《歩くだけでレベルアップ!~駄神と一緒に異世界旅行~》第71歩目 はじめての所有!妖狐と二人っきり②

前回までのあらすじ

神すらも奴隷にできちゃうびっくりスキル

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皆様のおかげで、日に日にPV數が増えていきとても嬉しく思っています。

ありがとうございます!

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□□□□ ~小さな監視者~ □□□□

深夜。

妖狐と部屋を抜け出し、夜の散歩を楽しむ。

以前と同様寒いが.....隣を歩く妖狐を見ても、寒そうにしていないので今回は安心だ。

それにしても妖狐が先ほどから落ち著きがない。

ちらちら見てきたり、そわそわしたり、おまけに何かを言いたそうにしている。

「どうした?」

「う、うむ。き、今日は寒くはないのか?」

「寒くはないけど?」

「そ、そうか。ならよい.....」

妖狐は誰が見てもわかるぐらいに落ち込んでしまった。

いつも優雅にたなびかせている尾がシュンと垂れてしまったことからもそれはわかる。

.....えっと?つまりそういうことなのか?

「.....や、やっぱりし寒いかな?」

「そ、そうであろう!お主も素直ではないのじゃ!寒いなら寒いとそう言わんか!

わ、妾を所有すると決めた禮じゃ。今宵も特別に妾を使うことを許してやろう!」

どんな言い訳だよ!

そうしたいなら、そう言えばいいのに。本當に素直じゃない。

俺が下手な言い訳に苦笑している間に、妖狐はぽん!とかわいらしい音を立ててきつね狀態に変化していた。

そして素早いのこなしで俺のを駆け上がり、あっという間に首に巻き付いてしまった。

・・・。

なんという早業。

ここまで僅か數分の出來事だ。

余程楽しみにしていたのだろう。かわいいやつだ。

『どうじゃ?暖かいであろう?』

「ありがとう。すごく暖かいよ」

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『そうであろう♪そうであろう♪

今後も寒いようなら遠慮なく言うがよい。しは考えてやってもよいのじゃ』

「.....え?いいの?」

「だ、誰も必ず許可するとは言っておらぬ!しは考えてやると言ったまでじゃ!」

思わぬ形で妖狐からマフラーの権利を得ることになった。

今の季節はなんなのかはわからないが、寒い間は利用してあげることにしよう。妖狐もきっと喜ぶだろうし。

・・・。

.....あれ?待てよ?

そんなことを考えていたら、ふとあることに気付いた。

「今後もって.....まさか今後もずっと付いてくるつもりなのか?」

『當然であろう?妾は今後お主の奴隷になる。そして主人を守るのは奴隷の役割なのじゃ』

「守るって.....別に町中だし、危険なことなんてないだろ」

『バカもの!油斷大敵なのじゃ!いつ何どき何があるかわからないであろう?

.....ほ、本當に頼りにならぬ主人なのじゃ。やはり妾がしっかりと守ってやらねばの!』

なんだかわからないに、今後の日課に妖狐が付いてくることが決まってしまった。

しかも俺を守るだなんだと、両の拳をの前で握り締める仕草をして勝手に盛り上がっている。かわいい。

まぁ、妖狐のことだから何を言っても付いてくる気でいるのだろう。

下手なことを言って、妖狐の機嫌を損ねる必要もない。

『そ、それに.....』

「なんだ?」

『お、お主が変なに誑かされぬよう、わ、妾がしっかり監視するのじゃ!』

「・・・」

なにそれ!?そんな役割聞いたことないぞ!?

「ま、まさか.....本當の目的はそれじゃないだろうな!?」

「.....ふ、ふん!しゅ、主人の貞を守るのも奴隷の役割なのじゃ!か、謝するがよい!」

・・・。

こうして俺の貞を守る小さな監視者が誕生した。

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しかもそれを守るのがときた。

俺は今後、妖狐の許可がないと貞ができないみたいだ。

.....てか、貞を守ってもらう必要があるのか?そもそも貞を守るとは?

