《ワールド・ワード・デスティネーション》16
一旦コンクリートの建に戻って一通り片付けた後、出発の準備をした。
「結局役に立たなかったわね、それ。」夕張は笑って僕のレインコートのポケットを指さした。
「そんなことはないさ。」僕はむきになって雨でったカロリーメイトを頬張った。高橋さんが扉のところに立って笑っていた。
「そろそろ出発しましょう。」と夕張が言った。高橋さんは僕が眠っている間一人で街に戻っていたようで、しばらく部屋で寢たいと言った。夕張と外へ出て後ろで扉を閉めると、何か一つの語が終わってしまったような気がした。
「これからどこへ行くんだろう。」歩きながら僕は言った。夕張は一瞬困ったような顔をした後、僕のほうを見た。
「本當はね、あなたに會うつもりは無かったの。會ったところで何かが解決するわけじゃないからね。」
「でもあの日君は喫茶店で僕に會った。」
「もっと前からよ。」
「前?」
林が終わり、広い叢に出た。左右に海が広がっていて、正面には小さな島が見えた。
「あかりにはたくさんのことを教えてもらった。」
「そう?」
「彼は限定された集合の中で生きているんだ。そして、その集合の中には、洗練された限られたものしかることはできない。」
そう言って僕は両手をちょうど肩幅くらいに開いて集合の領域を現した。
「あなたはそれにることが出來たと思う?」
「たぶん僕は一生かかっても彼の限定された集合の中にることはできないと思うよ。」
夕張は立ち止まって僕の手を取った。僕は驚いて彼の顔を見る。
「あなたは本當にそれを信じてる?」
彼は本當に真剣な顔で僕にそう言った。
「ああ。信じてるよ。」
僕たちは一番端の砂浜まで歩いた後、そこへ並んで座った。
「僕はまだ自分のしたことが正しいのかわからないんだ。僕はあかりに何か與えることが出來たのだろうかって。」
しばらく考えた後、夕張は言った。
「正しいって英語でなんて言うか知ってる?」
「LIGHT。君のことだよ。」
風が強く吹いて、隣に座っている夕張の髪はさらさらと流れた。
「あかりがあなたと一緒にいることを選んだ理由が分かるわ。」
【WEB版】灼熱の魔女様の楽しい溫泉領地経営 ~追放された公爵令嬢、災厄級のあたためスキルで世界最強の溫泉帝國を築きます~【書籍化+コミカライズ】
◎アーススターノベル大賞にてコミカライズ大賞と審査員賞を頂きました。6月1日に書籍が発売されました!第二巻も出ます! 「魔力ゼロのお前など辺境に追放だ!」 魔法の使えない公爵家令嬢のユオは家族から『能なし』と疎まれていた。 ある日、彼女は家族から魔物がばっこする辺境の領主として追放される。 到著した貧しい村で彼女が見つけたのは不思議な水のあふれる沼だった。 彼女は持ち前の加熱スキル、<<ヒーター>>を使って沼を溫泉へと変貌させる。 溫泉の奇跡のパワーに気づいた彼女は溫泉リゾートの開発を決意。 すると、世界中から様々な人材が集まってくるのだった。 しかも、彼女のスキルは徐々に成長し、災厄クラスのものだったことが判明していく。 村人や仲間たちは「魔女様、ばんざい!」と崇めるが、主人公は村人の『勘違い』に戸惑いを隠せない。 主人公の行動によって、いつの間にか追い込まれ沒落していく実家、ラインハルト公爵家。 主人公は貧しい領地を世界で一番豊かな獨立國家に変えるために奮闘する。 全ては溫泉の良さを世界に広めるため! ビバ、溫泉! 自分の能力に無自覚な主人公最強のスローライフ領地経営+バトルものです。 戀愛要素なし、ギャグタッチで気軽に読めるようにしています。 ※R15は念のためとなっております。 誤字脫字報告、ありがとうございます! 感想は返信できておりませんが、とても勵みにしています。感謝です。 現在は月曜日・水曜日・土曜日に更新しています! ※書籍化に合わせてタイトルを変更しました。舊タイトル:灼熱の魔女はお熱いのがお好き?魔力ゼロの無能だと追放された公爵令嬢、災厄級の溫めスキルで最強の溫泉領地を経営する~戻ってこいと言われても絶対に嫌です。あれ、気づいたら実家が沒落してた~
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