《歩くだけでレベルアップ!~駄神と一緒に異世界旅行~》第75歩目 はじめての符使い!妖狐と二人っきり⑥

前回までのあらすじ

の妖狐はアテナと比べても遜ないぐらいしい!

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□□□□ ~の実力~ □□□□

妖狐の変化時間も限られているので、早速模擬戦を開始しようと思う。

ただその前に確認しなければならないことがある。と言うよりも、確認してみたいことがある。

主人と奴隷の間であるならば、偽造さえ使わなければ相手のステータスを全て見ることができる。

だからこそ俺のステータスを見た妖狐は、俺の力に興味を持ち模擬戦を申し出てきた。

つまり、俺もの妖狐の力を見ようと思えば見ることができると言うことだ。すごく興味がある。

「今の妖狐のステータスを見てみてもいいか?」

「構わぬのじゃ。妾を侮ったことを後悔するがよい」

許可が下りたので、お互いのおでことおでこを合わせる。

の時でもドキドキしたが、今はそれ以上のしさを誇るだ。心が張り裂けそうになる。

「じゃ、じゃあ、見るぞ」

「うむ。ゆっくりと見るがよい。妾は主の顔を楽しむとしようかの」

「.....え?俺の顔?どういう・・・」

妖狐と目が合い、微笑まれた。

その余裕のある微笑みに心がけそうになる。

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「・・・」

「くふふ。妾に見惚れるのは構わぬが、ステータスを見るのではないのか?」

「.....あ、あぁ。すまん」

「素直なところもい主人なのじゃ。妾は別にこのままでもいいがの」

それもいいなぁと思いつつも、斷腸の思いでを斷ち切った。

そして妖狐のステータスを確認する。

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『妖狐』 レベル:168() 危険度:極小

種族:妖狐族

年齢:11

別:♀

職業:奴隷 (自由奴隷)

稱號:付き人の奴隷

所有:アユム・マイニチ

力:7200

魔力:8000

筋力:6600

耐久:7500

敏捷:7200

裝備:なし

技能:

Lv.1:/知/隠/理耐/狀態異常耐

Lv.2:符

Lv.3:変化

【一言】・・・こーん、、、ちゃーん(^-ω-^)Zzz

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おぉ!これはかなり強いのでは?なくとも地のステータスは俺よりも上だ。

ただ気になることがある。

危険度がいつの間にか『中』から『極小』に変化している。どういうことだ?

「.....危険度が下がっているな。なんか思い當たることはあるか?」

「危険度が?」

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「そう。初めは『中』だったのに、今は『極小』になっている」

「ふむ。それはもしかしたら.....妾の気持ちの変化が大きいのかもしれぬな」

「気持ちの変化?」

「うむ。主と出會った時は助けてもらった恩はじていたが、主は憎き人間でもあったからの。

同時に警戒もしていたのじゃ。.....いや、憎んでいたと言ったほうが正しいのかもしれぬ。

まぁ、要は八つ當たりじゃな」

なるほど。気持ちの変化とはそういうことか。

八つ當たりとは言っても妖狐の今までの境遇を考えれば憎まれても仕方がないよな。

「危険度が『極小』になったということは、しは信じてもらえたのか?嬉しいよ」

「確かに主のことは信じておる。.....で、でもそれだけではないのじゃ」

「どういうことだ?」

「・・・」

「どうした?」

「い、いつか話してやるのじゃ!今は我慢せい!」

なにを我慢しろって言うんだよ・・・。

わからないことを我慢できる訳がないだろ。変な妖狐だな。

なにやらわたわた慌てているその姿は、と言えどもベースはであるなんだなと思わされる。

ちょっと萌える。

「あと一つ。符ってなんだ?」

「符とは呪の一種なのじゃ。神による加護を現化したものと言われておる」

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「加護の現化?」

「うむ。妾も詳しくはわからぬが、この木簡に妖力を伝わせることで攻撃・支援・結界を自在にることができるのじゃ」

そう言うと、妖狐は木簡なるものを見せてくれた。

短冊狀の細い木の板で、そこにはミミズがのたくったような字が書かれている。

當然なにが書かれているのかは全くわからない。

「妖?」

「うむ。妾のような符使いは魔力を妖力へと変換させて符を使うのじゃ」

「と言うと.....魔力とは違うものになるのか?」

「似て非なるものじゃな」

似て非なるもの・・・。

これって魔法耐で防げるものなのだろうか?

