《歩くだけでレベルアップ!~駄神と一緒に異世界旅行~》第72歩目 はじめての申し出!妖狐と二人っきり③
前回までのあらすじ
妖狐を解放するのではなく所有することにした
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□□□□ ~はじめての命令~ □□□□
「あ、主が勇者様ではないとはどういうことなのじゃ!?異世界人なのであろう!?」
妖狐と奴隷契約を結び終えた俺は、ついでにと真実を告げることにした。
それはいい。それはいいのだが・・・
「主ってなんだよ?なんでいきなり呼び方を変えたんだ?」
「む?一応建前として必要であろう。それに周りからも妾が主の奴隷であると一番理解されやすいのじゃ」
「なるほど。でもなんで主なんだ?他にも々あるだろ?例えば、ごしゅじ・・・」
「.....ご主人様とかか?」
ゾクゾクきた。
妖狐は形式上は俺の所有となっている。
言い方を変えれば完全に俺のものだ。れっきとした俺専用の奴隷だ。
だからこの「ご主人様」も俺だけの特別な言葉だ。
メイド喫茶のような、なんちゃって「ご主人様」とは言葉の重みが違う。行ったことはないけど・・・
「.....むぅ。なんだか嬉しそうな顔をしておるの」
「.....え?ま、まぁ、嬉しいと言えば嬉しいかな。
そんなこと今まで一度も言われたことがないし、なによりも妖狐が言ってくれたことがすごく嬉しい」
あの高慢ちきな妖狐を言葉だけだが、征服してやった!、って気になれるのは癖になる。
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「.....わ、妾が言うと嬉しいのか?」
「誰だって嬉しいだろ。妖狐のようなかわいい子に、ご主人様、なんて言われたら気持ちが舞い上がる」
「.....お、お主もか?」
「さっき言ったろ?すごく嬉しいよ。妖狐が嫌でないならそう『呼んでしい』ぐらいだ」
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奴隷に命令が発しました
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「!?」
いきなり頭の中に聞きなれない聲?音?が鳴り響いた。
.....え?こんな何気ない言葉でも命令となるの!?奴隷制度むちゃくちゃすぎないか!?
「あ、主がむなら葉えてやりたいのだが.....妾は拒否するのじゃ!」
驚いている俺とは対照的に妖狐は慣れた態度でそれを拒否した。.....あ、嫌なのね。
この珍事にしもじていないところはさすが元奴隷だ。
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奴隷が命令を拒否しました。
今後はこの言葉を命令として認識しないようにしますか?
→はい いいえ
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當然、はい、を選択する。
それにしてもなんだかゲームっぽい。
他の主人もこんなじなのだろうか。
「い、いきなりで驚いたよ」
「お願いとは言い換えれば、命令と同じものだからの。
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特に分が上の者のお願いなど、下の者からしたら斷りにくい上に命令とけとることも多いのじゃ」
やめてくれ!そういう現代日本のような図をファンタジーに持ち込まないでくれ!
「それにしても、ご主人様は嫌だったんだな。ごめんな?」
「あ、謝るでない!嫌というよりも.....わ、妾はあくまでも、主には過剰に遜へりくだりたくないだけなのじゃ」
「過剰に?どういうことだ?」
「主とは対等でいたいのじゃ。対等な関係として見てしいのじゃ。
奴隷の分際で生意気なことを言っておる自覚はある。
だからこそ、奴隷としてきちんとお主を主として立てよう、必要ならば命令も聞くつもりじゃ。
それでも.....主とは対等でいたい。それだけは譲れぬ。.....だから頼むのじゃ」
妖狐からの真に迫るお願いだった。
もともと妖狐とは酷いことや嫌がることはしないと誓っている。
だから今回のことも嫌がるならば當然強要するつもりはない。
つもりはないのだが、これはそういった類いのものとはし違う気がする。
妖狐の眼差しがとても真剣だ。
それこそ嘆願に近いのかもしれない。
