《ワールド・ワード・デスティネーション》14
目を開けると、シミのついたコンクリートの天井が見えた。
「雨は止んだわよ。眠っている間にね。」夕張が言った。顔を向けると窓際に彼が座っているのが見えた。僕はを起こそうとしたが、手足に力がらなかった。
「無理よ。2日も眠ったままだったのよ?」
「二日…」
「とても魘されてたわ。いったいどんな悪い夢を見たの?」
「あまり良く覚えてないんだ。つながりのない斷片的なイメージだけが…」
「きっとあかりのことで責任をじているのよ。人は自分を責めるものだから。」
「あかりがいなくなってしまったのは、僕のせいなんだろうか。」
夕張は僕の顔をそっと覗き込んだ。の子の甘い香りと汗のこもった匂いがした。
「きっと大切なことが欠けてるのよ。眠りなさい。そして、思い出すのよ。」
それが僕がつかんだ最後のイメージだった。
次に目が覚めた時、は前よりもかなり軽くなっていてを起こすことが出來た。
橫で夕張が眠っているのが見えたが、高橋さんの姿は見えない。
ベッドの上に起き上がり周りを見回すと、しだけ開かれた窓から涼しい風がってきて顔に當たった。
窓の外は暗かったので、夜なのだろう。そうすると一何時なのか。
「起きてたの?」と目をつむったまま夕張が言った。
「さっき。し楽になった気がする。」
「そう。よかったわ。」
「今は何時だい?」
「夜遅いわ。朝まで寢ましょう。」
僕は頷いてもうしだけ眠ることにした。
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