前回までのあらすじ

お互いの利害関係が一致したので、妖狐と模擬戦を行うことにした

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□□□□　～しき大妖怪～　□□□□

薄暗い公園の中お互いに距離を取る。

そしていよいよ模擬戦を開始しようとしたその時、

「ちょ、ちょっと待つのじゃ。今準備するからの」

そう言って妖狐はなぜか服をぎだした。

「・・・」

あまりの唐突な行に正直呆気に取られてしまった。

これから戦おうというのに、服をなぜかぎだすというあまりにも理解の範疇を越えた行に一瞬思考が停止する。

・・・。

そんな俺にはお構いなしに妖狐はどんどんぎだし・・・

ついには一糸も纏わぬ姿の妖狐が目の前に現れた。

「うむ。待たせたのじゃ。では早速やるとするかの」

.....なにをやるの！？模擬戦だよね！？まさか夜の模擬戦とかじゃないよね！？

混しつつも、妖狐の真意を探る必要がある。

「.....ちょ、ちょっと待て。妖狐はなにをしてんの？」

「なにって.....準備だが？」

「準備だが？じゃなくて！なんで服をいだの！？そういう作戦なのか！？」

仕掛けの作戦とかなら百歩譲ってわかるが.....分かる訳ないだろ！なんの力を見るつもりだよ！？

「作戦な訳なかろう。なにをそんなに揺しておるのじゃ？妾のなどいつも風呂で見ておろう」

相當揺しているので、仮に作戦だったとしても功なのかもしれない。

しかし、いきなりになるのは反則だと思う。

いつもお風呂でを見ているからいいとかの問題ではない。

お風呂の時はそれ相応の覚悟をして見ているからいいが、こういう不意打ちには慣れていない。

それにいくら妖狐が児型とは言っても、そこは。ついつい々な場所に目がいってしまう訳で・・・。

「.....ふ、服を著るのは無理か？戦いにくい」

「無理じゃな。せっかく買ってもらった服を末にする訳にはいくまい？」

「.....そ、末？どういうことだ？」

.....意味深な言葉を言うなよ！気になって・・・

───ちらっ

.....あ～！もう！本當にきれいなだな！

「今、ちら見したであろう？」

「.....み、見てない」

「妾は主の奴隷なのだから、ちら見などせず堂々と見たら良かろう？」

「.....だ、だから見てないって言ってんだろ」

「その反応.....本當に主はい主人なのじゃ。妾は別に嫌でもないから見ても構わぬぞ？」

.....え？嫌じゃないの？それなら・・・いやいや！ダメだ！我慢、我慢！

ひたすら鋼の意思で目を背き続ける。

ここ二日間は妖狐が一緒の部屋なので、夜の日課がおざなりになっているのも神的にきつい。

一度雰囲気に流されると、今後もずるずるといってしまい、歯止めが効かなくなりそうで怖い。

「.....むぅ。意気地のない主なのじゃ。まぁそんなところも好ましいがの」

「.....い、いい加減俺をからかってないで訳を言え」

「ふむ。まぁ、よかろう。服をいだ理由は妾も本気を出すためじゃ」

「・・・」

.....え？なに？げばぐだけ力が出るってやつ？お前どこのウ〇仮面だよ！？

「に変化するとが大きくなるからの。そうなると今著ている服が破れてしまうのじゃ」