いつもの高慢な態度ではなく、どこか奴隷としての立場を弁えた態度であるからしてそう思わざるを得ない。
.....こういう奴隷としての妖狐の姿は見たくない。
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だから俺は・・・
「さっきも言ったが、俺は妖狐を一人のの子として見ているよ。だから安心してくれ」
「う、うむ。ありがとうなのじゃ!」
安心したのか、そこにはかわいらしい笑顔ではにかむ妖狐の姿があった。かわいい。
ちゃんとしてれば可い子なんだよな~。もふもふだし。
「あ~。でも.....アテナ同様、幾分保護者としての目線もあるかも?」
「はぁ?何を言うておる?妾が主の面倒を見てやっているのじゃ。勘違いするでない!」
に面倒を見てもらっている俺ってどうよ!?.....でも、これでこそ妖狐だよな。
□□□□ ~歩さんの勘違い~ □□□□
話が大分線したが、いよいよ真実を告げることにする。
「主は勇者様ではないと言うておったな?ではなんなのじゃ?」
「付き人だな。神の付き人」
「め、、がみ?」
妖狐がぽか~んとした表で呆気にとられている。
かわいらしいのだが、の子なんだからそういう表は控えてしい。が臺無しだ。
「も、もしかして、その神というのは.....ね、姉さまのことなのか?」
「その通り。いきなりあんなのが神だと言われても信じられないよな」
神の中でも、最も神らしくない神こそがアテナだと思う。
「.....う、噓ではないのだな?」
「本當だ。.....あれ?思ったよりも驚きがなくないか?」
「いや、思い當たる節があるのじゃ」
「思い當たること?」
「う、うむ。姉さまなのだが不思議な存在なのじゃ。
上手く言葉にできぬのだが.....こうあやふやな存在というか。そこにいるようでいない存在というか」
なにそれ!?怖いんだけど!?なにその心霊現象みたいな扱い。
「と、とにかく。なんとも逆らい難いオーラがあるのじゃ」
「.....そ、そんなものあるように思えないんだが?」
「今まで一緒にいて、なにかなかったのか?到底信じられないような出來事とか」
出來事・・・。なんかまともな出來事なんてほとんどないような気もする。
「驚いたことと言えば、おみくじを引いたら連続で大吉、と言うか全て大吉だったり・・・」
「全て!?いやいやいや!普通に有り得んのじゃ!」
だよなぁ・・・。俺なんていきなり大兇だったし。
「人の名を當たり前のように呼んでも、相手からは一切嫌悪されなかったり・・・」
「.....呆れたのじゃ。名だけは特別なのじゃ。それこそ親しい友人や親でも呼ぶことは許されぬ」
へ~。親でもダメなのか。てか、名については全然知らないんだった。大切なものぐらいにしか。
「およそ今まで見てきた人達よりも容姿ははるかにきれい、と言うか、かわいかったり・・・」
「.....むぅ。.....ふ、ふん!確かに姉さまはしいが、妾だってそこまで大差で負けてはおらぬ!」
今はそれ関係ないだろ・・・。負けられないの意地ってやつか?
「あと一番すごいと思うのが、邪険にされることはあっても、今の今まで誰にも嫌われたことが全くないことだな」
「.....あるではないか。それこそが神故の神なのではないのか?」
神?神なら有り得るか?.....いや、でもあいつは駄神だしな。
「ただ単にかわいいだけでは?」
「かわいい、かわいい、うるさいのじゃ!姉さまだけではなく、妾をもっと見んか!妾だってかわいいであろう!」
「なに怒ってるんだよ・・・。まぁ、確かに妖狐もかわいいけどさ」
「.....どちらじゃ?姉さまと妾、どちらがよりかわいいのじゃ!?」
なんでそこで張り合う必要があるんだよ?どっちもかわいいでいいだろ・・・。
しかしこの質問は避けられないものなようだ。
こうなったらあれしかない。
「甲乙つけ・・・」
「.....妾をバカにしておるのか?それはさっき聞いたのじゃ」
ぐぅ!いちいち細かいな!
しかし勉強にはなった。
一度使った逃げ口上は二度目は使えないと・・・。メモメモ。
「.....ど、どっちも違った魅力だから比べられないな」
「.....どう違うのじゃ?」
「アテナは子供的なかわいさで、妖狐はペット的なかわいさかな?」
「・・・」
.....あ、あれ?やっぱりペット的なかわいさはまずかったかな?
妖狐が俯いてしまっているので、表が読み取れない。
尾は.....ピクリともいていない。怒っている?
でもは逆立ってはいない。怒っていない?
