《歩くだけでレベルアップ!~駄神と一緒に異世界旅行~》第272歩目 いいから黙って頷いておけ!
前回までのあらすじ
あれー? 私はー(。´・ω・)?
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ニケさんをなんとか宥め、アルテミス様の6日間滯在も無事決まった。
「さぁ、これから楽しい楽しいデートの始まりだ!」といきたいところだが......。
チラリと後方を見遣る。
「アルテミスお姉ちゃん、よかったねー! 私に謝してよー(o゜ω゜o)」
「何言ってるんだい。アテナっちは何もしていないだろ?」
そこに居るのは、トラブルメーカーのアテナと悪戯大好きアルテミス様。
どう考えたところで、このまま二人を殘してデートになど行けるはずがない。
まず間違いなく何かしらの騒を引き起こすだろう。それも災害クラスの。
それは『人はいずれ死ぬ』という自然の理よりも明らかだ。
何か手を打たなければ......。
「歩様? デートに行かれるのではないですか?」
しかし、俺がそんな心配をしているとはとも知らないニケさんは大層不満顔。
アルテミス様に奪われまいとギュッと組まれた腕には力がっていた。ちょっと痛い。
「俺もそうしたいのですが、さすがに二人を殘して......というのは不安なんですよね」
「そうですか? 確かにヘカテー様とアルテミス様が心配なのは分かりますが、アテナ様も居らっしゃることですし、何も問題はないかと」
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「いや、心配なのはアテナとアルテミス様なんですけどね?」
どんだけアテナを信頼しているんだよ!?
思わず突っ込みそうになったが、グッと我慢。
ニケさんが、アテナに心酔しているのは今に始まったことではない。
突っ込むだけ無駄だ。馬耳東風。馬に念仏である。
但し、俺とニケさんの間にある共通認識がアルテミス様なのは間違いない。
「ちょっと、ちょっと、二人とも! あたしを何だと思っているんだい!?」
「まっーたくー、アルテミスお姉ちゃんはさー ┐(´ー`)┌」
「いや、だから、アテナもだって」
「 Σ(・ω・*ノ)ノ」
とりあえず、この二人を何とかしないことには安心してデートになんて行けやしない。
■■■■■
「アルテミス様、これが俺の魔駆マイホームです」
考えた結果、俺が安心してデートに行く為には最低でも二人の監視役が必要だ。
一応ヘカテー様が居ることには居るが、正直當てにならないというか頼りない。
そこで、俺とニケさんの為の人柱になってもらおうと魔駆にやって來たわけだ。
勝算は十分にある。
アテナにはドールを、アルテミス様には中のをぶつける予定でいる。
「おかえりなのだ!」
「おかえり。遅いじゃないか」
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「おぅ。ただいま」
出迎えてくれたモリオンとインカローズに帰宅の挨拶を済ます。
そして、モリオンにはアルテミス様を、インカローズにはニケさん達を簡単に紹介する。
ちなみに、インカローズにはニケさん達のことを『知り合いのお貴族様』という形で紹介するつもりだ。これはし考えがあってのことである。
「アルテミス様、こいつらはモリオンとインカローズです。俺の新しい仲間ですね」
「あぁ、知ってるよ。子竜に、山賊だろ? 神界で見たからね」
「神界で?......あぁ。そう言えば、水晶で見れるようにしたんでしたっけ」
「そういうこと」
ペロッと舌舐めずりして、二人を値踏みするアルテミス様。
それは、まるで新しいおもちゃでも見つけたかのように目をキラキラとさせている。
(......まぁ、そうなるよなぁ)
どうやら、モリオンとインカローズは悪戯の標的となってしまったようだ。
恐らく、アルテミス様は頭の中で「どのようにイジってやろうか」と目まぐるしく考えているに違いない。
こうなってしまった時のアルテミス様は無敵の神様だ。
神々の頂點に立つゼウス様の言うことすら聞かず、ポセイドン様の寵を失う程の。
故に対処の仕様はない。
モリオンとインカローズは安らかに仏してしい。なむー。
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「アユム! アユム!」
俺が二人に靜かに合掌していると、最の姉ヘカテー様との再會の喜びを分かち合っていたモリオンが、珍しく神妙な面持ちで尋ねてきた。しかも、モリオンらしいおまけ付きで。
「......へぇ、いい度じゃないかい」
「お、おま!? なんてことを!」
今すぐ、アルテミス様を指差すのはやめろ!