妖狐の符はLv.2だから、魔法耐で防げるのなら全く問題はない。

問題は妖狐がどういう攻撃をしてきて、その攻撃が魔法耐で防げるかどうかだ。

こういう時、ラズリさんが居てくれれば・・・といつも思う。

「どんな攻撃をしてくるんだ?」

「結構しっかりと確認するのじゃな」

報の大切さは見に染みてわかっているからな」

全部ラズリさんのおかげだけどな!

「ふむ。なかなかよい心掛けじゃ。ますます主のことを気にったのじゃ」

妖艶に微笑むその姿に心を奪われそうになる。人の笑顔は兇悪だ!

「.....か、からかうのはやめろ。それよりも早く教えてくれ」

「くふふ。まぁ、よかろう。妾の攻撃は至ってシンプル。符を相手に向かって投げつけるだけじゃ。

符が相手にインパクトした瞬間、打撃・斬撃・撃のいずれかが発する仕組みなのじゃ」

.....え?魔力を使うのに理攻撃になるの?いや、妖力に変換した際に攻撃系統も変わるとかか?

しかし、これで安心した。

どういう理屈かはわからないが、攻撃系統が理系なら理耐Lv.3で対応できる。

もはや妖狐の攻撃は恐るるに足らぬものだ。Lv.2程度ならちょっとチクッとするぐらいだろう。

「もう質問はないのか?」

「ありがとう。もう十分だ」

「では早速始めるとするかの!」

妖狐の合図とともに今、模擬戦が始まろうとしている。

□□□□ ~vs.妖狐~ □□□□

ついに妖狐との模擬戦が始まった。

いまだに背筋には嫌な汗を掻いてはいるが、心は落ち著いている。

妖狐の攻撃が恐るるに足らないとわかったおかげだろう。

念のため、それぞれの戦闘スタイルを確認しておこう。

妖狐の戦闘スタイルは符を使った妖

対する俺の戦闘スタイルはだ。これしかない。

「では參る!.....防護符!」

そう言うと、妖狐は一つの符を足元に投げつけた。

符の種類をんでいる辺り、どうやら符使いも詠唱みたいなものは必要らしい。

───ぽふっ!

「これが妾の一番得意としておる結界なのじゃ」

「・・・」

妖狐の言う通り、妖狐の回りには淡い緑の円柱陣が展開されている。

これは.....妖狐を助けたときに見たものと一緒だ。

きっとあの時は最後の力を振り絞って展開したのだろう。

それはいい。それはいいのだが・・・

ぽふっ!て、音はどうよ?

そこはせめて、ばあああん!とか、どおおおん!とかあるだろ!いちいちかわいい子だな、全く!

妖狐の大人な雰囲気とは別に、のようなギャップのあるかわいらしさに萌え~としていたら、

「どんどんいくのじゃ!.....打撃符!.....斬撃符!.....撃符!」

妖狐が次々と攻撃を繰り出してきた。こいつ.....戦い慣れている!

まず自分の安全を確保してから攻撃を開始する辺りは戦い慣れている証拠だ。

自分の力を過信していないのだろう。

そう考えている間に、3つの符が俺に向かって飛んでくる。

避けることは容易いのだが・・・妖狐のきが非常に気になる。

俺が避けることを想定した上で、俺の次の行を予測した対応をしてきそうだ。

そんな予想もできない行をされるぐらいなら・・・

「.....?どうした?避けぬのか?このままだと・・・」

「・・・」

.....安い挑発だな。妖狐がなにか企んでいるのがバレバレだぞ?

妖狐の安い挑発には乗らず、符はそのまま叩き落とすことにする。

俺には理耐Lv.3がある。符Lv.2では大したダメージにはならないはずだ。

事実・・・

───ぺしっ!

