □□□□

深夜。

辺りはすっかり闇に覆われ、生きとし生けるもの全てがまるで眠りに著いたかのように靜まり返っている。

微かな寢息が聞こえるだけで、蟲の嘶きすらも聞こえてこない。

そんな中、俺はいつもの日課であるウォーキングをすべく、ベッドから抜け出した。

「.....すやすや(^-ω-^).....コーン.....ちゃーん.....すやすや(^-ω-^)」

.....わかりやすい夢を見るやつだ。

アテナが幸せなそうな顔をして寢言を言っている。

きっと夢の中でも妖狐をぎゅ~っとしているのだろう。

───なでなで

「.....じゃあ行ってくる。おとなしく寢ているんだぞ」

「.....に.....へへー.....すやすや(^-ω-^)」

「笑い方気持ち悪!」

寢ながら無意識に出された笑顔にツッコミをれつつ、俺は部屋のドアの前に立った。

と、その時・・・

───ガサゴソ。

何かがき出す音がした。

あまりに予想外のことが起きたので、心臓のきが早まる。

まるでホラー映畫を鑑賞している時のようなが全を包む。

そして・・・

───ぺたぺた

俺の背後にその何かがやってきた。

いる。間違いなく何かがいる。後ろに何かがいる気配を確実にじる。

ホラー映畫の場合、こういう時は振り向くと何もいないことが多いのだが・・・。

・・・。

意を決して振り向くと、

「ひぃぃぃぃぃ!狐のおばけ!」

目の前には青白い顔をした狐のおばけが無言で立ち盡くしていた。

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「・・・」

「・・・」

よく見ると、おばけだと思っていた正は妖狐だった。

改めて考えてみると當たり前だ。

この部屋には俺とアテナ、妖狐しかいない。

そしてアテナは寢ているのだから、當然き出したものは殘りの妖狐しかいないことになる。

「誰がおばけじゃ」

「ツッコミおせえよ!.....それで?寢れないのか?」

「あんなふかふかベッドだと寢付きにくいのじゃ」

ふかふか?俺からすると固いんだが?

宿屋の.....というよりかは、異世界のベッドは日本のそれと比べるととても固い。

最初異世界に來た時なんかは、あまりの固さになかなか寢付けなかったほどだ。今では慣れたけど。

妖狐のもそれに似た理由なんだろう。

ただ妖狐の場合は奴隷の視點からだから、俺とは恐らく意味合いが違うだろうが・・・。

「寢れなくても、橫になって目を閉じているだけでも疲れが十分取れるぞ」

「ふむ、ならそうしよう。.....それはそうと、お主はこんな夜更けにどこにいくのじゃ?」

「散歩」

噓です。レベル上げです。

「.....顔に出ておるぞ?」

「ぐっ。散歩.....ではないけど、散歩みたいなものだ」

「.....どうやら全部が全部、噓ではないようじゃな」

「まぁ、そんなところだな」

てか、どう説明したらいいのかが他に思い浮かばん。

実際は散歩してるようにも見えるだろうし。

問題があるとすれば、散歩するにはおかしな時間だってことぐらいだろうか。

それはいいのだが・・・

「・・・」

「.....寢ないのか?」

「・・・」

「.....?」

妖狐は何も言わず、ただただその場に立ち盡くしている。

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様子を伺うに、何かを言いたそうな、でも言おうかどうか迷っている、そんなじだ。

.....きっとそうなんだろうな。らしくもない。

「.....眠くなるまで、一緒に散歩でもするか?」

「.....ふ、ふん!お、お主がどうしても妾と一緒に散歩をしたいだけであろう?

