《歩くだけでレベルアップ!~駄神と一緒に異世界旅行~》第85歩目 はじめての取引立!

前回までのあらすじ

神たるにふさわしい存在のアルテミスから取引を持ち掛けられた!

□□□□ ~悪魔の契約~ □□□□

「一つ取引をしないかい?」

アルテミス様から、取引を持ち掛けられた。

正直アルテミス様とは、深く関わり合うのは避けたいし、関わり合うことが怖い。

自分の気まぐれで、命の生殺與奪を簡単に決めてしまう神様だ。

俺や周りにどんな影響を與えてくるのか全く想像がつかない。

本當なら斷るべきだ。

そう、斷るべきなんだが・・・

悪魔の契約というのは失うものは大きいが、同時に得るものも大きい。

それが俺を悩ませる。

それが俺をわせる。

それが俺を引き寄せる。

それが俺を魅せてくる。

「そんなに難しく考えることじゃないよ」

悪魔もとい神様が囁きかけてきた。

「.....正直、不安で仕方がないんですが?」

「すっかり信用がなくなったもんだね。

まぁ、あたしとしてはどうでもいいんだけど。あひゃひゃひゃひゃひゃw」

この高笑いも、始めはバカにしくさったようにじられて不快でしかなかったが、今では悪魔の微笑みのようにしかじられない。

「それでどうするんだい?取引をするのかい?しないのかい?」

「.....容を伺ってもいいですか?それを聞くまでは決められません」

「簡単なことだよ。アユムっちはニケちゃんに會いたくはないかい?」

「!!!」

まさかの容に驚いた。

そもそも俺が教會に來た目的は、ニケさんに會いたいが為だ。

それがこんな形で実現しようとは思ってもみなかった。

「た、確か、會える神様はランダムだと伺ったのですが・・・」

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「通常はその通りだね。でもあたしはこうしてアユムっちに會えている。それが結論だよ」

「.....つまり、何かしらの方法があると?」

「なければ、こんな取引を持ち掛けたりはしないだろ?」

アルテミス様の言う通りだ。

恐らく神の世界にも決まりかなんかはあるのだろうが、その抜けを使っているのだろう。

本當アルテミス様らしいと言えば、アルテミス様らしい。さすが神と呼ばれる存在だ。

そしてこれは、とても魅力的な取引だ。

魅力的だからこそ、アルテミス様の要求が気になる。

取引とは所謂、ギブアンドテイクのことだ。

俺だけが得をすることは絶対に有り得ない。

「アルテミス様は俺に何を求めるんですか?」

「アユムっちが本來得られる報酬を、あたしに譲ってもらいたいのさ」

「報酬を譲る?」

「そう。アユムっちも聞いているだろ?教會で祈ることで神の加護を得られると。

アユムっちにはその権利を放棄してもらって、あたしにその権利を譲ってもらいたいのさ」

「.....その見返りがニケさんであると?」

「その通り。悪くはない話だろ?」

つまり、力を取るかニケさんを取るかを選べ、ということになる。

悪くはない。悪くはない話だ。

それだけに気になる。

アルテミス様はその権利を使ってなにをするつもりなのか・・・

「それでアルテミス様は、その権利をどうするつもりなんですか?悪用されるつもりなら斷りますよ?」

「悪用?あひゃひゃひゃひゃひゃwあたしは神だよ?神の行いがどうして悪になるのさ。

本當アユムっちは面白いことを言うね。あひゃひゃひゃひゃひゃw」

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「・・・」

自覚がない神というのはタチが悪い。

「さっきも言ったじゃないかい。あたしは自由に遊びたいって。

だからアテナっちの世界にお邪魔させてもらうつもりだよ」

「え!?遊びたいってそういうことなんですか!?てか、そんなことができるんですか!?」

「何を今さら。狐がいい例じゃないかい」

「狐?」

「九十九尾の子孫がいるだろ。あの子の子孫を下界に戻してあげたのはあたしの力だよ」

「あぁ.....狐ってのはドールのことですか」

ドールの先祖である九十九尾が、アルテミス様のペットになっているのはアテナから聞いていた。

そしてその子孫が下界に降り、その末裔となっているのがドールだ。

子孫を下界に降ろしたのがアルテミス様の力となれば、アルテミス様自が降臨されることはなんてことはないのだろう。

「安心したかい?それでどうする?」

「そうですね.....でも大丈夫なんですか?