恐らく打撃符だと思われるものは問題なく叩き落とせた。

しチクッとしただけで痛みもダメージもほとんどない。

よし。思った通り、理耐で防げるみたいだな。どんどん叩き落とすか。

予測が確信へと変わった今、何も恐れることはない。

俺の勝利への方程式は決まった。

妖狐の策略の裏をかいて符は全て叩き落とす。

その上で自慢の結界を砕する。

これでチェックメイトだ。

『策士、策に溺れる』とはこういうことを言うんだぞ!妖狐!

・・・。

次の符が迫ってくる。

斬撃でも撃でもなんでもござれ!

そして・・・

───ぺしっ!

───ボンッ!

どうやら撃符だったみたいだ。これも問題なく叩き落とし・・・

「いってええええええええええええええええええ!」

.....え?え?ええ!?ど、どういうことだ!?

普通にダメージを食らった。

大したダメージではないが、それでも200前後のダメージを負っている。

異世界にきた當時の俺だったら、今の攻撃で確実に死んでいた。

でも、そんなことよりも訳がわからなかった。

なぜダメージをけたのか理解できなかった。

しかし、俺にはそんな悠長に考えている余裕はなかった。

次の符、つまり最後の符である斬撃符がすぐそこまで迫っていた。

.....ど、どうする!?これも叩き落とすか!?で、でもさっきみたいに訳のわからない狀況になったら・・・

俺はひたすら迷った。

符はどんどん迫ってくる。

.....い、いやいや。斬撃はさすがにどう考えても理だろう。それよりも妖狐のきの方が気になる。

結局、當初の予定通り叩き落とすことにする。

一抹の不安は殘るが、それでも撃符なんて訳のわからないものがある以上、妖狐の策略のほうがずっと怖い。

そして・・・

───ぺしっ!

───ザクッ!

「「・・・」」

模擬戦中なのに、公園には靜寂が訪れた。

お互い顔を合わせて苦笑する。

.....ごめん。無理。マジ無理だわ・・・

「い.....い.....いってえええええええええええええ!!!なんなんだよ!?これはどういうことだよ!?」

またしてもダメージを食らった。

こちらも大したことないダメージだが、ダメージうんぬんよりも斬られたという恐怖が強く殘った。

な、なんなんだ!?一どうなっているんだ!?

俺になにかあったのか!?それともかわいいは正義だとでも言いたいのか!?

俺が錯していると、妖狐が呆れたような聲で話しかけてきた。

「.....はぁ。なぜ主は避けなかったのじゃ?今のは主なら避けられたであろう?」

「なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?」

「主?」

「なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?.....よ、、う、こ?.....あぁ、、妖狐か。.....お、、れ、のかわいい妖狐」

「.....な、なんか気味悪いのじゃ・・・」

「妖狐かわいいよ妖狐。妖狐かわいいよ妖狐。妖狐かわいいよ妖狐」

「・・・」

「妖狐。妖狐。妖狐。妖狐。妖狐」

「.....いい加減正気に戻らんか。.....打撃符!」

───ボゴッ!

顔に鈍い痛みが伝わる。

痛みがわかるということは神的に落ち著いたということだ。

「いた.....くはないな」

「當然であろう。主は理耐のスキルを持っておるのだからな」

それはそうなんだろうが・・・

「.....いくら俺を正気に戻すためとは言え、普通顔面を狙うか?」

「でも正気に戻ったであろう?謝するがよい」

妖狐はそれはもうきれいなドヤ顔である。

この手荒な方法をしも悪びれている様子がない。

俺はおちおち錯することも許されないらしい。

「でも助かった。ありがとう」

「うむ。ちょっと不気味だったしの」

「・・・」

「い、いちいち落ち込むでない。そんなことで妾は嫌ったりはせぬから」

.....いや、普通かわいいの子に不気味とか言われたらへこむだろ。

「それで?どうして主は妾の符を避けなかったのじゃ?簡単に避けられたであろう?」

「妖狐に策略あり、と思ったのと、理耐があるから余裕かなって」

「む?主はなにを言っておるのじゃ?斬撃も撃も理耐では防げぬであろう」

.....え?そうなの?撃は百歩譲っていいとしても、斬撃は普通に考えれば理じゃね?

「それぞれ別に耐があるのは誰でも知っておるのじゃ」

「.....誰、、でも、だと!?」

.....ちょっと待て!なんかそういうフレーズはよく耳にするんだが?

