《歩くだけでレベルアップ!~駄神と一緒に異世界旅行~》第84歩目 再びの神界!

前回までのあらすじ

世界もおかしいけど、教會もなんかおかしかった!

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□□□□ ~3人目の神~ □□□□

心地好い重さと眠気から、しずつ意識が覚醒していく。

うっすらと目を開けると、俺のの上で気持ち良さそうに寢ているがいた。

「.....すぅすぅ.....(^-ω-^)Zzz」

「・・・」

重さの原因はどうやらアテナだったようだ。

この景も最早いつものことなので咎めることもない。

───なでなで

「.....うぅん。.....に、へへー.....すぅすぅ.....(^-ω-^)Zzz」

(かわいい)

アテナのさらさらな髪を堪能しつつ、俺も二度寢と灑落こむとしよう。おやすみなさい。

・・・。

「へ~。人は変わるもんだね。最初は邪魔くさそうにアテナっちを押し退けていたのにさ」

「!?」

微睡みかけたその時、突如聞き慣れない聲が聞こえてきた。

突然の事だったので、咄嗟に構える。俺も冒険者然が板に付いてきたようだ。

そうなると當然・・・

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「ぎゃふ!?」

俺のの上で寢ていたアテナはまっ逆さまに落ち、の子が出しちゃいけない聲で哭いた。

「いたーい!せっかく気持ちよくねてたのにー(´-ε -`)」

「わ、悪い。それと今の狀況を説明してくれ」

周りを見渡すと、何もない真っ白な空間。

わざわざ説明されなくとも、なんとなく既視のある面白味のない場所。

そして・・・

「あひゃひゃひゃひゃひゃw」

人をバカにしくさった、とても不快な笑い聲。

(.....いや、どう考えてもここは神界だよな?)

俺がそう思っていたら、

「ご名答。ここは神界だよ。そしてアユムっちが今いる場所はあたしの部屋だね」

「!?」

まるで心を読まれたかの如く、答えが返ってきた。

しかし、その事に驚いている俺とは対照的に、アテナは至って普通に謎の聲の主と會話を始めてしまった。

「やっほー!アルテミスお姉ちゃん( ´∀` )」

「久しぶりだね、アテナっち。異世界旅行はどうだい?」

「たのしいよー!おいしいご飯もいっぱいあるしねー!」

「いいね~。あたしも有給休暇を取得したいもんだよ」

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「いいでしょー!ねぇーきいてー!私ねー、お姉ちゃんになったんだー(o゜ω゜o)」

「あ~、知ってるよ。見ていたからね」

実家にいる姉と帰省した妹の何気ない會話。

なんてことのない會話なんだろうが、々と聞きたいことがある。

しかし姉妹水らずの會話を邪魔するほど、俺はそこまで無粋でもない。

多分、地べたと言っていいところにそのまま座っているアテナを俺の膝上に座らせる。

「あっ。気が付かなくて悪いね。アテナっち、椅子出そうか?」

「いらなーい。ここが私の椅子だからねー( ´∀` )」

「誰が椅子だ!誰が!」

(.....それにしても、アテナには椅子を出すのに俺にはないのか・・・)

「それは當たり前だろ。あたしは神で、アユムっちは人間。そしてここは神界だよ。

アユムっちは招かれた客ではなくて、勝手に上がってきた.....泥棒?に近いんだからさ」

「泥棒!?」

々とツッコミたいところだが、それは置いといて、またしても心を読まれてしまった。

ようやく思い出したが、アテナやニケさんも俺の心を読んでいた気がする。

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(.....もしかしたら神はみんな心を読めるのか?)

「その通り。人間ぐらいなら、心なんて容易く読むことができるよ」

「!?」

またしても読まれてしまった。

どうにもやりにくい。人は考える生きだ。

それを読まれないように気を付けるということは、考えるな、と言われているのに等しい。

俺が困していると、再び姉妹の會話が始まった。

「アテナっちはアユムっちのことをずいぶんと気にっているみたいだね」

「うんー。いじわるはするけどー、やさしいしねー(*´∀`*)」

「それも知ってる。ずっと見ていたからね」

どうやら姉妹の會話は盡きることがないようだ。

こういうほのぼのとした雰囲気は神も人も変わらない。

しかし・・・

(さっきから気になっているんだが、見ていたってなんのことだ?)

