《歩くだけでレベルアップ!~駄神と一緒に異世界旅行~》第68歩目 はじめての奴隷商!①

前回までのあらすじ

妖狐を所有するには奴隷商に行かなければいけないことを知った

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世界観の世界編!に『奴隷』と『奴隷制度』の項目を追加しました。

本編ではれられていない部分も記載してありますので、ご興味ある方はぜひ覗いてみてください。

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□□□□ ~作戦會議~ □□□□

非常に困った。

妖狐を所有するためには奴隷商へ行き、そこで奴隷契約を結ぶ必要がある。

そして契約を結ぶには、購費用とは別に契約費用が必要らしい。

以前ラズリさんから聞いた話だと、の戦闘用奴隷の購費用は150萬前後が相場だ。

つまり契約費用は最低でもその半分の80萬前後は必要になる。

これはあくまでも必要最低限な金額であり、狀況によってはもっと必要になる可能も・・・。

そして俺が今所持している金額は約9萬。

余裕を持つとするなら、後90萬ぐらいは必要だと考えたほうがいい。

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全く足らない・・・。

金を稼ぐ手段としてはフルールのダンジョンに潛ることだ。

ただ明日には王都に向けて出発してしまう。

相當頑張れば2日もあれば稼げる金額ではあるので、事を話せばナイトさんなら分かってくれるだろう。

しかし・・・

どういう事かはわからないが、ナイトさんは早く王都に行きたがっている。

たかが2日ぐらいと思うのは俺の主観な訳で、もしかしたらされど2日と思っているかもしれない。

そう考えると出発を延期するのは可能な限り控えたい。

「お、おか、お金足りないなら、か、かし、貸してあげましゅよ?」

ある程度の信頼関係を築いているからこその提案なのだろう。

そして同時に出発延期論はこれでなくなったとみていい。

「ありがとうございます。どうしても必要になったらそうさせてもらいます」

「わ、わか、わかったでしゅ。よ、よう、妖狐ちゃんの命に関わることだから遠慮せじゅに言ってくださいでしゅ」

そ、それなら數日ぐらい待ってくれても・・・。

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そう思わざるを得ない。

しかし効率優先のナイトさんからしてみれば、お金はあるのだからそれを使えばいい、わざわざ滯在期間を延長する意味がない、ということだろう。

妖狐の命に関わる問題ではあるが、結構そのへんの考え方はシビアだ。

これは何もナイトさんだけが特別ではない。

道行くエルフやドワーフを見ていてもわかるが、獣人奴隷にはある程度優しさを持って接しているのは確かだ。

だがそれは、あくまでも自分に不利益が生じない範囲で、という前提がついた上での優しさだ。

そんなことは當たり前と言えば當たり前だろうが、やはりそこは人として接しているというよりかは、奴隷はあくまでも奴隷として扱うということなのだろう。

だからこそ妖狐の心配をしているのは間違いないだろうが、それでも妖狐のためにわざわざ滯在期間を延長するつもりは全くないということになる。

とりあえずナイトさんからお金を借りるのは最終手段だ。

金を借りる行為はできるだけ避けたい。金銭トラブルはきっと異世界にもあるはずだ。

ナイトさんとは親しいだけに、余計金銭トラブルの元になる行為は避けたい。

そうなってくると手段は一つ・・・。

「.....悪い。アテナ頼めるか?」

「うんー!歩が困ってるみたいだしー、それにコンちゃんのためだからねー!まっかせなさーい( ´∀` )」

作戦は決まった。

結局アテナからの提案をそのままれることにした。

こうして俺達はアテナに全てを任せることにして、奴隷商へと向かうことにした。

□□□□ ~作戦決行前~ □□□□

奴隷商館はなんとも華やかだ。部が。

外観は窟タイプのダンジョンに似て薄気味悪いのだが、中にってしばらく進むとそれはもう豪華絢爛といった様だ。

奴隷商売は相當儲かるのだろう。部を見ただけでもそれはわかる。

係りに中に案された俺達はこの館の主人を待つ。

しばらく待つと恰幅のいいにこにことした年配らしき人が現れた。嫌な予が頭をよぎる。

「これはこれは。ようこそ當商館においで下されました。私がこの商館の館長を務めている者でございます」

館長はそれはもうびるように、ゴマすりみ手をして近付いてくる。俺が一番苦手な商人だ。

「.....ど、どうも。本日はお世話になります」

苦手なタイプだが、握手を求められたのでそれに応じる。

この場合の握手は異世界版の名刺換みたいなものだ。実際ナイトさんともしている。

握手を終えた館長が俺の背後に控えているアテナ達を一瞥している。

まるで品定めをしているかのような・・・いや、実際しているのだろう。

「係りの者に伺っておりましたが・・・これは素晴らしい!」

「・・・」

「し、失禮しました。それでは早速本題にりましょう」

イスに座るよう促されたので席につく。

すると早速館長が興気味に切り出してきた。

「本日のご用向きは奴隷の売卻でしょうか?特にそちらの者は相當な上玉。

この道30年務めておりますが、ここまでの上玉はいまだかつて見たことがございません。

売卻でしたら、破格の値段で買い取らせて頂きましょう!」

館長が上玉と比喩したのはアテナのことだ。

.....はぁ。またこのやり取りかよ。何度目だよ!いい加減にしてくれ!