全くわからん
そしてようやく口を開いた。
「.....ね、姉さまは、主にとっては相変わらず子供みたいなものなのじゃな?」
「まぁ、そんなものだな」
「.....そして妾はペットみたいなものと?」
「あくまでも例えだからな?実際は違うぞ?かわいさの方向がそうなだけってことだ」
「そんなことわかっておる。安心せい。姉さまの立ち位置さえ確認できればそれでよいのじゃ」
どうやら命拾いをしたらしい。
よくわからないが、妖狐の機嫌はすっかり直っている。
「それで主はなにしにこの世界にきたのじゃ?勇者様でないなら使命はないのであろう?」
「アテナの付き添いで旅行しにきた」
「りょ、旅行って・・・。だから主も姉さまもどこかのほほんとしておるのか」
妖狐は呆れているようだ。
俺だって妖狐の立場なら呆れるだろう。
神と一緒に異世界旅行に來たとか言われても意味が全くわからん。
「とりあえず主が勇者様ではなく、姉さまが神様だということはわかったのじゃ」
「俺から話しておいてなんだが.....今の話を全て信じるのか?」
「信じるしかなかろう?主が異世界人なのは間違いないのだからな」
「間違いないって.....なんでわかるんだ?噓かもしれないだろ?」
「姉さまが言っておったであろう?主は意地悪だが、噓はつかぬと。妾もそう思う」
「・・・」
妖狐からの信頼が重い。
どこかアテナに通じるものがある。
どういう拠があるのかはわからないが、全幅の信頼をひしひしとじる。
「それに確かな証拠もある」
「証拠?」
「うむ。主よ、すまんがステータスを表示してはもらえぬか?」
「ステータスを?別にいいけど」
妖狐に言われた通り、早速ステータスを表示する。
「これでいいのか?」
「そう言われても、妾にはどうなっているのかがわからぬ」
それはその通りだ。じゃあなんのためにこんなことをさせたんだよ?
「主はステータスを表示したまま、そこからくでないぞ?よいか?念を押すが、絶対にくでないぞ?」
「わかった」
なにをしたいのかよくわからないが、妖狐の言う通りにする。
妖狐は怒らせると怖いからな。かざること山の如しだ。
「.....で、では參る」
妖狐はそう言うと、顔をどんどん近付けてくる。
そして、お互いの目と目が合った。改めて見つめられるとなんだか気恥ずかしい。
さらに顔を近付けてくる。
お互いの息がかかりそうなぐらい近い。妖狐のあまい吐息が鼻孔をくすぐる。
───ドキドキ
あまりの近さに心がざわめく。
「.....お、おい?」
「バ、バカもの。う、くでないと言うたであろう」
「そ、それはそうだが.....な、なにをするつもりだよ?」
「い、いいから黙っておれ」
おとなしく黙っていられる狀況じゃないだろ!?
「な、なにか良からぬことをするんじゃないだろうな?」
「良からぬこと?」
「.....そ、そのキスとか?」
「・・・」
「.....?ど、どうした?」
「.....妾と接吻することは、そんなに良くないことなのか?」
ちょっ!?ま、待ってくれ!?どうした!?
その言葉の真意がどこにあるのかはわからないが、恐ろしくやばい狀況だ。
文字通り、目と鼻の先にいる妖狐が泣きそうになっている。
とにかくかなり慌てた。
妖狐が泣きそうになっている原因は間違いなく俺だ。
俺の何気なく放った言葉が妖狐を傷付けたのは間違いないだろう。
妖狐が今なにをしようとしてきているのかはわからない。
ただ単純に妖狐の質問に答えるなら、嫌なことなんて全然ない。
むしろ妖狐のようなとキスできる機會なんてそうそうないだろう。
妖狐の言葉を借りるなら、むしろ栄の至りだ。
しかし俺にはニケさんがいるし、妖狐の本當の気持ちがわからない。
曖昧な関係のまま流れでそういうことはできないし、したくない。
だから俺はかつてラズリさんにしたように、妖狐にも同じことをすることにした。
つまりは斷る。
「.....全然嫌なことじゃない。妖狐のようなとキスできるなんて、むしろ嬉しいことだ」
「そ、そうか。なら・・・」
「でも!」
「な、なんじゃ?」
「曖昧な関係のままでするのは違うと思う。だから考えさせてくれないか?」
結局こう言うしかない。
と言っても、ラズリさんにも同じことを言ったが、俺はニケさん一筋なのは変わらない。
「な、なんのことじゃ?」
「.....ん?妖狐は今からキスしようとしてるんだろ?」
「バ、バカもの!な、なにを勘違いしておる!妾がそんなことをする訳がなかろう!勘違いも甚だしいのじゃ!」
.....え?マジ?そうだったの!?