アルテミス様のやっていることって、この神界でも良くない類いのことですよね?

アルテミス様自もそうですが、何よりも俺に何かしらの影響とかないですよね?」

「なんだい?アユムっちも神界規定が気になるのかい?ニケちゃんと一緒でめんどくさいね~。

もっとに忠実に生きなよ。アユムっちは將來ハゲるタイプだね」

「ハゲないですし!俺の家系にハゲいないですから!不安になるようなことを言わないでください!」

神であるアルテミス様からのハゲ宣言とかシャレにならない。

所謂、神託というやつになるのではないだろうか。怖い、怖すぎる!

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「先祖にハゲがいなくとも、アユムっちが一族のハゲ伝承者になる可能だってあるだろ?」

「やめてください!本當にやめて!お願いします!凡人でハゲとか救いようがないですから!」

「あひゃひゃひゃひゃひゃwとりあえずハゲの件は置いといて、ニケちゃんからは了承を貰っては・・・」

「取引しましょう!今すぐ!」

「・・・」

「な、なんですか?」

「なんだい?あたしの何萬篇の言葉よりもニケちゃんなのかい?」

「當然ですよね?俺はニケさんのことを誰よりも信じていますから。

そのニケさんが了承をしているなら、最早考える必要はないです」

「.....やっぱりアユムっちにはハゲになってもらおうかね?」

「やめてえええええええええええええええええええええ!」

こうして、俺は悪魔の契約に従うことになった。

□□□□ ~ゲーム~ □□□□

ハゲの刑はなんとか免れた。

そもそもアルテミス様にはそのような力はないそうだ。

家庭の神ヘスティア様ならば可能らしいが・・・絶対怒らせないようにしなければ!

「それで的にはなにをすればいいんですか?」

「あるゲームをしてもらうよ」

「ゲーム.....ですか?」

「アユムっちの世界でもポピュラーなものさ」

アルテミス様はそう言うと、パチンッと指を鳴らした。

その音合から相當の達人だと窺える。さすがは神様。

そして俺の目の前に現れたのは・・・

確かに俺の世界でもポピュラーなゲームだった。

1つの丸いボード。くるくるとよく回りそうだ。

その丸いボードには様々な文字が書かれている。

そしてアルテミス様から渡されたのは1本の矢。

まぁ所謂、ダーツってやつですな。

・・・。

それはいい。それはいいのだが・・・

「.....あ、あの。なんかおかしなものがあるんですが・・・」

明らかにおかしいものがある。

いや、日本でダーツと言えば、おなじみのものなのだが・・・

「そもそも、教會で祈れば神の加護を得られるってのは正確ではないんだよ」

「え!?そうなんですか!?.....でも俺は加護をもらっている人を知っているんですが・・・」

「ドワーフだろ?そのドワーフは幸運中の幸運だったんだよ。

本來はこのように々とあるのさ。加護ってのはその一つに他ならないんだよ」

そうだとすれば、アルテミス様の言う通り、ナイトさんは確かに幸運中の幸運を引き當てたことになる。

だってこれでは・・・

(たわし70%、アイテム12%、自由6%、加護6%、神6%)

加護を當てる確率など、地中海クルーズを當てるのと同じようなものだ。

しかも某番組とは決定的に違う部分がある以上、某番組よりも運要素が強い。

その決定的な違いというのが・・・

「矢を投げるのは神だからね」

「.....え?祈った本人じゃないんですか?」

「さっきアユムっちにも言ったけど、ここは神界だからね。

本來なら人間なんかが來れる場所ではないんだよ。神に召喚された時だけ來れるってわけ」

(なるほど。だから先ほど俺は泥棒扱いをされた訳か。.....あれ?じゃあなんで俺は來れたんだ?)