そこまで言うのなら仕方がない。やぶさかではあるが付き合ってやるのじゃ!」

.....本當に素直じゃない。でもここは妖狐に合わせるか。

「ありがとう。助かるよ」

謝するがよい!」

済ました顔とは裏腹に、二本の尾はぶんぶんと激しく振られている。

そんな嬉しそうにしている妖狐を見ると、この選択は間違いではなかったようだ。

□□□□ ~妖狐の変化~ □□□□

外は深い暗闇に包まれている。

街燈がある日本とは違って、どこまでも吸い込まれてしまいそうになるほどの深い闇だ。

俺は早速ライトの魔法を発して、妖狐と散歩を開始した。

夜の靜けさが心地よい。.....ただ時折吹く風が寒い気がする。

著込んでいる俺がそうなのだから、貫頭一枚しか著ていない妖狐は相當な寒さだろう。

「寒くないか?」

「大丈夫なのじゃ」

「・・・」

そう?そうなのかな?でも震えているぞ?

本當素直じゃないな!この高慢狐は!

「.....無理をするなと言ったよな?寒いんだろ?」

「大丈夫だと言っておろう!くどいのじゃ!」

妖狐の機嫌を損ねてしまった。

こういう時、さりげなく上著をかけてあげるのが優しさだと知ったのはずっと先のことだ。

この時の俺はどうしたらいいのかわからず、ただおろおろしていることしかできなかった。

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「・・・」

「・・・」

お互い無言のままだ。

こんな靜寂は居心地が悪い。

それにどう見ても妖狐は寒そうに震えている。

「.....や、やっぱり・・・」

「.....お主はどうなのじゃ?寒くはないのか?」

俺が言葉を発すると同時に、妖狐がまるでそれを遮るかのように言葉を被せてきた。

寒いぐらいだが、特に問題はないな」

「そんなことはなかろう?寒いはずじゃ」

「いや、俺は本當に大丈夫だぞ?俺よりも妖狐のほうが・・・」

「いいや!お主はきっと寒いはずじゃ!そうに違いない!」

「・・・」

.....ど、どういうことだ?妖狐のこの頑なな態度はなんだ?俺が寒いことにしたいのか?

「寒いであろう?無理をするでない」

「・・・」

どうやら妖狐は意地でも俺が寒いことにしたいらしい。

どういうことかわからないが、ここは妖狐に合わせたほうがよさそうだ。

「そ、そうだな。やっぱり寒いかもしれないな」

「本當に強な人間なのじゃ。.....今回だけ特別じゃぞ?妾を使うことを許してやろう」

「妖狐を使う?どういう・・・」

俺がそう言いかけると同時に、妖狐がその場でくるりとまるでバク宙するかのようにを宙で翻した。

そして・・・

───ぽんっ!

そんなかわいらしい音とともに、目の前の妖狐がの姿から以前助け出したきつねの姿に変化した。

いや、よく見ると以前助けたきつねよりもさらに小さくなったきつねと言ったほうが正しいかもしれない。

俺が目の前の出來事に驚いていたら、

「ふふ~ん♪驚いたであろう?」

小きつねはまるでそう言っているかのようなドヤ顔をしている。

だが実際は・・・

『こ~ん!』

「・・・」

妖狐はきつね子狐モードになるとどうやら話せなくなるらしい。でもかわいい。

『こん?』

「いやいや。なに言ってるかわからないから」

かわいいのはかわいいのだが、コミュニケーションが取れないのは不便過ぎる。

それにどうして小きつねになったのかもさっぱりわからない。

.....妖狐は一何をしたいんだ?

俺がそんな疑問を抱いていたら、小きつねになった妖狐が素早いみのこなしで俺のを這い上がってきた。

そして・・・俺の首にまるでマフラーになるかの如く巻き付いてきた。

「なるほど。妖狐を使えって、こういうことか」

『こん♪』

マフラー妖狐はとても暖かい。

當の妖狐も俺の溫の溫かさと自でくるまることにより暖かさを確保しているようだ。

すごく暖かいし、小きつねのもふもふでとても気持ちいい。

気持ちいいのだが・・・

「ありがとう。とても暖かいよ。でも・・・」

『こん?』

「妖狐と話せないのはし殘念だな」

『・・・』

「どうした?」

『こんこん?』

.....いやいや。だからわからないんだって。

でもなんとなくだが、妖狐は許可を求めているような気がする。

なにか手段があるのかもしれない。ここは妖狐に任せてみるのもいいかもしれない。

「よくわからないが、妖狐のしたいようにしていいぞ」

『こん!』

妖狐からはそれは嬉しそうな返事が返ってきた。

モードならきっと二本の尾がぶんぶんと激しく振られていたに違いない。見られないのがし惜しい。

そして妖狐が何をするのか待っていたら・・・

───かぷっ

.....へ?