酷い目に合うのはモリオンだが、俺にも累が及ぶんだぞ!?
「......モリオン、人を指差したらダメなんだぞ? 今すぐやめるように」
言いたいことは山程あるが、俺は努めて冷靜に諭すことにした。
別にモリオンが悪いんじゃない。
無知が、俺の教育不足が悪いのだ。
「そうなのだ?」
「そうだぞ。また一つ賢くなったな? えらいぞ!」
「なのだ!」
かわいく萬歳して「のだー!」と嬉しそうに微笑むモリオン。かわいい。
「よしよし。それで、どうした?」
「そうなのだ。こいつからは、ア......ア......お姉ちゃんと同じ匂いがするのだ」
「......こいつ、だって?」
「こいつもやめて!?」
さすがに、恐れ知らずというか無禮が過ぎる。
仮にこの場にドールがいたら、きっとモリオンを叱りつけていたことだろう。
まぁ、ドールもアルテミス様に無禮を働いたことは棚上げにして。
とりあえずツーアウトではあるけれど、モリオンには全く悪気がないことを(言わば、アテナみたいなもんだと)説明して、アルテミス様には俺から謝罪する。
「あたしは今気分が良いからね。特別に許してやるよ」
「ありがとうございます」
気分が良いのは、恐らく6日間滯在の件だろう。本當に助かった。
「子竜もそうだけど、竜族は相変わらず傲慢だねぇ。たかが酒の肴の分際でさ」
「竜族が酒の肴って......。そんなこと言えるのはアルテミス様ぐらいですからね?」
「肴は肴さ。それ以上でもそれ以下でもないね」
「アユム、『さかな』ってなんなのだ?」
「ん? モリオン風に言うと、ご飯だな」
「我、食べられちゃうのだ!?」
基本的に竜族ともなれば、その強さ故に捕食者側となる。
だから、自分が捕食されるなんて夢にも思っていなかったんだろう。
それが食べられてしまうと聞いたことで、ぶるぶると震え出すモリオン。
(恐怖するところがそこかよ!?)
でも、そういうところがかわいい。
確かに竜は絶品だ。噛めばが溢れ、味は癖もなくジューシー。
ただ旨いだけではなく、心を整える効果もあり、『薬用』とも言われている。
さすがに不老不死とまではいかないが、長壽間違いなしの『キングオブ』なのである。
故に酒の肴に限らず、ご馳走の類いとなる。
以前、アルテミス様より戴いた竜は王侯貴族に大人気だったらしい(コシーネさん談)
だからと言って、酒の肴目的で竜族を狩ろうとは決して思わない。
まず滅多に見掛けないし、そんなことをしていたら命が幾つあっても足りないからだ。
閑話休題それはそうと。
「モリオン、同じ匂いってなんだ? さすがに、アルテミス様ほどアテナは臭くないぞ?」
「......アユムっち、あっちでし話そうか」
「ひッ!?」
つい本音が!
「い、いえ、俺はアルテミス様の臭いが大好きなんですけどね? 本當ですよ?」
ただ、アテナがそこまで臭いかと言うと、それはそれで異議を唱えたい。
なんたって、アテナのは俺が毎日洗ってあげているからな。それはもう隅々まで。
だから、臭いどころか良い匂いがして當然で、アルテミス臭と同一視されるのは甚だ心外だ。
「アルテミス様の臭いが大好き......。私のは、私の匂いはどうなのですか!? 歩様!」
「ニケさんの匂いも大好きですよ! えぇ、大好きですとも!!」
だから、変な橫槍はしないでもらえませんかね!?
話がややこしくなりますから!
「おやおや、妬けるねぇ。あたしの臭いが一番だったんじゃないのかい?」
「......ノ、ノーコメントで」
ここで、その答えを出せる訳がない。
まぁ、アルテミス様もそれを分かった上での発言なんだろうが......。
(この神様ヒト、本當にタチが悪いなッ!)