「アユムっちはアテナっちの付き人っていう特殊な條件があるから特別なだけだね」

「.....心を読まないでくださいって言ってますよね?」

この読心ってやつは意識しないとどうにも防げなさそうだ。

「だから加護なんてそうそう得られないよ。大抵はたわしだね」

「たわし・・・。頑張った褒がたわしって酷くないですか?」

「なに言ってるんだい。

たわしでも、神から下賜されるものなんだからありがたいだろ?あひゃひゃひゃひゃひゃw」

これはダメなやつだ。

考え方が全く異なるからわかりあえないだろう。

俺はげんなりしつつ、ダーツの景品について尋ねていった。

「加護を當てた場合も、どの加護になるかは神様がランダムで選ぶんですか?」

「その通り。人間に決定権は一切ないね」

(マジかよ.....これじゃ加護も當たりとは言えないんじゃないか?関係ない加護をもらっても困るし。

そういう意味では、使える加護を貰ったナイトさんは幸運中の幸運どころか、超幸運の持ち主とも言えるな)

そう考えていたら、

「あ~。アユムっちは自分で選べるよ。ここに來ている訳だしね。矢を投げるのもアユムっち。

アテナっちに謝するんだね。アユムっちは人間の中でも特別選ばれた存在ってことになる」

「だから!心を勝手に読まないでください!」

にやにやしているところからも、アルテミス様はやめるつもりはないのだろう。

本當に困った神様だ。.....でもアテナには謝しておこう。

「神ってのは・・・」

「アユムっちにあげたやつだね。あれはあたしが昔、用していたやつなんだよ」

「え!?いいんですか?そんな大切なものを頂いても」

「構いやしないよ。緒で神の試練をやったことへのお詫びのつもりだからさ。それに・・・」

「?」

「飽きちゃったからね」

「・・・」

飽きたものを人に渡すなよ!とツッコミたいところだが、敢えて我慢する。

一応、お詫びのつもりらしいし。

「.....そ、そうですか。大切にしますね」

「そうだろ!そうだろ!あひゃひゃひゃひゃひゃw」

痛い!痛いから!肩を叩くな!

「.....そ、それでアイテムってのはなんですか?」

「それこそ々なさ。便利なから、おいしい、役立つと様々だね」

「例えば、どんながあるんですか?」

「便利ななら、一度行ったことがある場所なら、一瞬でその場所に行くことができる転移のクリスタル。

冷水や溫水が無限の如く沸いてくる神の裝置である神の泉などだね」

神の泉の使い道は、魔法を使える俺にとっては皆無だ。

しかし、転移のクリスタルには興味がある。

ラズリさんの手紙を読む限り、相當悩んでいるみたいなので、これさえあれば・・・

「おいしいなら、完された酒である神酒。完された果である黃金りんごや仙桃などだね」

されたって部分の意味はわからないが、正直いらない。

てか、神界に完された食べがあるなら、なぜアテナは下界の食べを求めるのか・・・

「役立つなら、男なら1粒飲めば1晩盡きることのない力を得られる奇跡の薬とかがあるね。

後は薬なんてものもあるし、自分好みのの子に洗脳できちゃう怪しい薬なんかもあるよ」

「怪しいって言ってますよね!?危なすぎですって!」

アルテミス様は高笑いをしつつ、膝を叩いている。

これは絶対に俺をからかうつもりで言ったのだと思う。くそっ!

アルテミス様にいいおもちゃにされつつ、俺は最後の質問をしてみた。

「この『自由』ってなんですか?」

「そう!それ!それこそが今回の目玉なんだよ!」

アルテミス様はそう言うと、俺の前に勢いよくを乗り出してきた。

お手れをしていないせいか、しきつい匂いが鼻をつく。.....でも、これはこれで癖になりそうだ。

しかしなによりも驚いたのは・・・

「ぶっ!!」

出た。

この神。

ブラジャーしてねえ!

ワンピースの隙間から見える、褐に映えるきれいなピンク

エロすぎる!実にエロすぎる!!実にけしからんおっぱいだ!!!

「なんだい。あたしのでも興しちゃうのかい?

アユムっちは節ないね~。あひゃひゃひゃひゃひゃw」

「・・・」

・・・。

が治まった俺は、アルテミス様に目玉である意味を尋ねた。

ちなみにアルテミス様は普段、ブラは著けているらしい。今回著けていなかったのは、単純に俺をからかう為なのだとか・・・

この神は、どこまで俺をからかえば気が済むのだろう?