・・・。
は、は、恥ずかしいいいいいいいいい!
なに勘違いしちゃってんの!?俺!
があったらりたい。それもとびっきり深いが好ましい。
考えてみれば當然だった。
日本で全くモテない俺が、異世界に來たからといって、妖狐のようなに惚れられる訳がない。
たまたま同じ人であるラズリさんに、一度言い寄られたことがあるからって調子に乗り過ぎた。
自制だ。自制しよう・・・
「し、しかし・・・主も真剣に考えてくれると言うのなら、妾もやぶさかではないのじゃ」
「・・・」
どっちなんだよ!?俺は自制したほうがいいのか!?それとも!?
俺の苦悩はまだまだ続く・・・
□□□□ ~妖狐からの申し出~ □□□□
結局妖狐がしてきたのは、おでことおでこを合わせる行為だった。
これで主人と奴隷の間ならステータスが見れるようになるんだとか。最初からそう言えよ。
「うむ。これでよい。それではステータスを見てもよいか?」
「構わないぞ」
それにしても妖狐からはいい香りがする。
シャンプーの香りだとわかってはいるが、それでも心が弾む。
「なっ!?レベル5935!?」
「・・・」
妖狐の言葉を疑っていた訳ではないが、本當に見れるようだ。
ちなみに俺のステータスは偽造を解除している。真実を話した妖狐相手に今更隠す必要もない。
「な、、んじゃ、このステータスは・・・」
「・・・」
妖狐がひたすら驚いている。俺は無言を貫き通す。
理由は簡単だ。妖狐の顔がすぐそこにあって張しているからだ。
「こ、、れで勇者様ではない?.....付き人とはなんなのじゃ?」
「・・・」
妖狐からは何かを言ってほしいと訴える眼差しが飛んできた。
話したいのはやまやまだが顔が近い。
毎日歯磨きをしているとは言え、口臭は大丈夫だろうか。
「.....主は一何者なのじゃ?これほどのステータスは聞いたことがないのじゃ・・・」
「妖狐が見た通りのまんまだな。凡人で神の付き人だ」
「.....付き人。付き人とはなんなのじゃ?」
「アテナの面倒を見る係。それ以上でもそれ以下でもない」
「いや.....妾はそういうことを聞きたいのではなくてな・・・」
妖狐がなにを言いたいのかはわかる。
勇者でもないただの凡人が、どうしてここまでのステータスを維持しているのかが疑問なんだろう。
「付き人の特なんだが、各種ステータスが低い代わりに、勇者にはない萬能があるらしいんだ」
これも正確ではない。
萬能な點は間違いないが、各種ステータスの低さは俺が日本にいた時のままの狀態で異世界に連れてこられたせいだ。
「.....萬能?」
「取得できるスキルに制限がないこと。戦士や魔法使いとかと言った職業の制限をけないんだ」
「な、なんと!だから剣やを極めながらも、魔法も同時に極めておるのか!」
妖狐の表が驚きから次第に尊敬に近いものへと変化していった。
目がキラキラしていて、尾が忙しなく振られているのがその証拠だ。かわいい。
「で、では!主の異常なレベルも付き人の特なのか!?」
「うわっ!?顔が近いっての!.....それはまた別だな。アテナの加護ってことになるらしい」
「な、なんと!付き人という恩恵をけながら、さらには加護ももらっておるのか!!」
.....あ、そういうことになるのか。これって考えてみれば相當なチートになるよな?
恐らくだが、他の勇者達は加護だけしかもらえていないはずだ。
そんな中、俺は雑魚いステータスではあるものの二つのチートをもらえた。
こんなことがバレたら、下手したら他の勇者から妬みや嫉み、やっかみをもらう可能が非常に高い。
それに勇者に限らず、異世界住人からも反を買うかもしれない。ここは自重したほうがよさそうだ。
・・・。
ただどうしても気が抜けてしまう。
自重しようと思っていても、目の前の妖狐がひたすら、すごい!すごい!、と譽めてくれるのだ。
「今は弱いと言っても、主のレベルはどういう仕組みで上がっておるのじゃ?」
「歩くだけだな。歩けば歩くほど強くなる。それが俺の加護だ」
「なっ!?あ、、るくだけ!?歩くだけでレベルアップするというのか!?」
はい、タイトル回収ありがとうございます!