しかし、タチが悪いのは何もアルテミス様に限ったことではなかった。
「歩、歩。それってさー(o゜ω゜o)」
「なんだよ?」
「心のをしゃべっちゃうとー、ニケを傷つけることになるからー(。´・ω・)?」
「お、おま!? それだと誤解されるだろ!? というか、時事ネタやめいッ!!」
「そうなのかい? なんだか照れるねぇ。あひゃひゃひゃひゃひゃw」
「そ、そんな......。私が一番ではないのですか!? 歩様!」
「ほら、誤解された! アテナが変なことを言うから!!」
「ちゃーんと答えればいいだけじゃーん! あーははははは( ´∀` )」
せっかく、ノーコメントでお茶を濁そうと思ったのに......。
普段はポンコツなのに、こういう時だけは機を見るに敏なアテナが憎たらしい。
しかし、悪いことはまだまだ続くようで、アルテミス様の口角が悪魔の口のようにきれいな弧を描いた瞬間、俺の背筋はゾッとした。
「あたしはね、アユムっちに臭いを嗅がれるのは別に構いやしないよ。さすがに『もう慣れた』からね。いつでも好きに嗅いだらいいさ。そういう『約束』だからね。そうだろ?w」
「ちょっ!? アルテミス様!? 何、ぶっこんでるんですか!?」
「......もう慣れた?......そういう約束?..................歩様、それはどういうことでしょうか?」
「ひぃぃ!?」
この後、滅茶苦茶デートの時間が減った。
■■■■■
アルテミス様の見境のない悪戯にも困ったものだ。
再びニケさんを宥め終えると、何やらインカローズが質問したそうにしていた。
実にらしくない態度だが、お貴族様相手にさすがに遠慮しているのだろう。
いや、恐らくは『あれ』が原因なのかもしれない。ハァ......。
「どうした?」
「いや、こんなこと聞いてもいいのかねぇ」
「遠慮しなくてもいいぞ」
「じゃあ......。そこのちっこいのはともかく、そっちの二人とはどういう関係なんだい?」
インカローズの言葉に、ニケさんとアルテミス様それぞれが別の反応を示した。
ニケさんは端正な眉をピクリとかした以降はキリッとした済まし顔に。
それは、己が絶対の彼であるという自信とそうであるはずとの不安を懸命に押し隠す姿、そう宣言されることを今か今かと待ちけている姿にも見て取れる。
対して、アルテミス様は呆れるばかりの清々しい笑顔に。
それは、好奇心旺盛で心をときめかす年のような姿、俺が何と答えるのか楽しみで楽しみで仕方がないといった姿にも見て取れる。
(ハァ......。また何か企んでいるんじゃないだろうな? もう勘弁してくれ)
一向に反省する様子が見られないアルテミス様にちょっとうんざり。
どう答えたところでイジられる運命なら、もはや諦める他はないだろう。
「ニケさんは俺の彼で、アルテミス様はただの知り合いだ」
「今は『まだ』ね。あひゃひゃひゃひゃひゃw」
「ま、まだ!? 歩様!?」
「......ニケさん、いい加減にしてください。アルテミス様の場合、あれもそれもこれも全て冗談ですから」
「も、申し訳ありません。......あ、あの、もしかして怒っていらっしゃいますか?」
「いえ、別に」
「そこは「キレてないですよ」でしょーがーヽ(`Д´#)ノ」
「やかましいわッ!」
怒ってなどいない。嫉妬されることも鬱陶しいとは思わない。
ただ、もうし信じてしいというか、ニケさんがあまりにも緒不安定過ぎる。
いや、仮に怒りの対象があるとすれば、それは───。
俺は泣きそうになっているニケさんから、諸悪の源たるアルテミス様へと視線を移した。
「うん? なんだい?」
「......」
「ヒュー♪ ヒュー♪ ヒュー♪」
剣呑な視線に気付いたアルテミス様は、白々しく口笛を吹いてやり過ごそうとしている。
さすがにやり過ぎたという認識はあるようだ。一応、これも惚られている効果だろうか?