「自由ってのはそのまんまの意味だよ。何をあげるのかも自由、あげるかどうかも自由ってことだね」

「.....え?あげるかどうかも自由?何もあげないってことがあるんですか?」

「神にも好き嫌いがあるからね。嫌いな人間には何もあげないよ。それこそ、ハズレであるたわしすらね」

おおぅ・・・。

神に見放された人間ってことか。憐れすぎる・・・。

「アユムっちの場合は、アユムっちが好きに選べるね」

「おぉ!これが今回の目玉ということは、これでニケさんを指名すればいいということですか!?」

「殘念。それじゃ、取引にならないだろ」

言われてみればその通りだ。俺にしかメリットがない。

「第一、ニケちゃんは指名できないよ。お願いできるのは、このダーツの主催者であるあたしにだけだね」

「なるほど。では、どうしろと?」

「この『自由』を當てて、あたしの下界行きを認めてしいのさ。

一応、アテナっちの世界だからね。降臨する大義名分がしい訳だよ」

「それは構いませんが.....それとニケさんに會えることとどう繋がるんですか?」

「そのお禮に、あたしがニケちゃんの神気を込めたクリスタルをアユムっちにあげるよ」

「クリスタル?」

「覚えていないかい?猿王を倒したときに、クリスタルを手にれただろ?

あれはあたしの神気を込めたクリスタルだったんだよ。

あれを持って祈ると、あたしの元へと導かれる仕組みだったのさ」

猿王ってのはボス猿のことだろう。.....猿の王だったのか。

ボス猿を撃破した時に、確かに謎のクリスタルを手にれている。

そして、ここに來る前に何かが壊れる音を聞いたが、あれはクリスタルが壊れた音だったようだ。

多分一回限りの使い捨てタイプなのだろう。

ニケさんに確実に會えるクリスタル。

魅力的だ。魅力的すぎる。

それ故に疑問が殘る。それは・・・

「そのクリスタルはいつ頂けるんですか?前回は試練?とやらで手にれましたが・・・」

「もちろん。また試練をけてもらうよ。そうじゃないと、あたしが楽しめないからね」

「.....それ酷くないですか?

俺はほぼ無條件でアルテミス様のお願いをれるのに、俺の願いは試練付きって・・・」

「.....酷い?無條件?れる?」

───ゾクッ!

アルテミス様の目付きが豹変したことで、思わずが竦んだ。

蛇に睨まれたカエル狀態だ。

「.....アユムっちは何かを勘違いしているようだね。

あたしは神であり、アユムっちは人間なんだよ。取引とは言え、対等であるはずがないだろ?」

「・・・」

「それに本來ならアユムっちの意思なんて関係なく、あたしは下りることができる。

それをあたしは最大限譲歩して、取引をしてやっているんだよ」

「・・・」

「それを酷い?無條件?れる?.....人間の分際で思い上がりも甚だしいんじゃないかい?

いいんだよ?アユムっちには矢を投げさせないし、ニケちゃんのクリスタルもあげない。

あたしがいつものように投げて、勝手に下りてあげてもさ。アユムっちには何もあげずにね」

「・・・」

俺が愚かだった。

相手は神。そもそも対等であるはずがない。

どうしても、小説やラノベの影響で対等であるように考えがちだが、そんな訳はないのだ。

「も、申し訳ありません」

「まぁ、今回は大目に見てあげるよ。

今後のこともあるだろうから一つ言っておくけど、あたしが特別ではないからね?」

「どういうことですか?」

「特別なのはアテナっちやニケちゃんであって、他の神はあたしみたいなのがほとんどってこと」

つまり、今後他の神に會うときには気を付けろ、と暗に教えてくれているのだろう。

とても助かるアドバイスだ。無禮な振る舞いをして、チャンスを潰すような真似したくはない。

「ありがとうございます。とても助かります」

「狐も言っていたけど、素直でいいね。.....なるほど。アテナっちが気にる訳だ」

「.....え?」

「兄貴達はみんな傲慢で、強で、頑固者だからね。

特にアテナっちが嫌っているアレス兄なんて、絶対に自分の非を認めないんだよ。どんな狀況でもね。

そんな環境で育ってきた妹だからかね、アユムっちみたいな男は初めてなんじゃないかな?」

そこには妹であるアテナを不憫に憂う一人の姉の姿があった。

正直かなり驚いた。

他人のことなどしも気にかけなさそうなアルテミス様が、アテナの為にこのような表をするとは・・・

神にされ、世界にされ、人にもされる。

そんな全てにされているのが『アテナ』という存在なのだろう。

・・・。

「さて、改めて聞こうかな?取引をけるかい?けないかい?