姉妹水らずの會話に茶々をれず、俺は一人寂しく考察を続けていたのだが、

「それは後で説明してあげるよ」

當然、心を読まれてしまった。

やりにくいったらありゃしない。

・・・。

しばらく姉妹水らずの會話が続いていたのだが、

「そうそう。パパが、アテナっちが帰ってきたら會いに來るように、って言ってたよ」

アテナのお姉さんが何かを思い出したかのようにいきなり用件を伝え出した。

「えー。めんどくさーい(´-ε -`)」

「ね~。そんなことぐらい、あたしに言わないで自分で言えっての」

「・・・」

パパと言っている辺り、二人は娘なんだろうが、なんとも言えない態度だ。

父親と言うのは、娘にこういう態度をされてしまう存在なのだろうか。

それともパパと言う存在が、娘達から嫌われているだけなのだろうか。

娘を持つのが怖くなる一面だった。

まぁ、その前に貞を卒業しないといけないんだが・・・

「とりあえず、あたしは伝えたからね。行くか行かないかは任せるよ」

「んー。めんどくさいけどいってくるー(´-ε -`)」

「そうかい。行くならパパには気を付けるんだよ~」

(.....え?気を付けるってなんだよ!?父親に會うだけだろ!?)

「はーい。歩~、いってくるねー( ´∀` )」

「.....あ、あぁ。よくわからないが、気を付けてこいよ?」

「ありがとー!じゃーねー!」

アテナはそう言うと、振り返っては手を振り、また振り返っては手を振る、といったじのことを何度も繰り返して奧へと消えていった。

(めっちゃかわいい)

「.....ふ~ん。アユムっちもアテナっちのことを結構気にっているみたいだね。

ニケちゃんが嫉妬に狂う訳だ。よくわかったよ」

「!?」

取り殘された俺と聞き捨てならないことを宣ったアテナのお姉さん。

「あの、今ニケさんって・・・」

「まずは自己紹介といこうかね」

「・・・」

ニケさんについて尋ねようとしたら遮られた。

お姉さんの口許がいやらしく開いているところを見ると、きっと確信犯なのだろう。くそっ!

「あたしはアルテミス。狩猟を司っている神だよ。アテナっちの一つ上の姉だね」

このお姉さんが、四で悪戯好きのアルテミス様らしい。

見た目はおおよそ20代前半ぐらいに見える。

まるで燃え盛っているかのような灼熱のショートヘアー。これだけでも活発さが窺える。

見つめられたら獰猛な猛禽類ですら萎してしまいそうになる、まるで大蛇のような縦に細長い瞳孔。

出るところはしっかりと出ているが、く為に特化したかのようなスラッとした型。

人と言えば人だが.....妖艶な妖しさと言うか、ドールとは違って、どこか猟奇的な妖しさが漂う。

狩猟の神を冠するにふさわしい神様の出で立ちだ。

「アルテミス様、初めまして。俺は・・・」

「知ってる。知ってる。アテナっちの付き人のアユムっちでしょ」

「.....そのアユムっちってなんなんです?」

「かわいいだろ?あひゃひゃひゃひゃひゃw」

「・・・」

バカにされているとしか思えない態度に黙ることしかできない。

「さっきから気になっていたんですが、なんで俺のことを知っているんですか?

それにニケさんのことも言っていましたよね?ニケさんのことを何か知っているんですか?」

「あ~。一気に質問しないでくれる?ちゃんと教えてあげるからさ」

「す、すいません」

どうやら相當食いっていたみたいだ。

アルテミス様が若干引いている気がする。

「アユムっちのことを知っているのは、ずっと見ていたからだね」

「見ていた?」

「そう。アテナっちとアユムっちが異世界を旅行している景を見ていたんだよ。

ちょうどアテナっちの部屋に遊びに行ったら、ニケちゃんしかいなくてね。

その理由を詳しく聞いたら、興味が出たって訳さ。だからニケちゃんと一緒にずっと見ていたんだよ」

なるほど。これで合點がいった。

ニケさんと一緒にずっと見ていたなら、俺のことを知っているのは當然だろう。

(.....え?ずっと!?)

「そう。ずっと」

「.....あ、あの。心を読まないでくれますか?落ち著かないので。

そ、それとずっとっていつからですか?」

「最初からに決まっているじゃないか。一部始終見せてもらったよ」

「.....ニ、ニケさんも一緒に、ですか?」

「當然」

一気にの気が引いていく。

アルテミス様の顔がにやぁと、まるで悪魔の如く酷く歪んだのを見て、全てを見られているのだと悟った。

きっとあんなことやこんなことをして、ヒャッハー!、していた俺を見られたに違いない。

ニケさんに確実に嫌われた・・・

「.....ニケさんはどうでしたか?」

「嫉妬に狂っていたね~。さすがのあたしもビビるぐらいに。あひゃひゃひゃひゃひゃw」

アテナのお姉さんってことは、このアルテミス様もオリンポス12神の1柱だろう。

つまりはニケさんよりも格は上になる。そのアルテミス様をビビらせるほどの嫉妬・・・。ん?嫉妬?