とりあえず、この場が波となるのだけは防げたが、重い雰囲気が漂うことに。
だが、そんな暗い雰囲気を吹き飛ばすような出來事が突如起こる。
「ほら! 何をボサッと突っ立ってるんだい! あんたらもだよ! 早くしなッ!」
「「「はーい! マイ・首領マム!!」」」
インカローズの一喝を合図に、敬する首領と同じように一斉に跪く騎士団員達。
その一糸れぬ統率されたきは一見の価値あり。
まるで時代劇のお殿様場シーンを見ているかのような錯覚に陥る。
「うぉ!? な、なんだ!?」
「な、何事です!?」
「な、なんだい!?」
その景に、俺だけではなくニケさんとアルテミス様も口をあんぐり。
なぜ、インカローズ達がいきなりそんな行を取ったのかは不明。
また、約40名が一斉に跪いている景は得も言われぬ圧迫があった。
そして、それに続く3つの小さな影。
「へへー」
「へへー、なのだ!」
「アーちゃんとモーちゃん、違うよー。そこは「ははー」だよー?」
「ははー」
「ははー、なのだ!」
「ははー☆」
「......」
うん。この3人はこのままでもいいかな。仲良く遊んでいるし、何やら楽しそうだ。
これにドールも加わってくれたら、凄く場が和みそう。まぁ、絶対に無理だろうけど。
俺は3人の楽しそうな姿を橫目で楽しみつつ、インカローズに改めて尋ねた。
「えっと、何してんの? お前達」
「何って、敬禮に決まってるだろ?」
「何をしているのかを聞いているんじゃなくて、なんでいきなり敬禮しているのかを聞いているんだが?」
「いや、當然のことじゃないか」
インカローズが「何言ってんの?」と首を傾げる。
それに対して、俺も「何言ってんの?」と首を傾げ返した。
何が當然なのかがさっぱり分からない。
こういう時、異世界人との間で認識の違いを改めてじる。
(あれか? お貴族様に対しての禮儀というやつか?)
しかし、インカローズ達は元山賊。
権力へのびみたいなものには嫌悪があると思ったんだが......。
そもそも、そういう分別が出來るのならば、山賊などには墮ちなかったはずだ。
(じゃあ、なぜ?)
いつまで経っても要領を得ない様子の俺に、インカローズが口を開く。
「そ、そっちのお貴族様は竜殺しの彼なんだろ?」
「......」
インカローズが恐・る・恐・る・指差す先に居るのはしのニケさん。
それに対して、ニケさんの瞳が昏くる。
(というか、お前も人を指差すな! 紹介済みなんだから名前で呼べよ!)
いや、確かに呼びにくい気持ちは十分に理解出來る。怖いもんな?
呼べたとしたら、それこそ真の勇者だとも思う。怖いもんな?
仮に、俺がインカローズの立場だったら絶対に無理だ。だって、怖いんだもん。
それでも、モリオンの教育に悪いからやめてしい。
「そうだぞ。それが?」
「だったら、竜殺しの未來の正妻様な訳だ」
「......」
未來の正妻様という言葉に、ニケさんの端正な眉がピクリと反応した。
「あたいらは元山賊だからね。お貴族様への禮儀なんか知らないんだよ。だけど、そんなあたいらでも首領は絶対というルールぐらいはある。だから、今のあたいらの主人である竜殺しの正妻様なら、敬禮ぐらいするのは當然のことだろ?」
「なるほど」
上下間系に厳しい育會系のノリだろうか。
実に山賊らしい単純明快なルールだ。
まぁ、反抗的な態度を取られるよりかはよっぽどマシかな。
と、その時、ニケさんが嬉しそうに口を開いた。
「ふふ。立場をわきまえた素晴らしい判斷です」
その言葉と同時に、インカローズに掛けられていた圧が急速に弱まった。
何を隠そう、ニケさんは紹介時よりずっと圧を掛けていたのだから驚きだ。
原因はまず間違いなく『俺の初めてのダンジョンデートを奪った憎い敵』だからだろう。
ただ、そんな靜かに怒れるニケさんが圧を掛ける以上の派手な制裁が出來ずにいたのは、ひとえに俺が側に控えていたからこそだと思う。ドールの時と同じようなものだな。
そういう意味では、早々にインカローズを紹介出來て正解だった。
そして、インカローズもまた、今のニケさんに対してナイスな行に出たと思う。
「ふふふふふ! そう、私こそが歩様の『正妻』なのです!」
「「「ははー!」」」
「ははー」
「ははー、なのだ!」
「ははー☆」
緒不安定だったからこそ、『正妻』という言葉がクリーンヒットしたのだろう。
ニケさんのご機嫌はすこぶる良い。
そんなニケさんを見ると、俺も何だか嬉しくなってきた。
ただ、俺がどんなに「大丈夫ですよ」と言葉を盡くすよりも、インカローズの「正妻様」のたった一言で問題を解決出來てしまったことにはしショック。
つくづく思う、言葉選びって大切だよなぁ。
「やれやれ。相変わらずチョロい神だねぇ、ニケちゃんは」
「余計なこと言わないでくれますか!?」
言葉選びが大切だって言ってんだろ!