□□□□ ~妖狐の勘違い~ □□□□

いつもの日課であるウォーキングをしているに公園に差し掛かった。

公園と言っても、日本のように遊があったりはしない。

ただただ散歩をしたり、憩いの場とするだけの平地だ。

たまにエルフが、蝶よ花よ、と花壇で自然と戯れているが、筋骨隆々のエルフでは・・・

とりあえず、ここで妖狐に大事な話をすることにした。

公園のベンチに腰を掛け、妖狐にもモードに戻ってもらう。

「大事な話がある」

「うむ」

「妖狐の今後のことなんだが.....俺は妖狐を大切にしたいと思っている」

「大切に.....でも妾は奴隷なのじゃぞ?」

「関係ないな。前にも言ったが、俺の國には奴隷なんていないんだ。だから奴隷に馴染みが全くない。

だからこの世界では妖狐は奴隷なのかもしれないが、俺はどうにもそれがれがたい」

奴隷もそうだが、獣人も・・・いや、獣人に限らず人間以外の種族にも馴染みが全くない。

だから頭では理解できても、そう簡単に割り切ることがなかなかできないことも多い。

エルフがなぜか筋骨隆々だったり・・・

ドワーフがなぜかお嫁さんにしたい種族No.1だったり・・・

全獣人がなぜか全種族から當たり前のように奴隷扱いされていたり・・・

奴隷という制度が想像以上に糞悪くなるシステムであったり・・・

・・・。

でもそれでも確かなことが一つある。

「どういうことじゃ?」

「妖狐が奴隷であろうとなかろうと簡単ない。俺は妖狐を一人のの子として見てるってことだな」

「わ、妾を一人のとして見ていると!?」

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「そういうことだな。だから大切にしたいと思っている」

目の前の妖狐は確かにこの世界では奴隷なのかもしれない。

しかし、俺には奴隷うんぬんの前に一人のかわいらしいの子にしか見えない。

「そういう訳だから、俺の・・・」

俺が続きを言おうとしたら、妖狐がまるでそれを遮るかのように一気に捲し立ててきた。

「.....わ、妾は人間が憎いのじゃ。憎いのじゃが.....お主は人間と言うても勇者様じゃ。

この世界の人間ではない。だ、だから妾はお主のことはしも憎んでおらぬ」

「お、おう?ありがとう」

.....それは嬉しいのだが、いきなりどうした?

「それにお主は奴隷である妾に酷いことをせぬと「神」にも誓ってくれた。とても嬉しいのじゃ」

「確かに誓った。そして破るようなことはしないつもりだ」

.....なんか神の部分をやたら強調してくるな。お決まりの謳い文句ではないのか?

「さらにお主は奴隷である妾を度々気遣ってもくれる。お主の行一つ一つに優しさをじるのじゃ」

「まぁ、に優しくするのは當たり前だからな。アテナは別だけど」

.....優しいと言っても実際は手探り狀態なんどけどね。いつか失敗するんじゃないかとひやひやものだ。

「だ、だからお主がむなら・・・」

「?」

「わ、妾も悪い気はせぬし.....し、真剣に考えてもよいと思うておる」

「.....そうか。ありがとう」

さすが妖狐だ!

俺が言いたいことを言わなくても全部わかってしまうとは・・・恐るべき観察眼!

ラズリさんもそうだったが、の勘ってやつだろうか。

妖狐もとは言え、なんだなと改めて思い知らされた。

「.....う、うむ。妾はこんな格じゃが、末長くよろしく頼む」

「末長く.....?なんのことだ?」

「.....?なんのことって.....妾とお主の関係であろう?」

「俺と妖狐の関係?」

「.....違うのか?」

.....あれ?なんか話が食い違っているぞ?妖狐はなんの話をしているんだ?

「俺が言いたいのは、妖狐を大切にしたいから妖狐の気持ちを尊重したい、ってことだ」

「う、うむ。だから妾もお主との仲を真剣に考えるつもりじゃ」

「.....俺との仲?妖狐はさっきから何の話をしているんだ?」

「・・・」

あきらかにただならぬ雰囲気が辺りを包んだ。

訳がわからない。

それに妖狐もかつてないほどの不機嫌になっている.....気がする。

という全が凄まじく逆立っている。

.....え?なにこれ?俺か?俺が原因なのか?

