《ワールド・ワード・デスティネーション》15
起きると誰もいなかったので、僕は起き上がってしばらくをなじませた後外まで歩いて出てみた。
桟橋には高橋さんの船が泊まったままで、そのそばで夕張が何かしているのが見えた。
砂浜に座って海を見ていると夕張が気づいてやってきた。
「気分はどう?」
「さすがにおなかがすいたよ。」そう言って僕は笑った。
「ちょっとまって。カップラーメンくらいしかないけれど。」
服の裾で手を払った後彼は歩いて行った。
僕が船のところまで歩いていくと、高橋さんはいくつか荷を整理していた。
「おはようございます。」と僕が言うと、
「おはよう。」と高橋さんもあいさつをした。
「気分はどうだ?ずっと寢とったから心配はしとったんじゃが・・・」
「調は大丈夫なんですが、何も食べてないのでおなかがすいてしまいました。」
「明け方で一回安浦まで帰って、そこでいろいろと食べを買ってきたところじゃ。向こうのほうはかなり被害が大きかったみたいで、呉線はしばらくは使いになりそうにないの。道路も川沿いのところはほとんど崩れてしまっとった。」
「そうですか…」
「スーパーも品切れ狀態みたいで、とりあえずカップラーメンくらいはあったから買ってきたんじゃが。」
「ありがとうございます。」
高橋さんと別れて、砂浜を歩いて戻っていると遠くに夕張が何か持って歩いて來るのが見えた。
「作ったわよ。あと1分30秒ってところかしら。」
片手に持っていた豚骨のカップ麺を僕に渡し、もう片方の醤油味を防波堤に置く。
「あなたが眠ってる間に高橋さんがあかりのところへ行ってきたって。幸い土砂崩れとかそういう心配はなかったみたいだけど、畑の土が流されてしまってたらしいわ。一人で元通りにするのは無理ね。」
「彼は元気にしてた?」
「それはもう。あんな風に自然の中でゆっくりと生活するのが、彼にとっては一番合ってるんじゃないかな。」
「それはよかった。」
桟橋を高橋さんが歩いているのが見える。
「あかりは、僕のことをなんて言ってた?」
夕張は何も答えなかった。ただ広い海を眺めているだけだった。
「日が昇るとさすがに暑くなるわね。」
「夏だからね。梅雨が終わると暑くなる。ずっと昔からそうだ。」
そして僕たちは黙ってカップラーメンを食べた。
[完結しました!] 僕は、お父さんだから(書籍名:遺伝子コンプレックス)
遺伝子最適化が合法化され、日本人は美しく優秀であることが一般的になった。そんなご時世に、最適化されていない『未調整』の布津野忠人は、三十歳にして解雇され無職になってしまう。ハローワークからの帰り道、布津野は公園で完璧なまでに美しい二人の子どもに出會った。 「申し訳ありませんが、僕たちを助けてくれませんか?」 彼は何となく二人と一緒に逃げ回ることになり、次第に最適化された子どもの人身売買の現場へと巻き込まれていく……。 <本作の読みどころ> 現代日本でのおっさん主人公最強モノ。遺伝子操作された周りの仲間は優秀だけど、主人公はごく普通の人。だけど、とても善人だから、みんなが彼についてきて世界まで救ってしまう系のノリ。アクション要素あり。主人公が必死に頑張ってきた合気道で爽快に大活躍。そうやって心を開いていく子どもたちを養子にしちゃう話です。 ※プライムノベルス様より『遺伝子コンプレックス』として出版させて頂きました。
8 144【書籍化&コミカライズ2本】異世界帰りのアラフォーリーマン、17歳の頃に戻って無雙する