首筋から何かに噛まれたような痛さがじわじわと伝わってくる。

───ちゅーちゅー

それだけではない。

何かを吸われているも同時に伝わってきた。

當然今までじたことのない痛みに俺は・・・

「いってええええええええええええええええええええ!」

夜更けなのに近所迷もいいとこばりの大聲をあげた。

.....なにしてんの!なにしてんの!なにしてんの!?妖狐はなにをしてんだよ!?

正直いろいろな事実に驚いている。

いや、錯していると言ったほうが正しい。

俺には理耐Lv.3スキルがある。

ちょっとやそっとの痛みや衝撃などは全く歯牙にかけないはずだ。

それなのに尋常ではない痛みが全を襲ってきた。

しかもその原因が、クソ雑魚ステータスである子狐モードの妖狐がもたらしたものだという事実に驚愕している。

.....なんだ!?なぜ理耐が効かない!?妖狐が特別なのか!?それとも俺がおかしいのか!?

俺は訳がわからない事態に錯していたが、いつもそういう事態を解決してくれるアテナが今はいない。

改めてアテナのありがたみを謝しつつ、しずつ気持ちを落ち著けていった。

なぜ俺がこんなにもすぐに立ち直ることができたのか。それは・・・

───ちゅーちゅー

───ちゅーちゅー

いまだに全を激しい激痛が襲ってきているからだ。

考え事をしている余裕すらないほどすごく痛い。

本當なら妖狐を引き離したいところだが、そこは我慢だ。

俺が許可したことだし、妖狐が嫌がるかもしれない行為はなるだけしたくない。

それにしても・・・

妖狐は吸鬼かよ!なんのために俺のを吸ってるの!?

俺はその後もしばらくは妖狐のなすがままにしつつ、激痛に耐えることになった。

□□□□ ~妖狐の素顔~ □□□□

『どうじゃ?妾の言ってることがわかるであろう?』

「おぉ!確かに!これはすごい!」

妖狐の謎の行為が終わった後、子狐モードでも會話できるようになった。

と言っても、正確には妖狐は會話をしているのではない。

実際は、こんこん、と周りからはそう聞こえるだろう。ちなみに俺は普通に會話をしている。

どういうことかと言うと、俺は普通に會話して、妖狐は直接俺の頭の中に話しかけてきているらしい。

先ほどの謎の行為は、俺の頭の中に直接干渉できる準備をしていたようだ。

.....あれ?そう言われると怖くね?に何かされたってことだよな?

しかもこれ、いろいろと不便なようだ。

「俺は普通に會話しないとダメなんだな」

『當然であろう。今の妾にお主までどうこうできるだけの力はない』

「これだと・・・俺が一人言をぶつぶつ言ってる変な人に思われないか?」

『元から変なのだから問題ないのじゃ♪』

「.....?なんかご機嫌だな」

『!?そ、そんなことはないのじゃ!』

明らかに妖狐の機嫌がいい。

どうしてなのかはわからないが、まぁ機嫌がいいならそれに越したことはない。

『それと、この頭の中に話しかけるのは、この狀態でないとできないのじゃ』

「不便だよな」

『贅沢は言えんのじゃ。この狀態でも話せるようになっただけでも謝せい!』

「まぁ確かに。妖狐と話せるようになって嬉しいよ」

『そ、そうであろう!お主も妾のありがたさを隨分とわかってきたようじゃな!』

妖狐の寒さ問題も、コミュニケーション問題も解決できた俺は當初の目的通りウォーキングを開始した。

いつも一人でしていることを、今日は二人でしている。なんか変なじだ。

ちょっと男の子心が沸いてきたので、しカッコつけてみようかな?