俺が訳のわからない事態に困していたら、妖狐が重々しく口を開いた。

なんか怖いんですけど!?

「.....どういうことか詳しく話せ」

「.....あ、あれ?妖狐さん?なんかいつもと口調が・・・」

「.....いいから早く話せ」

.....ひ、ひぃ!!!なに!?なんなのこれ!?

「.....早くしろ。妾をこれ以上怒らせるな」

これ以上は危険だ。

なにがなんだかわからないが、これ以上は危険だと俺の生存本能が訴えている。

平和ボケしている日本人の俺ですらじることができた本能だ。これはマジなやつだろう。

「えっと.....俺の話はもし奴隷を解放することができるとしたら、妖狐はどうするってことなんだが・・・」

「.....なんじゃそんなことか」

いやいやいや。そんなことって・・・。

結構大変なことを言ってると思うんだがなぁ。

「妖狐はなにと勘違いしていたんだ?」

「べ、別になんでもよかろう!」

「そうなのか?まぁ、大したことない話なら別にいいけどさ」

「た、大したことない話ではない!妾にとってはとても重要なことじゃ!」

大慌てで妖狐が否定をしてきた。

よほど重要な話なんだろう。

ただ俺はそれを話してほしいから尋ねているのだが・・・

「.....だからそれがなんだって聞いてるんだが?」

「お主には絶対教えぬ!妾の乙心を弄びおって!許せぬのじゃ!このの敵!!」

.....え~。一なんなんだよ。俺がなにをしたって言うんだよ。理不盡すぎるだろ・・・

心と秋の空なんて言葉を聞いたことがあるがまさにそれだ。

よく世の彼氏一同はこんなのに耐えられるな。それとも妖狐が特別理不盡なんだろうか。

こんなことでと、いや、せめてニケさんとだけでもいいが、上手くお付き合いできるのだろうか?