「あ.....になるのか。てっきり癡になればなるほど力がでるのかと・・・」

「どんな勘違いをしておるのじゃ！？妾を変態扱いするでない！」

「いやいや。妖狐は普通に癡気質あるだろ.....え？になるの！？」

「今そこにツッコむのか！？.....主のがよくわからぬのじゃ」

と言えば、妖狐が今現在変化できる最終段階だったはず。

きつねからに戻った時もステータスが大幅にUPしているところを考えても、になれば更に強くなることが予想できる。

ただ以前が通常の狀態と言っていたので、もしかしたらになることはに負擔がかかるのではないだろうか。

これは変系のお約束とも言っていい。某雑誌に登場したフリ〇ザや戸〇呂弟なんかがいい例だ。

もし妖狐もその例にれないとしたらとても心配になる。

「.....は大丈夫なのか？無理はするなよ？」

「む？確かに負擔はかかるが、時間制限があるからの。が無理だと判斷したら勝手に戻るから心配ない」

「時間は？」

「30分じゃな」

意外と長かったでござる！

時間制限と言っていたから、てっきり某ウ〇トラマンのように3分くらいかと思っていたが・・・

ただ勝手に戻るとはいえ、30分も負擔をかけるのはやはり好ましくないだろう。

そういう疲れや痛みなんかは知らないうちに蓄積されていくものだと、スポーツをやっているものなら誰でも知っている。

.....今回はスポーツではなく、変化だけど・・・まぁ、似たようなもんだろう。

「じゃあ、30分もかからないように気を付けるか」

「ふん！妾をナメるでない！30分ぐらい持ちこたえてみせるのじゃ！」

.....なんでやる気出してんだよ！？せっかくを気遣ったのに！

俺の気遣いの言葉が気にらなかったのか、妖狐は闘志に燃えている。

この辺りも異世界との認識違いなのだろうか？

それともプライドの高い妖狐だからだろうか？

どちらにしても全くわからん。

そんな俺をよそに、妖狐はいつものように変化する

───ぽん

かわいらしい音とともに辺りが冷気と煙に包まれる。

───ゾゾゾッ

妖狐の姿は冷気と煙に包まれいまだ見えないが、さすがというべきだろう。

悍ましい殺気というか妖気にがぴりぴりとする。それに、このに纏わりつくような威圧・・・。

.....これか。危険度『中』の正は。この背筋に嫌な汗を掻くじ・・・ボス猿戦以來だな。

事実手には汗を掻き、いくばくか心臓のきも早い気がする。

つまるところ、俺は張をしていることになる。逃げられるのなら逃げだしたい気分だ。

・・・。

しばらく待っていると煙の向こうから、まるで他を睥睨するかのような、まるで他を従わせるかのような、高圧的で、それでもどこか親しみに溢れた、きれいなき通った聲が聞こえてきた。

「待たせたの。この変化は慣れていないので時間がかかるのじゃ」

「・・・ッ！」

息を呑むとはこういうことを言うのだろうか。

煙の向こうから現れた存在を一目見ただけで思わず息を呑んでしまった。

目の前に現れた妖狐は確かにだ。

きれいな黃だった髪が銀に変化し、月のに照らし出されたその銀髪はまるでこの闇夜の全てを支配してしまうかのようなしい輝きを放っている。長さもかなりびており、足元まで屆きそうだ。