アルテミス様も言葉を選んで!!
俺はくわっと目を見開いて、そう訴えた。
一方、インカローズにも一つのお裁きが下される。
「あなたの罪は赦しがたい大罪です」
「大罪? 何のことだい?」
「......(くわっ!)」
さすがに、それではインカローズには何のことだが分からないはず。
それでも、俺は「いいから黙ってろ!」と目を見開いて、そう訴えた。
「ですが、その殊勝な心掛けにより、この度は恩赦と致しましょう。謝しなさい」
「あ、あぁ」
「これからもそうあるように。いいですね?」
「だから、何の───」
「......(くわっ!)」
困するインカローズに、俺は再び「いいから黙って頷いておけ!」と目を見開いて、そう訴える。
神様達(アテナは除く)のご機嫌を損ねる行為はバカのすることだ。
何のことだか分からないことでも、賛同しておくことこそが賢い選択に他ならない。
もうこれ以上、俺の楽しみを邪魔しないでくれよぉ!
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今日のひとこま
~お前も我のお姉ちゃんなのだ!~
「結局、同じ匂いってなんだったんだ?」
「同じ匂いは同じ匂いなのだ!」
「それが分からんと言ってるんだよなぁ」
「そう言われても、我も困るのだ」
モリオンも困るんかい!
「(すんすん)......やっぱり全然違うよな?」
「こらー! 勝手に嗅ぐなー! しつれーでしょーヽ(`Д´#)ノ」
「失禮? どの口が言うんだ? お前の存在自が失禮だろ!」
「ふぇぇ(´;ω;`)」
「アルテミス様はどういうことか分かりますか?」
「そんなの分かる訳ないだろ? 子竜に聞きな」
「いや、聞いても分からないから尋ねたのですが......。何、言っているんですか?」
「あぁ? 何か言ったかい?」
「ひッ! 何でもありません! ニ、ニケさんはどう思いますか?」
「そうですね。匂い、というのは何かの喩えという可能はありませんか?」
「何かの喩え、ですか。良い線いっているかもしれないですね」
「あくまで予想ですが、大きく外れているとも思えないんですよね」
鋭い考察、素敵です。
「となると、考えられることは......」
「アテナ様とアルテミス様はの繋がった姉妹です。だから匂いが似ていると、こう考えられませんか?」
「おぉ! さすがはニケさん!」
「ふふ。お譽めに與り栄です」
「そうなのだ?」
「お前が聞くんかい!」
「我は分からないのだ。でも、ア......ア......お姉ちゃんと同じ匂いがするのだ!」
「ふーん。まぁ、ニケさんの言う通りなんじゃないか? 知らんけど」
「じゃあ、こいつは、ア......ア......お姉ちゃんのお姉ちゃんなのだ?」
「こいつはやめて!? というか、いい加減に名前を覚えろよ」
「ちゃんと覚えているのだ! ヘカテーお姉ちゃんなのだ!」
「ヘカテー様だけな?」
「どうでもいいのだ!」
「どうでも良くはないだろ!? さすがにアテナがかわいそうだぞ?」
「アユム、うるさいのだ! お前はお姉ちゃんのお姉ちゃんなのだ?」
「あん? 確かにあたしはアテナっちの姉だけど、それがどうしたんだい?」
「じゃあ、お前も我のお姉ちゃんなのだ! よろしくお願いします、なのだ!」
「はぁ? あたしが子竜のお姉ちゃんだって? どういうことだい?」
「すいません、アルテミス様。モリオンはアテナの妹ということになってるんです。それに姉妹が増えるのがよっぽど嬉しいのか、片っ端から姉を作りまくってるんです」
「ふーん。そういうことかい」
「申し訳ないですが、ごっこでも良いので付き合ってあげてください」
「いやいや。面白そうじゃないかい。あたしは新しい妹を歓迎するよ」
「ありがとうございます。きっとモリオンも喜ぶに───」
「子竜! お姉ちゃん命令だよ! 酒を今すぐ持ってきな!」
「我はモリオンなのだ!」
「あぁ、そうかい。じゃあ、子竜。酒をさっさと持ってきな」
「アルテミス様も名前で呼んであげて!?」
「どうでも良いだろ? それよりも酒さ! 早くしな! お姉ちゃん命令だよ!」
それ、妹じゃなくて下僕扱いですよね?