けるとしても対等ではないよ。それが不満ならけてくれなくてもいい。

拒否されてもあたしはなんとも思わない。もともとは葉わない類いの願いなんだからね」

アルテミス様は手をひらひらとした仕草で、飄然としている。

本當にどちらでもいいのだろう。いや、本當は下界に下りたいのだろうが・・・。

だから俺が出した答えは・・・

「おけします」

「そうこなくっちゃ!さすがアユムっちだね!」

アルテミス様はまるで子供のように破顔一笑。おぉ!しい!

今まではどこか近付きがたく恐ろしいイメージがあったのだが、この笑顔で一気に考えが変わった。

「.....なんだい?あたしの顔になにかついているのかい?」

「アルテミス様もそういう顔をするんだなと思いまして。そっちのほうがいいと思います」

「はあ?さっきまで怯えていたくせに.....もう怖くはないのかい?」

「怖くはあるんですけど・・・。

でもアテナを心配したり、俺を気遣ってくれたり、子供のようにはしゃいだり・・・。

そんな姿を見たら、意外とかわいい神様なんだなって思うようになりました」

「意外と、は余計だよ!」

「ちょっ!?」

何が琴線にれたのかはわからないが、アルテミス様の細い腕からは想像もできない程の力で・・・

───むにゅ!!

満なへと顔を押し込まれた。

すっぱい匂いでむせそうにはなったが、それでも幸せなが顔を包んでくる。

おっぱいは最高だぜ!アルテミス様ありがとうございます!

・・・。

野生のおっぱいを堪能した俺は、ふらつきながらもダーツに挑戦することになった。

しかしここで一つの問題が生じる。

それは・・・

「あの.....実はダーツってやったことないんですけど、大丈夫ですかね?」

「そうなのかい?人間界ではポピュラーだって聞いたんだけどね」

「ポピュラーではありますが、やったことない人はそれなりにいると思います」

「そうかい。まぁ、大丈夫だよ」

「.....えっと、もし外してしまった場合はどうなるんですか?」

「そこで終わり。奇跡は二度は起こらないもんだよ。あひゃひゃひゃひゃひゃw」

「・・・」

どうやら責任重大みたいだ。

アルテミス様のお願いに、俺の願い。.....これは絶対に外せない!

「そんなに張しなくても大丈夫だよ。これで外れることなんてほとんどないからさ」

そう言って見せてくれたダーツは、先程とは全く違うダーツだった。

しかもそれは・・・

(自由91%、たわし5%、アイテム2%、加護1%、神1%)

インチキもインチキ。さすがアルテミス様だ

確かにこれなら、的に當たりさえすれば心配はいらないだろう。

そうアルテミス様は思っていたはずだ。

しかし実際は・・・

「あ、あの。俺がしていた心配ってのは、的に當たるかどうか、なんですが・・・」

「そっちなのかい!?」

「なにぶん初めてのことですし・・・」

「.....もちろん的から外れてもそこで終わりなんだけど・・・仕方ないね~」

アルテミス様はやれやれといった仕草とともにそう言うと、俺の背後に回り、まるで俺の右手を導くかのように自の右手を添えてきた。

背中に當たる幸せなと、既に癖になりつつあるアルテミス様のきつくて酸っぱい匂い。.....幸せすぎる!

「ほら、手伝ってやるから心を落ち著けな」

「.....落ち著けるのは無理です」

「はあ?なんで?」

「.....背中のらかいとアルテミス様のいい匂いで集中できないです」

「い、いい匂い!?」

アルテミス様が慌てている。ちょっと新鮮な景だ。

それにしても食い付いたのがおっぱいではなく、匂いなのが意外だ。

お手れしていないことは気にしなくとも、臭は気になるらしい。

「か、嗅ぐんじゃないよ!気持ち悪いね!」

「.....そうは言いましても、この匂い。気になっちゃいます」

───すんすん

初めはあまりの臭いにむせそうになっていたが、今ではずっと嗅いでいたい気分だ。

中毒のある匂い。アルテミス様!ってじがする香ばしい匂い。

───すんすん

「ちょっ!?」

───すんすん

───すんすん

「や、やめろって言って・・・」

───すんすん

───すんすん

───すんすん

───ブチッ!