背丈はし高くなっているようだが、相変わらず絶壁なのは変わらない。

それでもやはりらしい丸みを帯びたその容姿は、の側面を殘しつつ、大人の香も併せ持つとても妖艶な妖しさを醸し出している。

そして一番特徴的なのが.....六本の尾だ。

六本の尾を優雅にたなびかせているその姿は、大妖怪の名にふさわしい王者の風格がある。

これだけの異様でも息を呑むには十分なインパクトがある。

しかし.....それでも.....そんなことを全部抜きにしてもいいぐらいの衝撃がいま俺を襲っている。

それは・・・

「それでは早速やるとするかの」

「・・・」

「いつでもかかってきて良いのじゃ」

「・・・」

「.....む？主？聞いておるのか？」

「・・・」

妖狐が俺の側に近寄ってくるのが見える。

「主～？意識はあるか～？」

「・・・」

を揺さぶられたことで全が覚醒していくのがわかる。

脳の神経細胞からの各部へと電気信號が正常にきだした証拠だ。

「.....す、すまん。もう大丈夫だ」

「一どうしたというのじゃ？ぽけっ～としおって」

きっと妖狐にはわからないんだろう。俺がこうなった原因が。

だったら伝えてあげた方がいいだろう。きっと喜ぶだろうし。

「妖狐」

「なんじゃ？改まって」

「すごくきれいだ」

「・・・へ？」

妖狐は突然なにを言われたのかわからないといったじで呆気にとられている。

「聞こえなかったか？すごくきれいだぞ。心臓が止まったかと思うぐらいびっくりした」

「なっ！なななななにを今更なことを言っておる！あ、當たり前であろう！妾は大妖怪なのじゃぞ！？」

大妖怪は関係あるのか？妖狐だからきれいなんだと思うが・・・

ただよほど嬉しかったのだろうか、六本の尾がそれはもう忙しなくぶんぶんと振られている。

かわい・・・いや、これだけの數の尾だとちょっとうっとうしいかも？

『げばいいってもんじゃない！萌えの極意はぎより著せにあり』と大學の友人が言っていたように、

俺ももふもふについては一言いいたい。

尾も増やせばいいってもんじゃない！もふもふもほどほどだから癒されるんだ！

妖狐には後できつく言っておこう。.....いや、心の中でとどめておくか。

怒らせると怖いし。きっと悲しむだろう。

・・・。

もふもふ論に結論が出たところで、妖狐がいつもの質問をしてきた。

「.....そ、そんなに妾はしいか？」

「もちろん。絶世のとは妖狐のことを言うんだろうな」

「.....ね、姉さまと比べてみてどうじゃ？」

.....本當そればっかりだな。アテナにどんだけ対抗意識を燃やしてんだよ。

ただここは妖狐のためにも真実を伝えてあげた方がいいだろう。

「怒らず最後まで聞けよ？いいな？」

「.....む？よ、よかろう」

「ぶっちゃけどっちもしいんだが、という括りで言うなら「今までは」アテナが圧倒的にしかった」

「.....そ、そうか」

妖狐が誰が見ても落ち込んでいるとわかるぐらい項垂れてしまった。

六本の尾も地面にペタンとしな垂れている。あれで掃き掃除をすればかなりきれいになりそうだ。

「でも、今の妖狐はアテナに勝るとも劣らないしさだ」

「ほ、本當か！？」

「あぁ、人は極めればここまでしくなれるもんなんだな。

.....いや、妖狐だからか？どちらにしても恐れったよ。すごくきれいだ」

ラズリさんもきれいな人だったが、今の妖狐はそれ以上だ。

アテナを神的なとするなら、妖狐は究極的なだと言える。今でもドキドキしているぐらいだ。

「.....ひ、一つ、問いたい」

「なんだ？」

ただそんな俺とは対照的に妖狐の反応は意外なものだった。至って冷靜である。

てっきり、アテナにも勝るとも劣らないと譽めたもんだから大喜びすると思っていたのだが・・・

「.....そ、それは.....あ、主をも魅了できるほどのしさだと言えるかの？」

妖狐はそれはもうしてる乙のように恥じらいつつ上目遣いで尋ねてきた。

こんな仕草、ゲームでしか存在しないと思っていた。破壊力は抜群だ！かわいい！

「.....お、俺の反応を見てわからなかったか？妖狐に魅了されまくりだっただろ」

「そ、そうか！妾に魅了されまくりであったか！ならばよい！.....ま、まぁ當然の結果じゃな！」

そう言うと妖狐は、尾を嬉しそうにたなびかせながら両手を口にあてる仕草でかわいく微笑んだ。かわいい。

ちゃんとしてれば.....いや、今はちゃんとしてなくても可い子なんだよな～。もふもふだし。

.....てか、戦わなくていいのか？30分しかでいられないんだろ？

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後書き

次回、いつも通りの歩さん！

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（※以下、主人公の中での順位です）

度（かわいいも含んだ上での総合）

『アテナ』≧『妖狐（）』＞『アクアスカイ』≧『ラピスラズリ』＞『妖狐（）』＞『ニケ』＞『付嬢（※1）』＞『セラフィナイト』＞『護衛仲間（※2）』

親度（以外に保護も含んだ上での総合）

『ニケ』＞＞＞＞＞『アテナ』＞『ラピスラズリ』＞＞『妖狐』＞＞＞『セラフィナイト』＞＞『アクアスカイ』＞『護衛仲間』＝『付嬢』

大きさ度（なにがとは言えない）

『アテナ』≧『アクアスカイ』＞＞『セラフィナイト』＞『護衛仲間（※3）』＞＞『ニケ』＞『付嬢（※4）』＞越えられない壁＞『ラピスラズリ』＞『妖狐』

（※1）比較的の小さいお姉さん

（※2）フルール付嬢エシーネさん

（※3）比較的の大きいお姉さん

（※4）パレス付嬢アシーネさん