あんたら姉妹はもうしだけ妹思いになれよ!
【最強の整備士】役立たずと言われたスキルメンテで俺は全てを、「魔改造」する!みんなの真の力を開放したら、世界最強パーティになっていた【書籍化決定!】
2022/6/7 書籍化決定しました! 「フィーグ・ロー。フィーグ、お前の正式採用は無しだ。クビだよ」 この物語の主人公、フィーグはスキルを整備する「スキルメンテ」が外れスキルだと斷じた勇者によって、勇者パーティをクビになった。 「メンテ」とは、スキルを整備・改造する能力だ。酷使して暴走したスキルを修復したり、複數のスキルを掛け合わせ改造することができる。 勇者パーティが快進撃を続けていたのは、フィーグのおかげでもあった。 追放後、フィーグは故郷に戻る。そこでは、様々な者にメンテの能力を認められており、彼は引く手數多であった。 「メンテ」による改造は、やがて【魔改造】と呼ばれる強大な能力に次第に発展していく。 以前、冒険者パーティでひどい目に遭った女剣士リリアや聖女の能力を疑われ婚約破棄されたエリシスなど、自信を失った仲間のスキルを魔改造し、力と自信を取り戻させるフィーグ。 次第にフィーグのパーティは世界最強へ進化していき、栄光の道を歩むことになる。 一方、勇者に加擔していた王都のギルマスは、企みが発覚し、沒落していくのだった。また、勇者アクファも當然のごとくその地位を失っていく——。 ※カクヨム様その他でも掲載していますが、なろう様版が改稿最新版になります。
8 68【書籍化&コミカライズ】創成魔法の再現者 ~『魔法が使えない』と実家を追放された天才少年、魔女の弟子となり正しい方法で全ての魔法を極めます。貴方の魔法は、こうやって使うんですよ?~
【オーバーラップ文庫様より2/25書籍一巻、3/25二巻発売!】「貴様は出來損ないだ、二度と我が家の敷居を跨ぐなぁ!」魔法が全ての國、とりわけ貴族だけが生まれつき持つ『血統魔法』の能力で全てが決まる王國でのこと。とある貴族の次男として生まれたエルメスは、高い魔法の才能がありながらも血統魔法を持たない『出來損ない』だと判明し、家を追放されてしまう。失意の底で殺されそうになったエルメスだったがーー「血統魔法は祝福じゃない、呪いだよ」「君は魔法に呪われていない、全ての魔法を扱える可能性を持った唯一人の魔法使いだ」そんな時に出會った『魔女』ローズに拾われ、才能を見込まれて弟子となる。そしてエルメスは知る、王國の魔法に対する価値観が全くの誤りということに。5年間の修行の後に『全ての魔法を再現する』という最強の魔法を身につけ王都に戻った彼は、かつて扱えなかったあらゆる魔法を習得する。そして國に蔓延る間違った考えを正し、魔法で苦しむ幼馴染を救い、自分を追放した血統魔法頼りの無能の立場を壊し、やがて王國の救世主として名を馳せることになる。※書籍化&コミカライズ企畫進行中です!
