《ワールド・ワード・デスティネーション》1
人の心の中には思いを寄せるための石碑的なものが存在し、そしてその石碑に頼ることで人は生きている。それは時に人々の心のよりどころとなり、また軽蔑の対象ともなる。
この記録は僕が高校時代に経験したことをかいつまんで記したものである。人間の記憶には限界がある。僕は記憶が薄れないうちにこの経験を克明に記す義務がある。
僕は事実をできるだけ匿名的に、そして不特定の誰かに知ってもらうためにこのように手紙を書くことにした。ここにはできる限り僕の験したこと、じたことを正確に記そうと思っている。
あかりはクラスのいわゆる「目立たない子」だった。小柄でおとなしく、ほっそりとしていた。無口で友達もおらず、いつも壁際で本を読んでいた。
僕が彼に話しかけたのは簡単なきっかけだった。どういったことが理由だったか忘れてしまったが、僕たちは高校1年生の夏に親しい友人となり、そして次の年には人となっていた。
ある日僕は彼に趣味について質問した。けれど彼は趣味は持っていないと答えた。僕は驚いた。というのは、僕にはたくさんの趣味があったからだ。趣味がないとなると何をして普段生活をするか理解できなかった。學校から帰ったら何をしているの、と質問をした。彼は家ではいつも寢ていると答えた。なるほど、寢ることが趣味なのかもしれないと思った。
趣味と旅行について話そう。
僕は昔から旅をするのが好きだったが、彼は旅をしたことがなかった。彼は小さい頃病気にかかり、長い間院していたのだ。そしてそれが原因で遠くへ旅に行ったことがほとんどなかった。小學校と中學校の卒業旅行にもいかなかったらしい。僕はこっそり彼と家からし遠い大久野島へ行く計畫を作り提案をした。彼ははじめ遠くへ二人だけで行くことに不安を抱いていたようだったが、僕は旅に慣れていると説明すると納得して一緒に行くことになった。
晝過ぎに駅で待ち合わせ、フェリー乗り場まで列車で行った。彼はその間ずっと下を向いていた。駅を降りると目の前はフェリー乗り場で、その向こうには海が広がっていた。彼は周りをきょろきょろと眺めていた。フェリー乗り場にはたくさん人がいたので、僕たちが島に渡ることが出來たのは予定よりも30分ほど遅れてからのことだった。
大久野島にはたくさんの戦跡があった。彼は好奇心が強かったので、一つ一つの史跡を丁寧に観察して、それに興味を持ってくれたようだった。彼に何か興味の持てることが出來たということが僕にはうれしかった。
【書籍化・コミカライズ】誰にも愛されなかった醜穢令嬢が幸せになるまで〜嫁ぎ先は暴虐公爵と聞いていたのですが、実は優しく誠実なお方で気がつくと溺愛されていました〜【二章完】
『醜穢令嬢』『傍若無人の人でなし』『ハグル家の疫病神』『骨』──それらは、伯爵家の娘であるアメリアへの蔑稱だ。 その名の通り、アメリアの容姿は目を覆うものがあった。 骨まで見えそうなほど痩せ細った體軀に、不健康な肌色、ドレスは薄汚れている。 義母と腹違いの妹に虐げられ、食事もロクに與えられず、離れに隔離され続けたためだ。 陞爵を目指すハグル家にとって、侍女との不貞によって生まれたアメリアはお荷物でしかなかった。 誰からも愛されず必要とされず、あとは朽ち果てるだけの日々。 今日も一日一回の貧相な食事の足しになればと、庭園の雑草を採取していたある日、アメリアに婚約の話が舞い込む。 お相手は、社交會で『暴虐公爵』と悪名高いローガン公爵。 「この結婚に愛はない」と、當初はドライに接してくるローガンだったが……。 「なんだそのボロボロのドレスは。この金で新しいドレスを買え」「なぜ一食しか食べようとしない。しっかりと三食摂れ」 蓋を開けてみれば、ローガンはちょっぴり口は悪いものの根は優しく誠実な貴公子だった。 幸薄くも健気で前向きなアメリアを、ローガンは無自覚に溺愛していく。 そんな中ローガンは、絶望的な人生の中で培ったアメリアの”ある能力”にも気づき……。 「ハグル家はこんな逸材を押し込めていたのか……國家レベルの損失だ……」「あの……旦那様?」 一方アメリアがいなくなった実家では、ひたひたと崩壊の足音が近づいていて──。 これは、愛されなかった令嬢がちょっぴり言葉はきついけれど優しい公爵に不器用ながらも溺愛され、無自覚に持っていた能力を認められ、幸せになっていく話。 ※書籍化・コミカライズ決定致しました。皆様本當にありがとうございます。 ※ほっこり度&糖分度高めですが、ざまぁ要素もあります。 ※カクヨム、アルファポリス、ノベルアップにも掲載中。 6/3 第一章完結しました。 6/3-6/4日間総合1位 6/3- 6/12 週間総合1位 6/20-7/8 月間総合1位
8 88俺の右手には力が宿っているのだが廚二病だと思われる件
高校一年生の俺、佐藤泉は右手にある闇の力を封印しているのだが自己紹介のときに俺が「この包帯は俺の右手にある闇の力を封印しており組織との闘いにみんなを巻き込んでしまうかもしれないが仲良くさせてくれ」と言ったら....大爆笑!?勘違い學園ラブコメスタート??
8 135シグナル・オブ・デッド
エアガンとゾンビが大好きな高校生男子、湊音。今日はゾンビ好き仲間の斗哉・魁人と共にあのゾンビ洋畫の最新版を見に映畫館に來ていた。映畫の上映が終わり、次は何をしようかと模索する湊音。その時、湊音達の攜帯に悪夢が降り注ぐ………
8 54クラス召喚されたら魔王になった
ありとあらゆるものでTOPに立っていた子遊戯龍彌 しかし、彼の日常は突然崩れることになる 異世界からの召喚により彼は勇者として召喚される… はずだった。 龍彌は、魔王になってしまった 人間から攻められ続け、ついにキレた龍彌は人間を潰そうとする
8 75感傷
悲しみ、怒り、喜びなどの 人間の感情を話の軸にした短編小説集。 「犠牲」 とあるきっかけで殺人を犯してしまった遠藤翔 (えんどうしょう) その殺人の真相を伝えるための逃走劇 そして事件の真相を追う1人の若き記者、水無月憐奈の物語 「メッセージ」 20歳の誕生日の日、家に帰ると郵便受けに手紙が入っていた。 その內容は驚くべきものだった。 「犠牲」のその後を描いたAnother Story 「ニセモノカゾク」 當たり前が當たり前じゃない。 僕は親の顔を覚えていない。 ここに居るのは知らない親です。 家族の形が崩壊していく様を描いた物語
8 168たった一つの願いを葉えるために
大切な人を失ったテルは神様にある真実を聞かされた。その御禮と謝罪として「マース」に転生させてもらった。 処女作です。かなり下手で文章も稚拙だとは思いますが、微笑ましく見守ってください。 ※時々訂正入りますが、ご了承ください。
8 106