なんか自信がなくなってきたぞ・・・

□□□□ ~妖狐の決斷~ □□□□

とりあえず俺の自信うんぬんは今は関係ない。

それにニケさんは頼れるお姉さんの雰囲気を持っていた。

だから神だろうと、きっと経験または知識が富なはずだ。

つまり俺が無理をする必要はどこにもない。

マスターであるニケさんに全てを任せればいいだけだ。きっと俺を上手く導いてくれるだろう。

俺の中である程度答えが出たところで、改めて妖狐に尋ねてみた。

「それで?妖狐はどうするんだ?」

「.....はぁ。解放できたらって話であったな?」

「.....ため息つくな。真剣に聞いてるんだから」

「妾は、たられば、の話はあまり好きではないのだが.....実際問題無理であろう?」

妖狐の言う通り、奴隷解放はかなり現実的ではない。

一般的な奴隷の解放の場合。

費用が相場の150萬とすると、契約費用は80萬前後となる。合わせて230萬。

そして奴隷解放費用は購と契約の費用を合わせた金額の10倍となるから、最低でも2300萬となる。

これだけでも途方もない金額となる。こんな大金今まで所持したことがない。

そして獣人には別の問題もある。

獣人奴隷は解放してはいけない決まりがある。

奴隷に関しては國が認可しているだけに、國がそう決めているといっても過言ではないだろう。

妖狐が無理だと言っているのは暗にこれを差す。

普通に考えたら、獣人である妖狐の解放など不可能なのだ。

でも、俺には不可能を可能にする力がある。

「訳は後で話すが、俺ならなんとかできるんだ」

「な、、んじゃと!?本當なのか!?」

妖狐は信じられないとでも言いたげな顔をしている。

気持ちはよくわかる。でもここは信じてもらうしかない。

「本當だ。だからそれが分かった上で改めて聞きたい。.....妖狐はどうする?」

「じゅ、獣人でも解放できると言うのか?」

「試してみないと分からないが、多分できるはずだ」

「な、なんと・・・。さすがは勇者様なのじゃ。伝え聞く通りの恐ろしい力なのじゃ」

あ、あの。多分普通の勇者ではできないと思うんだ。俺だからできることであって・・・

この問題はやはりすぐにでも解決しないとマズい気がする。

勇者だからなんでもできると思われたら後々大変だし、なによりもそんな勘違いをされたままだと他の勇者に迷をかけてしまう。

.....やはり妖狐には真実を話そう。誰にも話さないことを條件にして。

「繰り返すが、妖狐はどうしたい?」

「うむ・・・」

妖狐が考え込んでいる。

その仕草と揺らめく尾がちょっとかわいい。

でも、これは予想外だった。

正直即答で、解放してほしい、と言われると思っていた。

俺が妖狐の立場ならきっとそうしていただろう。解放さえされてしまえば自由なのだから。

・・・。

そしてしばらくして妖狐が出した答えは・・・

「.....解放はダメじゃな」

「はああああああああああああ!?なんで!?」

仰天した。理解できない。

俺の力を信じる信じないは別としても、奴隷から解放できるチャンスを棒に振る理由がわからない。

そもそも妖狐に解放の有無を聞いているのは、妖狐が解放をむ前提の上で、妖狐の矜恃を傷付けないようにするためだ。

高慢な妖狐のことだ。

俺が恩著せがましく振舞ったら、変に意地を張るのが目に見えている。

だからこそ解放はあくまで妖狐の意思でするのであり、俺はその手伝いをしたにすぎないとの裁をとるつもりだった。

しかし結果は・・・。

「妾の気持ちを尊重してくれるのであろう?ならお主の奴隷にするがよい」

「え?え?.....ええ!?ほ、本當にいいのか!?奴隷から解放されるんだぞ!?」

「くどいのじゃ。くどい男はあまり好かれぬぞ?.....わ、妾はそのようなことあまり気にせぬがな」

.....いやいやいや!妖狐の好きなタイプとか聞いてないから!

妖狐がほんのり頬を染めてこちらをちらちらと伺っている。尾もご機嫌だ。

そんな姿にちょっとドキっとしてしまったが、俺は決してロリコンではない。.....多分。

「.....わ、訳を聞いていいか?」

「ちょっと考えればわかることであろう。お主は目先のことばかり考えすぎじゃ」

「.....目先?奴隷から解放されれば自由なになることのなにが目先なんだ?」

「.....はぁ。『大男総に知恵が回り兼ね』とはよく言ったものじゃな」

妖狐がやれやれといった仕草で大きなため息を吐いている。

な、なんだろう。

その言葉の意味はわからないが、バカにされたことだけはなんとなくわかる。

それにしてもアテナに引き続き、妖狐にもバカにされてしまった。

俺がバカな子だと思っていた二人からバカにされてちょっとショックだ。

「.....せ、説明を頼む」

「な、なんじゃ?妾の言葉を気にしておるのか?案外打たれ弱いのじゃな。

(.....やはり妾が側にいてやらぬとダメな主人なのじゃ)」

「.....?なんか言ったか?」

「な、なんでもないのじゃ!.....まぁ、聞くがよい。特別に教えてやるのじゃ」

こうしてバカな俺は賢い妖狐先生から解放がダメな理由を教わることになった。

「まず奴隷になってない獣人はいついかなる時でも奴隷にしてよいと教わったであろう?

妾がもし解放でもされたら、それに再び當てはまってしまうのじゃ。その結果・・・」

妖狐が一息つく。

窺い知れるその表はどこか苦渋に満ちたものだ。どうしたのだろう?

「再び捕まる可能が出てくるし、なによりもまたあの時の悔しさを味わうことにもなる」

「あの時?」

「.....それに獣人は奴隷にされるだけではないのじゃ。時にはの一部を削がれ、素材にされたりもする」

.....あれ?なにげにスルーされた?それに素材って・・・皮とかのことを言っているのか?