「その通り。だから毎日の散歩は欠かせないんだ」
「.....呆れたのじゃ。主は々とぶっとんだ主人なようじゃな」
「それについては返す言葉もないな。.....一応分かっているとは思うが、他言は無用な?」
「そのようなこと分かっておる。こんな貴重な人材の存在が知られたら、國や貴族が黙っておらぬ」
な、なるほど。國や貴族がくことも考えないといけないのか・・・。マジで自重しないと。
「ちなみにこのことを知っておるのは姉さま以外には誰がおるのじゃ?」
「誰にも話してないぞ。それこそナイトさんにも話していない」
「ドワーフにも・・・。そ、その.....げ、現地妻がおると聞いたが、その者には?」
現地妻って・・・。ナイトさんが言ったことをまだ信じているのか。
とりあえず妖狐には誤解を解くためにもラズリさんのことを軽く説明した。
大まかな容としては頼りになる人というじに。
俺に好意を抱いていることとかはボカした。なんか自慢っぽくなるし。
「そんなわけで、誰にもまだ話してはいないな」
「それがよかろう。當面は勇者ということにしておいたほうがなにかと便利かと思う」
「なんで?結構めんどくさいぞ?」
「勇者に手を出してくる愚か者はおらぬ。それは神への冒涜に繋がるからじゃ」
なるほど。妖狐が言いたいのはめんどくさいとしても安全を優先しろってことか。
それにしても・・・
こうやって誰かといろいろ相談できるのはとても助かる。
アテナはバカでどうしようもないし、いざって時でないとあまり力を貸してくれない気がする。
ナイトさんとはまだどこか他人行儀な間柄で、こういった込みった相談事はまだできない。
そういう意味では妖狐の存在はとても助かる。
「妖狐ありがとう。尾ってもいいか?」
「む?いきなりどうしたのじゃ?るのは別に構わんが」
妖狐にはきっとわからないんだろうな。俺の今までの苦労は。
だからこそ謝をしたい。
───もふもふ
「このもふもふはやはり最高だな」
「くふふ。當たり前なのじゃ!謝してるがよい!」
尾をもふもふされた妖狐は、尾を嬉しそうにたなびかせながら両手を口にあてる仕草でかわいく微笑んだ。かわいい。
ちゃんとしてれば可い子なんだよな~。もふもふだし。
話すことは話したし、いい頃合いなのでそろそろウォーキングを開始しようとしたその時、妖狐から意外な申し出をけた。
「のう、主よ。よかったら妾に主の力を見せてはくれぬか?」
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後書き
次回、vs妖狐!
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今日のひとこま
~ブラッシング~
「俺の正式な奴隷になった記念に、妖狐にプレゼントがある」
「なんじゃ?くだらないものではなかろうな?」
「これだよ、これ!」
「ただのブラシではないか。それのどこがプレゼントになるのじゃ?」
「いいから、いいから。尾るぞ?」
「それは構わんが・・・」
───ザッザッザツ
「!!!」
「どうだ?気持ちいいだろ?」
「う、うむ。なんなのじゃ、これは!?」
「ブラッシング。ペットとかに割とよくやるんだけどな」
あれ?こっちの世界ではやらないのか?
「妾をペット扱いするでない。.....しかし、気持ちよいから続けよ」
「はいはい」
───ザッザッザツ
「これは良いの~。癖になる気持ちよさなのじゃ」
「アテナやナイトさんにはできないことだからな。実際、俺も楽しいよ」
「なんじゃと!?妾だけの特別ということか!?」
「まぁ、実際これでゴシゴシしたら痛いだろうし・・・」
「くふふ。ついに姉さまに勝ったのじゃ!妾だけの特別なのじゃ!」
「お~い?聞いているか~?」
「手が止まっておる。続けんか」
「はいはい」
───ザッザッザツ
「くふ~。。。よい、よいぞ。.....これから毎日これで奉仕する権利を授けるのじゃ」
「.....え?毎日?」
「當然であろう。尾を毎日れる栄譽に預かれるのじゃぞ?嬉しかろう?」
「嬉しいけど.....これは別に尾専用じゃないんだが?」
「どういうことじゃ?」
「きつねになってくれれば、全をブラッシングできるぞ?」
「!!!」
その後きつねの妖狐にブラッシングしたが、とてもえっちぃ聲が鳴り響いたとさ・・・
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