ついには、アルテミス様の堪忍袋の緒が切れてしまったようだ。

「やめろって言ってんだろ!この変態!」

「おわあああああああああああああ!?」

アルテミス様の怒りとともに、そのか細い腕で俺は放り投げられ、そして・・・

───バアアアアアン!

大音響とともに、俺はダーツの的に見事突き刺さっていた。

「よし、『自由』だったね。人間ダーツいっちょ完了っと。

さすがアユムっち。あたしの期待を裏切らない。あひゃひゃひゃひゃひゃw」

こうして、翌日アルテミス様は降臨されることが決定した。

あぁ~。明日、アルテミス様はまた匂いを嗅がせてくれるかな~。

本日の戦利品

①アルテミスの降臨と取引

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『アテナ』 レベル:3 危険度:極小

種族:

年齢:ーーー

別:♀

職業:

稱號:智慧の

力:50

魔力:50

筋力:50

耐久:50

敏捷:50

裝備:殺戮の斧

神ポイント:261340【↑2000】

【一言】歩~、ただいまー( ´∀` )パパから新しいスキルもらってきたよー!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

アユムの所持金:5022000ルクア【↓30000】

冒険者のランク:A(クリア回數:6回)

このお話の歩數:約19800歩

ここまでの歩數:約24821000歩

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『アユム・マイニチ』 レベル:7045【↑3】

種族:人間

年齢:26

別:♂

職業:凡人

稱號:神の付き人

所有:妖狐

力:7055(+7045)【↑3】

魔力:7045(+7045)【↑3】

筋力:7050(+7045)【↑3】

耐久:7050(+7045)【↑3】

敏捷:7305(+7045)【↑3】

裝備:旋風の剣(敏捷+200)

技能:言語理解/ステータス/詠唱省略

Lv.1:初級魔法/初級闇魔法

Lv.2:浄化魔法

Lv.3:鑑定/剣//索敵/知/隠

偽造/捜索/吸収/治癒魔法/共有

初級火魔法/初級水魔法/初級風魔法

初級土魔法/ 理耐/魔法耐

狀態異常耐

共有:アイテムボックスLv.3

パーティー編Lv.1

ダンジョンマップLv.3

検査Lv.3

造形魔法Lv.3

奴隷契約Lv.2

固有:ウォーキングLv.7045 1460/7046

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

後書き

次回、アルテミス降臨!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今日のひとこま side -ヘリオドール-

~ライバルの居ぬ間に~

「お祈りをしても何も得られぬ。やはり攻略の証が必要なのじゃな。主はどうじゃ?」

「・・・」

「主?」

「・・・」

「ほほぅ。これが噂に聞く、抜け殻狀態と言うやつなのじゃな。.....姉さま?」

「・・・」

「.....やはりか。確か神との対話が終わるまでは、この狀態のままだったはず」

だ、誰も見ておらぬな?

「姉さまがおらぬ間に、主にベッタリするチャンス!

(すんすん)姉さまの匂い・・・。人でもないのにいつもベタベタしすぎなのじゃ!」

「主は誰のモノなのか、今のうちにしっかりとマーキングしておかねばな。

(すりすり~♡)主~、酷いのじゃ~。妾というものがありながら、いつも姉さまばかり~」

・・・。

「.....ダメじゃ。こんなことをしても、姉さまにすぐ上書きされてしまう。

かと言って、妾では主にあげられるものがない。妾は既に穢れた・・・」

・・・。

「そうじゃ!あげられるものが無いならば、もらってしまえばよいではないか!

主は貞なのだから、恐らく接吻もまだなはず!ここで尾はできぬが、接吻なら!」

そう一念発起し、主と向かい合い

「では、主の初、頂きますなのじゃ!ん~♡」

今まさに、を重ねようとしたら・・・

「ただいまー( ´∀` )コンちゃんまったー?」

「ね、姉さま!?」

「んー?なにしてるのー(。´・ω・)?」

「あ、主の様子がおかしいので、確認していただけじゃ!」

ちぃっ!なんと間の悪い姉なのじゃ!

あともうしで、主と接吻できるというところだったのに!

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