でも、なんとなく妖狐の言いたいことがわかってきた。

奴隷でいることが逆にの安全に繋がると言いたいのか。

主人のご機嫌次第ではあるが、主人の『』として一応の安全は保障される訳だし。

「.....安全のためか?」

「正解なのじゃ。もちろんそれだけではないがの」

「.....ほかにもあると?」

「當然なのじゃ。今ならお主の奴隷になれるという選択肢がある。しかし、解放され再び捕まったとしたら・・・」

なるほど。それも的を得た考えだ。

俺が主人なら分上は奴隷であっても、心までは奴隷にならないでも済む。

しかし別の主人に買われでもしたらそうはいかないだろう。

......それにしてもその年でよく考えてるな~。

しかしそれならそれで俺にも考えがある。

「再び捕まるのが怖いなら、解放後も俺の側にいればいいだろ?可能な限り守ってやるぞ?」

「.....はぁ。お主は本當に異世界人なのじゃな。今の言葉でハッキリとわかったのじゃ」

.....え?またバカにされた?結構いいことを言ったつもりなんだけど・・・

「.....お主は一人でなんでもかんでもできると自惚れておるのか?

いくら勇者様でもできることとできぬことぐらいあるのであろう?」

「い、いや、自惚れていないからこそ可能な限りと言ったんだが・・・」

「.....可能な限りとはどういうことを言うのじゃ?仮に可能でなくなったら守れぬのであろう?

そうなった時、妾はどうなるのじゃ?お主が責任を持って買い戻してくれると約束してくれるのか?」

「・・・」

妖狐の言うことは最もなことだ。

俺は妖狐のことを想って提案したつもりだったが、その実なんの拠もない絵空事をただ好き勝手に宣っていたにすぎない。

単なる偽善者。

善に酔いしれていたバカなピエロを演じていたに過ぎない。

「.....お主は間違いなく優しい。妾はそんな優しいお主が好きじゃ。だからこそ敢えて言おう。

お主が元いた世界がどんなところかは知らぬが、それでも異世界を、この世界を甘く考えすぎじゃ」

「・・・」

ぐぅの音もでない。

人生経験は俺の方が長くても、人生を真剣に生きてきた濃度は遙かに妖狐のほうが上だ。

こんなことは異世界にきてから今までにも散々経験してきた。

山賊の命を奪う時も、奴隷について知った時も・・・その都度認識の甘さを思い知らされた。

つまりは妖狐の言う通り、異世界を甘く考えていた結果のことなんだろう。

この世界というか、異世界はしハードモードすぎないか?

異世界は夢のあるファンタジーとか誰が言ったんだよ!責任者出て來い!

「できぬ約束はしないのと一緒で、守れぬことは言わぬが花ということなのじゃ」

「.....勉強になりました」

「うむ♪そういう素直なところも妾は気にっておる」

そうなのか?相手がでも、なんだかそう言われると嬉しい反面照れるな。

「そういう単純なところもじゃな」

「・・・」

ぐぅ!?くそ!なんかからかわれているようで悔しいな!

「せっかくお主が素直になっておるのじゃ。いい機會だし、もうし追い詰めようかの。

妾が解放せぬほうがよいと考える理由はまだあるのじゃ」

「まだあるのかよ!?」

「細かい理由ならたくさんあるのじゃが、それは置いとくとして、今回はお主の考えてくれた案について話そう」

.....え~。可能な限りって部分以外にもあるのか・・・。本當俺の考えは淺はかだったんだな。

正直お腹いっぱい狀態だったが、妖狐先生がなぜかご機嫌なので付き合わざるを得ないだろう。

バカだと思われた上に機嫌も損ねたとしたら、いい加減想を盡かされてしまう。

年頃のにつまらない人間だと思われ、その上更ににも想を盡かされてしまったら、もう男として立ち直れない。

選べる選択肢がオンリーとか泣けてくる。(好きの人はごめんなさい!)