とも思ったが、ただ歩いているだけなので諦めた。無謀なことはしないに限る。

そもそもあの妖狐だ。

カッコつけたところでなんとも思わないだろう。やるだけ空しくなる未來しか見えない。

「・・・」

「・・・」

黙々とウォーキングに勤しむ。

「・・・」

「・・・」

ひたすら黙々とウォーキングに勤しむ。

「・・・」

「・・・」

本當にひたすら黙々とウォーキングに勤しむ。

.....なんか気まずい。

改めて思うのだが、俺は本當にコミュニケーション能力がない。

いや、コミュニケーション能力はあるはずだ。ないのはを楽しませる會話スキルだ。

こういう時の経験値が圧倒的に足らなすぎる。會話の引き出しが全くないのだ。

せっかく妖狐が子狐モードでも話せるようにしてくれたのに申し訳ない。

「.....ごめんな?」

『なにがじゃ?』

「楽しい會話の一つもできなくてさ」

『妾はそんなこと気にしておらぬ』

「そうか。ありがとう」

『うむ』

.....か、會話が続かない。

・・・。

このままだんまりが永遠に続くかと思われたその時、妖狐が口を開いてきた。

『の、のう・・・』

「なんだ?」

『お、怒らぬのか?』

「怒る?なにに?」

『.....妾はお主の奴隷でないとは言え、所詮は奴隷なのじゃ。

そんな奴隷がお主に、いや、お主だけではない。みなに失禮なことをたくさんしてきたのじゃ。

命を助けてもらった恩があるにも関わらず・・・なのにお主は妾を一向に怒ろうとはせぬ』

.....一応、失禮なことをしているって自覚はあったのか。

「怒ってほしいのか?」

『・・・』

.....し意地悪な質問だったかな?誰も怒られたいやつはいないだろう。そういう癖持ちは抜くとして。

妖狐は妖狐なりに考えているらしい。

奴隷という立場に決して納得はしていないだろうが、それでも奴隷であるという立場をよく理解している。

奴隷だけど奴隷らしくしたくない。

でも所詮奴隷は奴隷でしかない。

そんなじでずっと葛藤していたのかもしれない。

所有者がいないという稀なケースに遭遇したのだ。

今まで悲慘な奴隷生活をおくってきたからこそ、しぐらい羽をばしたくもなるだろう。

「妖狐が俺にどうしてほしいのかはわからないが、俺は妖狐を怒るつもりはないぞ。

いや、悪いことをしたら怒るけど」

こう言っておかないと、アテナ同様調子に乗りそうだからな。なんと言ってもアテナの妹だし。

『今までの態度は悪いことには含まれぬのか?』

らないな。というか、なにが悪いことなのかが、俺にはさっぱりわからないってのが本音だ」

『わからぬとはどういうことなのじゃ?』

「いずれバレることだろうから先に言っておくけど、俺は異世界人なんだよ」

どうせいつかは知られる事実だ。

それに今更隠すようなことでもない。と言うか、既に多くの人に知られている。

『なんと!?お主は勇者様だったのか!?』

.....あ~。異世界人だと隠す必要はないけど、この問題が付きまとうのか・・・。

とりあえず説明がめんどくさいので勇者だということにしておく。

仮に、勇者ではなく付き人です!、と言ったところで理解してもらえるかどうかも怪しいところだ。

「......まぁ、そんなところだな」

『・・・』

妖狐が疑の眼差しを向けてきている。

めっちゃ怪しまれてる~!

勇者ではないけど、異世界人ではあるから全くの噓ではないんだけど!

「とりあえず、俺の住んでた國では奴隷なんてもんなかったんだよ。

だから奴隷のことは知識ではある程度知っていたが、

実際は見たことも聞いたことも、それこそ実もよくわからないんだ」

『・・・』

妖狐は靜かに耳を傾けている。

真剣な話をしている最中悪いが、妖狐の耳がピクピクいているのがとてもかわいい。

「だから妖狐の中で奴隷において悪いことをしたと思っていても、俺にはそれがわからない。

わからないから怒ることもできないんだ。と言っても、そんなことわかりたくもないけど」

『どうしてわかりたくないのじゃ?』

「興味がない。それともし知ってしまったら.....