「嫉妬していたんですか!?ニケさんが!?」

「勝利の神ではなく、嫉妬の神かと思うぐらいねw.....あれ?なんでアユムっちは喜んでいるのさ?」

「.....え?いや、嫉妬していたってことは、ニケさんも俺にしはその気があるんだなと思ったら嬉しくて」

「.....ふ~ん。そういう類いの嫉妬じゃなかったけどね」

「事実はどうあれ、ニケさんが嫉妬してくれたというだけでも嬉しいものです。

てっきり嫌われてしまったんじゃないかと思っていましたので」

「・・・」

「どうしました?」

「なんでもないよ」

そうは言うものの、アルテミス様は心底つまらなさそうな表をしている。

まるで遊ぶべく用意したおもちゃが、意外な反応を見せて遊べなくなったような・・・。

「まぁ、いいか。じゃあ、早速本題にるとしようか」

アルテミス様の表が一変して、今度は悪戯めいた笑顔へと変わっていった。

その笑顔はしくも、どこか危険なアロマが漂うような気がするのは間違いではなかった、と思うのはしばらくしてからだった。

□□□□ ~神と呼ばれる存在~ □□□□

「あひゃひゃひゃひゃひゃw」

アルテミス様が大笑いをしている。

原因は當然俺なのだが、その前に言わなければいけないことがある。

「.....あ、あの」

「ん?どうしたんだい?」

「.....し、下著が見えていますよ?」

アルテミス様は椅子に座っているのだが、椅子の上に胡座をかいている狀態なので、どうしても見えてしまう。

パンツだけでも揺してしまうのに、そこからはみ出ている存在も見えてしまうので貞には刺激が強すぎる。

(.....お手れしましょうよ!いくら神様だからってだらしがないですよ!)

「あたしは気にしていないから大丈夫だよ」

「俺が気になるんですが!?」

「あひゃひゃひゃひゃひゃw本當にアユムっちは面白い反応をするね~」

ダメだ、この神様。

全く気にもしていないし、恥ずかしがっている素振りもない。

(.....はぁ。俺も一応男なんだし、しは気にしてしいものだ)

「あ~。あたしはアユムっちに興味があるだけで、別に男としては見ていないからね」

「そ、そうですか。.....てか、心を読まないでください」

何を言ってもダメそうなので、この件はもう放置することにする。

できるだけで、アルテミス様のパンツとはみ出ている存在は見ないようにして・・・。

「そ、それで先程のことは本當なんですか?」

「本當だよ。アユムっちに會う為にわざわざやったことさ」

先程アルテミス様が大笑いをしていた原因は、衝撃的な事実を教えられて俺が驚いた顔をしていたからだ。

その衝撃的な事実というのが・・・

あの苦戦を強いられたボス猿が、実はアルテミス様のペットだったということだ。

そしてあの死ぬような思いをした魔部屋は、アルテミス様が仕組んだ計畫だったということも・・・。

全ては俺に會うためにやったことらしい。

「どうしてそんなことをしてまで俺に?」

「あたしはね、アテナっちが羨ましいんだよ。あたしもアテナっちみたいに自由に遊びたい」

「はぁ。ならアテナみたいに有給休暇を取得されたらいいのでは?」

「それができたらこんな苦労はしないよ。それはアユムっちの世界でもそうじゃないのかい?」

なるほど。アルテミス様の言いたいことはわかった。

日本でも、同時期に一斉に有給休暇を認めたりはしない。必ず時期をずらされた上での休暇となる。

(.....神界も世知辛いんだな)

「そうそう。今はアテナっちの番だからね、次に取得できる神は何萬年後になるかわからないんだよ」

「何萬年後!?」

「神界にいる限り、神は不老不死だからね。何萬年って月日もそこまで気にするものじゃないんだよ。

でも実際、アテナっちの旅行風景を見ちゃうとさ・・・」

「.....気持ちはわかります。大変なんですね」

ありきたりなめに過ぎないが、一サラリーマンとして同してしまう。

「でも、どうしてペットを送り込むようなことを?」

「一応、アテナっちの管理する世界だからね。あたしが直接その世界に干渉しちゃうのは々マズいんだよ」

「いえ、それぐらいは俺にもなんとなくはわかります。

俺が聞きたいのは、なぜそんな手の込んだ真似をしたかってことです。

危うく死ぬところだったんですよ?シャレにならないじゃないですか」

「あ~、そのこと。だって、神に簡単に會えたらつまらないだろ?