8 179【WEB版】灼熱の魔女様の楽しい溫泉領地経営 ~追放された公爵令嬢、災厄級のあたためスキルで世界最強の溫泉帝國を築きます~【書籍化+コミカライズ】
◎アーススターノベル大賞にてコミカライズ大賞と審査員賞を頂きました。6月1日に書籍が発売されました!第二巻も出ます! 「魔力ゼロのお前など辺境に追放だ!」 魔法の使えない公爵家令嬢のユオは家族から『能なし』と疎まれていた。 ある日、彼女は家族から魔物がばっこする辺境の領主として追放される。 到著した貧しい村で彼女が見つけたのは不思議な水のあふれる沼だった。 彼女は持ち前の加熱スキル、<<ヒーター>>を使って沼を溫泉へと変貌させる。 溫泉の奇跡のパワーに気づいた彼女は溫泉リゾートの開発を決意。 すると、世界中から様々な人材が集まってくるのだった。 しかも、彼女のスキルは徐々に成長し、災厄クラスのものだったことが判明していく。 村人や仲間たちは「魔女様、ばんざい!」と崇めるが、主人公は村人の『勘違い』に戸惑いを隠せない。 主人公の行動によって、いつの間にか追い込まれ沒落していく実家、ラインハルト公爵家。 主人公は貧しい領地を世界で一番豊かな獨立國家に変えるために奮闘する。 全ては溫泉の良さを世界に広めるため! ビバ、溫泉! 自分の能力に無自覚な主人公最強のスローライフ領地経営+バトルものです。 戀愛要素なし、ギャグタッチで気軽に読めるようにしています。 ※R15は念のためとなっております。 誤字脫字報告、ありがとうございます! 感想は返信できておりませんが、とても勵みにしています。感謝です。 現在は月曜日・水曜日・土曜日に更新しています! ※書籍化に合わせてタイトルを変更しました。舊タイトル:灼熱の魔女はお熱いのがお好き?魔力ゼロの無能だと追放された公爵令嬢、災厄級の溫めスキルで最強の溫泉領地を経営する~戻ってこいと言われても絶対に嫌です。あれ、気づいたら実家が沒落してた~
8 118ファルダーミール -明日の世界-
どこにでもいる普通の高校生。 甘奈木 華彌徒[カンナギ カヤト]は、平和な日常を送っていた。 顔も性格も家柄も普通な彼には誰にも……いや……普通の人には言えない秘密があった。 その秘密とは、世に蔓延る亡者、一般的に言えば幽霊や妖怪を倒すことである。 ある時、友人にその事がばれてしまったがその友人はカヤトに変わらずに接した。いや、むしろ、自分からこの世ならざる者と関わろうとした……。 ───────────────────── 【目指せ、お気に入り1000人達成!?】 2018/10/5 あらすじの大幅改変をしました。 【更新は気長にお待ち下さい】 ─────────────────────
8 111竜神の加護を持つ少年
主人公の孝太は14歳の日本人、小さい頃に1羽の無愛想なオウムを母親が助ける。時が経ち、両親を交通事故で亡くし天涯孤獨になってしまうのだが、実は昔助けたオウムは異世界からやってきた竜神だった。地球に絶望した孝太が竜神に誘われ異世界にやって來るが、そこでは盜賊に攫われてドラゴンの生贄にされそうになってる少女達の姿があった。盜賊を討伐しお寶をゲットまでは良かったがハプニングによるハプニング、助けた少女には冷たくされたりしながらも泣き蟲で臆病な少年が竜神の加護を受け最強を目指しながら大人へと成長する物語である。主人公防御は無敵ですが心が弱くかなり泣き蟲です。 ハーレム希望なのにモテナイそんな少年の切なくもおかしな物語。投稿初期はお粗末な位誤字、脫字、誤用が多かった為、現在読み易いように修正中です。物語は完結しています。PV39000、ユニーク5400人。本當に多くの方に読んで頂けて嬉しく思います。この場をお借りして、有難う御座います。 尚、番外編-侍と子竜-を4/6日にアップしました。
8 79コンビニの重課金者になってコンビニ無雙する
■ストーリー ・ある日、900億円を手に入れた。世界的規模で寶くじを運営している會社のジャックポットくじに當たったのだ。何に使うか悩んでいたが、家の近くにコンビニが無い事を不便に思い、ひょんな事が切っ掛けでコンビニを始める事にした。 (一番近いのは、二駅隣のホームセンター併設のスーパーマーケット) もっと便利に、もっと、もっと・・と便利を追及して行く內に、世界でも屈指のコンビニ重課金者となっていた。拡張し過ぎて、色々商品も増え、いつの間にかその世界では有名な”最強のコンビニ”になっていた。 そのコンビニに行けば、何でも売っている。 マッチ一本から、原子力潛水艦まで。 いつの間にか、その土地は不可侵となり、國と國との取り持ちまでする様になっていた。『なんで、そんな事に』って?そんなの、こっちが聞きたいよ……ただ単に、便利で安全で快適さを求めていただけなのに。 いつの間にかコンビニ無雙する事になった男の物語。 ---------------------- ■その他 ・少しづつ更新していく予定です。
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