妖狐にはバカにするな!と怒られそうだが、奴隷がかわいそうだと思ってしまうだろうな」

妖狐はプライドの高そうなタイプだから、同されることを嫌いそうだ。

『奴隷がかわいそう?奴隷なのじゃぞ?』

「だから言っただろ。俺の國には奴隷なんてもんはいなかったの。だからどうしても同してしまう。

第一奴隷って言っても、みんながみんな犯罪を犯して奴隷になった訳ではないだろ?

そういう人達はあまりにもかわいそうだと思ってしまう。例え、その考えが失禮なことだとしても」

犯罪奴隷なら同の余地はないけど.....いや、やっぱりちょっとかわいそうな気もする。

犯した罪の容によっては狀酌量の余地もあるだろうし。

なによりも犯罪を犯してもいないのに、強制的に奴隷にさせられた人達はかわいそうでならない。

そういう世界だとしても、どうしても割り切れないものがある。

「本音を言うとさ」

『なんじゃ?』

「.....奴隷なんてもんには関わり合いたくなかったんだよ」

『・・・そ、そうか』

「!?」

や、やばい!明らかに妖狐が傷付いたと思う。

マフラー妖狐だから表を伺うことはできないが、それぐらいは偏差値0の俺でもわかる。

.....違う!違うんだ!俺が言いたいのはそういうことじゃないんだ!

俺は慌てて言い繕う。

ちょっと早口口調になってしまったのがけない。

「はじめは奴隷に関わるとかわいそうだし、めんどくさそうとか思ってたんだ」

『・・・』

「それで実際妖狐奴隷と出會ったことで、本當にかわいそうだと思ったし、めんどくさいとも思った」

『.....す、すま・・・』

「だけど!」

絶対勘違いしてそうな妖狐の、恐らく謝罪とも取れる言葉を急いで遮る。

『!?』

「かわいそう。めんどくさい。そう思う以上に・・・

妖狐を見ていると、なんとかしてあげたいと思う様になってきたんだよ」

妖狐が驚いているとハッキリわかる。

マフラー狀態なのになぜかそれだけはハッキリとわかる。

.....ついに俺はエスパー能力を覚醒したか?

・・・。

おふざけはここまでとして、どうしてわかったのかは目の前の狀態をみれば誰でもわかる。

「!!?」

妖狐が狀態に戻って目の前にいるからだ。それもとても驚いた顔をして・・・。

妖狐の変化も完璧なものではないらしい。

なにかをきっかけにして変化が解除されてしまうみたいだ。

いきなり目の前にが現れた時なんてまたしてもおばけを疑ったぐらいだ。

異世界なんだし、おばけとかいてもおかしくはないだろう。

なんだったら宇宙人も信じる。てか、この世界からしてみれば俺が宇宙人にあたるのか。

・・・。

とりあえず今は目の前の妖狐だ。

俺は怒るつもりもないし、怒る要素も全くない。だから自分を責めないでしい。

ようやく驚きの衝撃から帰ってきた妖狐が口を開いた。

「.....ほ、本當になんとかしてくれると言うのか?」

「俺にできることならな。それで妖狐は俺になにをしてもらいたい?」

「・・・」

.....あれ?

正直すぐ食いつくと思っていた。

妖狐の願いは知っていたし、それしかありえないはずだ。

でも當の妖狐はとても言い出しにくそうにしていた。

どこかまだ遠慮しているような、どこかまだ疑っているような、そんなじだ。

人間である俺をすぐに信じるのは難しいだろう。そこは仕方がない。

でも遠慮するのは妖狐らしくない。

.....遠慮してなかなか言い出せないなら、俺が背中を押すまでだ!