神の試練ってやつだよ。あひゃひゃひゃひゃひゃw」

アルテミス様は、俺の命などなんてこともないように言い放った。

きっとアルテミス様にとっては、俺とはその程度の存在なのだろう。

「.....え、えっと、でもよかったんですか?」

「なにが?」

「知らなかったとは言え、俺はアルテミス様のペットを殺しちゃいましたが・・・。

後で神罰を落とすのとかは勘弁してくださいよ?」

「ないない。確かにあの子は優秀だったけど・・・」

「?」

「飽きちゃったからね」

───ゾクッ!

アルテミス様の「飽きちゃった」との言葉を聞いた瞬間、俺の背筋が凍りついた。

アルテミス様にとっては、俺だけではなく、その他の命すらも眼中にないのだろう。

あるのは興味があるかないか、ただそれだけで、一度興味を失えばまるでゴミ同然のようにポイ捨てるだけ。

命の尊さなんて知りもしないし、知る必要すらないのだろう。

ただただ傲慢で、気まぐれ。

好きなように生き、好きなように生かし、好きなように殺す。

これこそが、まさに『神』と呼ばれるにふさわしい存在だと思う。

・・・。

そもそも人が作り上げている神は、なぜか『善』のイメージであることが多いが、いつもそれに疑問をじていた。

なぜ人よりも優れた存在である神が、自分よりも劣った存在である人間に親切にするのだろうか、と。

現代でも、上司や政治家などは部下や一般市民を見下している者が多い。

本當に優れているかもわからないそれらの者でもこうなのだから、本當に優れている神が人に対して傲慢にならないはずがないとさえ思っていた。

そういうひねくれたを抱いていた俺にとって、アテナやニケさんはどうしても神であるという実がなかなか沸かなかった。ただただきれいな人である、と。

しかし今、俺の目の前にいるアルテミス様は、まさに神と呼ばれるにふさわしい存在だと改めて思い、そして恐怖もした。同時に深く関わってはいけない存在だとも思った。

「.....そ、それで俺に會って、どうしようと?」

俺の怯えた表や態度がよほど面白いのか、アルテミス様は悪戯めいた笑顔で一言。

「すっかり怯えちゃって.....あひゃひゃひゃひゃひゃw

ねぇ、アユムっち。あたしと一つ取引をしないかい?」

あとに殘ったのは、アルテミス様の悪魔の如く高笑いと俺の恐怖心、そして取引という名の悪魔の契約への好奇心だけだった。

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後書き

次回、取引!

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今日のひとこま

「ちょっと気になっているんですが・・・」

「なんだい?」

「さっきアルテミス様が、パパには気を付けろって言ってましたよね?

どういう意味なんですか?父親に會いに行くだけですよね?」

「あ~。あたし達神は、アユムっち達人間と違って、ちょっと特殊なんだよ」

「特殊.....ですか」

「そうそう。兄弟姉妹で結婚もするし、親子でもできる」

「親子でも!?」

「できるね。実際デメテルは.....あっ。

デメテルってのは長なんだけど、パパに求婚されて、それを斷っているよ」

兄弟姉妹ってだけでもすごいのに、親子でも結婚できるとか神の世界はすごいな・・・。

「じゃあ、気を付けろってのは求婚.....あれ?別にそれは斷ればいいだけですよね?

別に気を付ける必要もないような?」

「デメテルは求婚を斷った後に、パパに強されたらしいよ。人がいるのにね」

「ちょっ!?アテナが危ないじゃないですか!そんなところに一人で行かせて大丈夫なんですか!?」

「大丈夫。大丈夫。ママが四六時中パパを監視しているから、アテナっちには手を出せないはずだよ」

「そ、そうですか・・・(そわそわ)」

「そんなにアテナっちが心配かい?」

「え、ええ、まぁ。アテナはそういうことを全く知らない訳ですし」

「そんなに気になるんなら、アユムっちがさっさとアテナっちの処を貰っちゃえばいいじゃないかい。

アテナっちも、アユムっちを気にっているみたいだし、結婚の約束もしているんだろ?w」

なに言ってんの!?この神様は!?そんな理由でできるか!

「お、俺はアルテミス様とは違って、そんな簡単にはできません」

「へ~。このあたしに向かって、なかなか言うじゃないかい」

「(ゾクッ!).....じ、事実ですよね?」

「事実?う~ん。あたしも処だし、ちょっと違うかな?」

.....え?処?ビッチ扱いして申し訳ありません!!!

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