例えば、この世界のお金には當たり前のように銭貨があるように。

例えば、この世界の冒険者ギルドは當たり前のように24時間営業であるように。

例えば、この世界には形狀変化させることができる魔法が當たり前のようにあるように。

「.....そ、その耐って100年ぐらい前にできたとかないか?」

「その通りなのじゃ。時の勇者様が編み出したとか聞いておるの」

「・・・」

やっぱりか・・・。

あのクソ駄神!こういう大事なことはちゃんと教えろよ!耐とか最も命に関わるものだろ!

「.....そ、その様子だと知らなかったようじゃな」

「・・・」

「姉さまは神様なのであろう?教えてはもらえなかったのか?」

「.....あのバカの知識は古いんだよ。しかも俺がピンチにならないと力を貸そうとはしない節がある」

「.....そ、そうか。主も苦労しておるのじゃな」

分かってくれた?本當あの駄神のお守りは命懸けだ。

知識が古いのは仕方ないとしても・・・いや、自分の管理する世界なんだから仕方ないは有り得ないな。

とりあえず妖狐のおかげで斬撃と撃は理耐では防げないことがわかった。

これは大いなる収穫とみていいだろう。模擬戦で知れてよかったと思う。

もしこれが妖狐相手ではなく魔相手だった場合、それこそ命を落としていた可能があるのだから。

「知っていたら教えてほしいんだが、それぞれどう違うんだ?」

「よかろう。打撃とは毆打や衝撃などを指す。そして斬撃とは刺突や斬傷などを指す。

最後に撃なのじゃが.....これはし特殊で、発系統全般を指す。それは魔法も含まれるのじゃ」

あぁ~。これでようやくわかった。

妖狐に噛みつかれた時に、ものすごく痛かったのはそれが刺突に分類されるからか。

現狀、俺の獲得できるスキルに斬撃耐撃耐は見當たらない。

以前アテナが付き人のランクを上げれば、取得できるスキルの種類も増えると言っていた。

・・・。

つまりはそういうことなのだろう。

これは是が非でも取得しなければならない。自分の命を守るためにも・・・。

俺が改めて決意を固めていたら、妖狐から恐るべき提案をされた。

「では質問がないようなら、続きを再開するとしようかの!」

「・・・」

.....え?マジ?耐がない狀態での妖狐戦とかしんどうそうなんですが?

vs.妖狐戦はまだまだ続く。

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後書き

次回、苦戦!

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今日のひとこま

~技名を考えよう~

「妖狐の符名はし微妙じゃないか?」

「どういうことじゃ?」

「防護符に、打撃符。斬撃符に、撃符だったよな?」

「その通りなのじゃ」

「そのまんまじゃん。もうしカッコよくしようぜ!せっかく技としてあるんだし」

「まんまでいいと思うが?わかりやすいしの」

「妖狐はそれでよくても、相手にもわかりやすいのはマズいだろ」

「む?言われてみればそうかもしれぬ」

「という訳でし考えてみた」

「ふむ。言うてみよ」

「妖狐の一番得意とする結界は自信があるんだろ?だから無敵と題して『インヴィクト』とかどうだ?」

「う~む。妾は橫文字は好かぬ。それにの・・・」

「いいから。いいから。最後まで聞けって」

「.....いや、ありがたいのじゃが、そもそも・・・」

「打撃は『インパクト』、斬撃は『スラッシュ』とかどうだ?ありきたりだが定番だろ?」

「.....いや、だからの・・・」

「最後の撃は『エクスプロージョン』。これだけは絶対にはずせない定番だよな!」

「お、落ち著かんか!妾の話を聞くのじゃ!」

「.....なんだよ?もしかして形からりたいのか?帽子と眼帯ぐらいなら用意できるが?」

「さ、さすがにそれはいろいろとマズいと思うのじゃ」

そうか?め〇みん風妖狐とかきっとかわいいと思うんだがなぁ。

「主の好意はうれしいのだが、れることはできぬ」

「気にらなかったか?」

「違う。そもそも符名は魔法名と一緒で固定のものなのじゃ。変更じたいができぬ」

「おおぅ・・・」

なんて夢のない世界なんだ・・・。そもそもアテナの世界に夢を求めるのが間違いだった。

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