俺が辟易しているのも理由がある。

この奴隷商に著くまでに何度も同じやり取りをしてきたからだ。

奴隷商の場所がわからなかった俺は道行く人々にその場所を尋ねまわった。

そしてわかったことがある。奴隷商を訪れる人の目的は基本的に奴隷を買うか売るかのどちらかになる。

そして奴隷商の場所を尋ねていた。

つまり俺がこれからアテナ達を売りに行くところだと誤解されるケースが非常に多かったのだ。

俺の見た目は普通だし、高価なに付けている訳でもない。買いに行くとは思われなかったようだ。

そんな誤解が生じている中、アテナのような超絶がその対象になっているとなると・・・。

尋ねる人尋ねる人みんなが今の館長のような質問と提案をしてきたのだ。

いい加減もううんざりだ。

「アテナを売りにきたのではありません。今日は奴隷契約を結びに來ました」

「.....そうでございますか。それは殘念です。.....気が変わりましたらいつでもご來店ください」

しつこいな!まぁ、気持ちはわかるけどさ。

「それでどの者と奴隷契約を結ばれますか?」

「この子です」

そう言って、妖狐の頭に手を乗せた。

───ビクッ!

妖狐からは一瞬が強ばる反応が返ってくる。

「い、嫌だったか?」

「そ、そうではない。気にせんでよい」

「そうか?嫌だったらちゃんと言えよ?」

「う、うむ」

とりあえず妖狐は大丈夫そうなので館長との話に戻る。

「獣人.....でございますね。その『』を手にれた経緯を伺ってもよろしいですか?」

「経緯ですか?」

「はい。そのをどのようにして手にれたのかを知りたいのでございます。

獣人は基本的には奴隷でございます。つまりは奴隷契約を結ばれているのが一般的でございます。

それが結ばれていない.....となるとどこからか手してきたと考えるのが筋でしょう」

それはその通りだろうが・・・。そんなことを知ってどうするんだ?

俺は訳がわからないまま、妖狐との出會いの経緯を館長に全て話した。

最初は厳しい顔付きの館長だったが、次第にその厳しさが薄れてきた。

「ありがとうございます。それならば問題はございません」

「そうですか。でもどうしてこんなことを聞くんですか?」

「簡潔に言えば、この辺りは私どもの縄張りだからでございます。

先ほど申しましたように、獣人は基本的には奴隷でございます。

いまだ奴隷になっていない獣人は、いついかなる時でも奴隷にしてよいことが決まっております。

しかしそう決まっているとはいえ、むやみやたらと獲されてしまっては私どもが困ってしまいますから」

.....つまりは利益確保のために、個人で勝手に獣人を捕まえるな、とそう言いたいのか。

「.....なるほど。ちなみにそのような勝手な振る舞いをしている者がいたらどうなるんです?」

「當然排除させて頂きます。私どもは國の認可を得てこの仕事をしておりますから、その権利がございます」

.....こわ!つまりは國を敵に回しますよ?と言いたいんだろ!?

でも、この辺りの考え方は日本のそれと通じるものがある。

日本でも路上で勝手に商売をするのはご法度だ。必ず役所などの認可が必要となる。

しかもここでは國が認可をしている。となると.....恐らくは売り上げの一部を國に納めさせている可能がある。

するつもりは一切ないが、獲などはしないほうがのためだろう。個人では組織には敵わないのだから。

「.....あ、安心してください。この妖狐は説明した通りですので」

「わかっております。ですが念のため確認させてもらってもよろしいですか?」

「確認.....ですか?」

「はい。私ども奴隷商人は、そのの奴隷遍歴を確認できるのでございます」

きた、きた、きたあああああ!きっとそういうスキルがあるんじゃないかと思っていたんだ!

俺の考えなどは気にもせず、館長はなにやら呪文を唱えて妖狐を調べ出した。

「(アテナどうだ?まねっこできそうか?)」

「(あーははははは( ´∀` )歩くすぐったいー!)」

「(.....ふざけてると頬をつねるぞ?いいのか?)」

「(ひぃ!.....だ、だいじょぶだよー。教えてもらえればなんとかなるー。ただー・・・)」

「(どうした?なにか問題でもあるのか?)」

「(これねー。思った以上に高度で難解なスキルみたいー。結構ポイントつかうよー(。´・ω・)?)」

こんなことは初めてだ。

今までにも何度かまねっこを頼んできたが、こんなことを言われたのはいまだかつて一度もない。

でも、考えてみれば當然なのかもしれない。

人を自由に奴隷にできるスキルだ。

それはつまり人の人生を俺が好き勝手にできるということにもなる。

呑み比べで勝たないとダメなナイトさんですら、もしかしたらそんな必要もなく俺の自由にできてしまう可能がある。

・・・。

改めて考えてみると、とてつもなく恐ろしいスキルだ。

妖狐の一件さえなかったら、手できる機會があっても絶対に手はしなかっただろう。

そんな恐ろしいスキルを手する度は俺にはないし、何よりもそんな非人道的なスキルを手するという考えに心が耐えられない気がする。

・・・。

でも今の俺は違う。

妖狐を所有すると約束したから。

約束を反故にしたら、きっと妖狐は悲しむだろう。

妖狐の嫌がることはしないと誓ったばかりだ。それを破る訳にもいかない。

・・・。

俺の覚悟は既に決まっている。

ここで山賊戦の時に苦慮した経験が生きてくるとは思わなかった。なんという皮

・・・。

「(.....ポイントはいっぱいあるし、アテナ頼む!)」

「(はーい!じゃー、作戦をはじめるねー!終わったらいっぱいごほうびちょうだいよー(。´・ω・)?)」

───ぽふっ。ぽんぽん

「(まかせろ!なんでも買ってやる)」

「(にへへー(*´∀`*)じゃー、いってくるー!)」

ぽんぽんされたアテナは、いつものように八重歯を覗かせながらにぱー☆と微笑んだ。かわいい。

こうして俺達の作戦はいよいよ始まりを迎えた。

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後書き

次回、奴隷商の続き!

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長くなったので、二つに分けました。

この話の二時間後に続きをUPします。

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