【日間&週間&月間1位 感謝御禮】 ブラック企業で働いていたアラフォーリーマンの難波カズは、過労死で異世界転生。 異世界を救い、戻ってきたのはなんと十七歳の自分だった。 異世界で身につけた能力を使えることに気付いたカズは、今度こそ楽しい人生をやり直せると胸を躍らせる。 しかし、幼なじみの由依をきっかけに、もといた世界にも『人間を喰う異形――ヴァリアント』がいることを知る。 カズは過去の記憶から、近い未來に由依が死ぬことを察してしまう。 ヴァリアントと戦う使命を持つ由依を救うため、カズはこちらの世界でも戦いに身を投じることを決める。 ★ファミ通文庫さんのエンターブレインレーベルから、書籍が9月30日に発売します。 文庫よりも大きめサイズのB6判です。 ★日間ローファンタジーランキング 最高1位 ★週間ローファンタジーランキング 最高1位 ★月間ローファンタジーランキング 最高1位 ※カクヨムにも掲載しています。
8 62俺はショートヘア女王が大嫌い
主人公が繰り広げるありきたりな學園ラブコメ! 學園のアイドル的存在、坂木 亜実(さかのき あみ)の本性を知ってしまった主人公が理想の青春を目指すために東奔西走する!! リア充でも非リアでもないザ•普通の主人公、荒井 海七渡(あらい みなと)は、ショートカットの美少女と付き合うという野望があった。そんな野望を胸に高校へ入學。 しかし、現実は非情。高校1年の間はただ黙々と普通の生活を送る。 2年にあがり、クラス替え。そこで荒井は、校內で知らない人はいないと言われる程の超絶美少女、坂木 亜実と同じクラスになる。 だがやはり、現実は非情だった。坂木 亜実の正體はただの毒舌ドS野郎だった……
8 136突然不死身という最強の能力に目覚めちゃいました
西暦2200年地球には2種類の人間が存在するようになっていた。 1種は昔からいたいたって普通の人間、もう1種は生まれながらにして特殊能力を持った人間つまり超能力者だ。 そして今世界では特殊能力を持った人間を中心とした格差社會が起きていた。通う學校、働ける職場、仕事の基本給、その他etc、全てにおいて超能力者が優遇されていた。 學校に関しては小學校までは同じ學校へ通うが、中學、高校は、舊人と超能力者では通う學校が違く、さらに超能力者に関しては受験を受けなくても能力がと言う理由だけで進學をすることができる。もちろんその先にある就職だって同じようなものだ。その職場に適した能力があれば簡単に入社できる。それだけじゃな給料だって高卒で入っても同じ條件の舊人の倍はもらうことができる。 そんな世界で超能力者 神谷 玲は舊人つまり無能力者として暮らしていた。
8 119世界がゲーム仕様になりました
『突然ですが、世界をゲーム仕様にしました』 何の前觸れもなく世界中に突然知らされた。 何を言っているかさっぱり分からなかったが、どういうことかすぐに知る事になった。 普通に高校生活を送るはずだったのに、どうしてこんなことになるんだよ!? 學校では、そんな聲が嫌という程聞こえる。 外では、ゲームでモンスターや化け物と呼ばれる今まで存在しなかった仮想の生物が徘徊している。 やがてそれぞれのステータスが知らされ、特殊能力を持つ者、著しくステータスが低い者、逆に高い者。 ゲームらしく、勇者と呼ばれる者も存在するようになった。 そして、 ステータス=その人の価値。 そんな法則が成り立つような世界になる。 これは、そんな世界で何の特殊能力も持たない普通の高校生が大切な人と懸命に生きていく物語。 ※更新不定期です。
8 192最強転生者の異世界無雙
勉強もスポーツもそくなくこなす高校生、悠馬。 そんな彼の人生は、唐突な事故で終わりを迎えてしまう。 だが、いろいろあって彼は異世界に転生することとなった。 悠馬の才能は異世界で発揮されるものだった! 悠馬改めユーマの二度目の人生が今、始まる! ※主人公は基本的に他人を助けようとするけど、どうでもいいことで面倒臭いと感じたら冷たくなることもあります。 ※殘酷な描寫は保険です。 ※アドバイスを下さるとうれしいです。 ※主人公は苦戦するかも怪しいレベルでチートにしたいと思ってます。苦手な方はご遠慮ください。 ※主人公はヘタレ系ではありません。
8 66