「悪い。言い方を間違えたな。俺はなにをしたらいい?」

「!?」

これまでも妖狐はずっと高慢だった。

しかし今はし素直な妖狐になっている。これはこれでいいのだが、やはりいつもの妖狐が一番だ。

妖狐の矜恃を守ってやれば、いつもの妖狐が顔を覗かせてくるだろう。

「妖狐はなにをしたら喜んでくれるんだ?妖狐は俺になにをさせたい?」

「お、お主・・・。いや!妾を所有せい!特別に妾を所有することを許してやるのじゃ!」

「わかった。なら妖狐を所有させてもらおう」

「妾を所有できるなんて栄なものじゃぞ?妾に謝するがよい!」

そこには二本の尾を嬉しそうにぶんぶんと振りながら、かわいらしい笑顔があった。

ちゃんとしてれば可い子なんだけどな~。もふもふだし。

こうして俺は妖狐を所有する決意を固めた。

本日の戦利品

①妖狐の所有

②妖狐の多の信頼

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『アテナ』 レベル:3 危険度:極小

種族:

年齢:ーーー

別:♀

職業:

稱號:智慧の

力:50

魔力:50

筋力:50

耐久:50

敏捷:50

裝備:殺戮の斧

神ポイント:196840【↑800】

【一言】お姉ちゃんはー、明日から本気出すー(・ω・´*)

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アユムの所持金:4564000ルクア【↓20000】

冒険者のランク:A(クリア回數:5回)

このお話の歩數:約10600歩

ここまでの歩數:約17585400歩

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『アユム・マイニチ』 レベル:5930【↑1】

種族:人間

年齢:26

別:♂

職業:凡人

稱號:神の付き人

力:5940(+5930)【↑1】

魔力:5930(+5930)【↑1】

筋力:5935(+5930)【↑1】

耐久:5935(+5930)【↑1】

敏捷:6190(+5930)【↑1】

裝備:旋風の剣(敏捷+200)

技能:言語理解/ステータス/詠唱省略

Lv.1:初級魔法/初級闇魔法

Lv.2:浄化魔法

Lv.3:鑑定/剣//索敵/知/隠

偽造/捜索/吸収/治癒魔法/共有

初級火魔法/初級水魔法/初級風魔法

初級土魔法/ 理耐/魔法耐

狀態異常耐

共有:アイテムボックスLv.3

パーティー編Lv.1

ダンジョンマップLv.3

検査Lv.3

造形魔法Lv.3

固有:ウォーキングLv.5930 5102/5931

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後書き

次回、アテナお姉ちゃん!

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今日のひとこま

~大妖怪!~

「妖狐がいきなり小きつねになったときは驚いたよ」

「そうであろう」

「ちなみにどっちが本來の姿なんだ?」

「バカにしておるのか?妾は獣人じゃぞ?獣ではないのじゃ」

「なるほど。ちなみに変化できるのは子狐だけか?」

「妾はあと一段階だけじゃな。妾の祖先は全部で四段階できたらしい」

「それはすごい!全部見た目が変わるのか?」

「ふふん♪お主もすっかり妖狐族の虜じゃな」

妖狐族のと言うよりかは変化とかに憧れる。

子供の頃、へ~んしん!とかやって遊んでたのは懐かしい思い出だ。

「それでどうなんだ?」

「獣、、幻獣、神獣となる。幻獣と神獣は尾の數が違うだけで見た目は一緒と聞いておる」

「ふ~ん。となると、妖狐はにもなれるのか」

「なななななんじゃ!?妾のが見たいとでも言うのか!?」

ってことは大人になった妖狐ってことだろ?」

「そ、そうじゃな」

「妖狐は今でもすごく人だし、大人になった妖狐とかどれだけきれいになるのか想像がつかないよ」

「・・・ふ、ふん!い、いつか機會があったら特別に見せてやるのじゃ!」

アテナもかなりの人だが、妖狐はこの若さですでに完されたってじがするんだよな~。

しかし妖狐のを見る機會は意外と早く訪れるのであった。

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