「先ほども言うたが、妾が奴隷でなくなったら襲われるであろう。例えお主の側にいたとしてもな」

「まぁ、そうだろうな。どうやって奴隷かそうでないかを判別してるのかはわからないが」

「それは妾にもわからぬ。ただ妾が襲われた時、お主は必ず守ってくれるであろう。それは信じておる」

「.....お前、言ってること矛盾してないか?さっき俺を厳しく問い詰めたよな?」

「小さい。小さい。常にそれぐらいの気持ちでおれとの戒めじゃ。それとは別に妾はお主を信じておる」

.....な~んか上手く言いくるめられた気がする。さすが大妖怪を名乗っているだけのことはある。

「でも、俺をそこまで信じているなら解放しちゃってもよくないか?」

「ダメに決まっておろう」

「なんで?なんの問題もないだろ」

「妾の気持ちを無視するでない。いくらお主が守ってくれるとは言え、さすがに申し訳なく思うに決まっておる。

それに場合によってはお主だけではなく、姉さまやドワーフにも迷をかけることになる」

なるほど。言われてみれば確かにそうだ。

解放の件は俺と妖狐だけの問題ではなく、アテナやナイトさんにも影響が及ぶ可能がある。

.....これが本當に11歳の考えることか?すごいな・・・

俺が11歳の時なんて、鼻水垂らしてサッカーに夢中になっていたぐらいだ。

もちろんサッカーをやっていた理由はの子にモテたくてだが。もちろん結果は・・・。

「そんな訳で妾を解放しないほうがよかろう。解放したときのデメリットが多すぎる」

「それはそうだが・・・後悔はないのか?」

「後悔などあろうはずがない。お主の言葉を信じるならば、いつでも解放はできるのではないのか?」

「.....疑わないのか?それにもしかしたら今回が特別かもしれないぞ?」

「できぬならできぬでそれでもよい。それでも妾は後悔せぬ。自分で考えて決めたことなのだからな。

第一後悔してもどうしようもなかろう?そんな無駄なことをしている暇は妾にはない。

妾にはどうしても葉えたい目標があるのじゃ。ただその目標に向けて邁進するのみなのじゃ!」

そこには強く、気高く、しい妖狐の姿があった。

とてもとは思えない大きな存在。

でもどこか守ってあげたくなる、守ってあげないといけないと思わせるそんな不思議な危うさもある。

.....どこかの駄神とは別の意味で目が離せないところなんかは姉妹そっくりだ。

そして俺の中で決めたことがある。

妖狐を俺の自由奴隷にする。

解放がダメだった場合は元から自由奴隷にするつもりだったが、今回のことで余計そう思わされた。

妖狐は奴隷でも誰よりも自由に、誰よりも好き勝手に生きてこそ妖狐だ。

奴隷でも一番人間らしく生きているのが妖狐だ。

そんな妖狐に一番ふさわしいのは自由であり、自由奴隷だけだろう。

「妖狐は俺の自由奴隷にする。.....いや、俺の自由奴隷になってくれるか?ぜひ、お願いしたい」

「.....うむ。そこまで言うなら仕方がないのじゃ。お主の奴隷になってやろう!謝するがよい!」

「ありがとう。これからもよろしく頼む」

「主あるじよ、これからもよろしく頼むのじゃ」

こうして妖狐が俺の正式な奴隷となった。

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『妖狐』 レベル:56() 危険度:極小

種族:妖狐族

年齢:11

別:♀

職業:奴隷 (自由奴隷)

稱號:付き人の奴隷

所有:アユム・マイニチ

力:1200

魔力:2000

筋力:1100

耐久:1250

敏捷:1200

裝備:なし

【一言】・・・(^-ω-^)Zzz

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「妖狐。まだ大事な話がある」

「まだあるのか?今度はなんじゃ?」

「単刀直に言うと、俺は異世界人だが勇者じゃないんだ」

「なんじゃそんなことか。別に大事でもなんでも・・・

はあああああああああああああああ!?どどどどどういうことなのじゃ!?」

そうそう。そういう反応がしかったんだ。なんかやっとかわいらしい妖狐に戻ってくれた。

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後書き

次回、妖狐の大きな決斷!

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主人公の心の変遷

~奴隷編~

関わり合いたくない。かわいそう。 (※妖狐に出會う前)

めんどくさい。かわいそう。ロクなことがない。 (※妖狐を助けた直後)

めんどくさい。かわいそう。なんとかしてあげたい。 (※妖狐とお風呂の時)

めんどくさい。かわいそう。所有してあげよう。 (※妖狐とアテナが姉妹になった辺り)

かわいそう。なにがなんでも絶対所有してあげる。 (※奴隷商で説明を聞いている時)

かわいそう。所有するよりも解放してあげたほうがいいかも? (※奴隷解放がスキルで可能と知った時)

解放してあげよう。別れがし寂しい。 (※今話の途中まで)

守ってあげよう。別れずに済んで良かった。 (※今ここ!)

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