《【最終章開始!】 ベイビーアサルト ~撃墜王の僕と、醫見習いの君と、空飛ぶ戦艦の醫務室。僕ら中學生16人が「救國の英雄 栄のラポルト16」と呼ばれるまで~》第87話 演習Ⅰ①

※無事第1部完結までPC力しました。書き溜めが80話(11/21時點)になってしまったので、投稿頻度上げます。

僕とライドヒさんがお通夜のような晝食の後、マンガを読んで笑したその日の午後。

折越さんが運転するクルーザーが、ラポルトに著艦していて。

僕はデッキまで出迎えに來ていた。

「っひゅおおぅ! またの子が増えた~」

僕の隣で喜ぶライドヒさん。‥‥‥‥頼みますよ? この子は「よその子」なんだから、何かあったらマズいんですから。

クルーザーから降りてきたのは、アマリア村のソーラさん、だった。

「ご無沙汰しております。ソーラです。アマリア港奪還戦では、ご盡力いただき、本當にありがとうございました」

ソーラさんは、しっかり者だ。コーラ曰く、「キャラだよ。素は別人」との事だが、そうだとしても、やっぱりちゃんとした子だと思う。

「暖斗くぅ~ん。デッキまで來てくれたのぉ?」

「折越さん。送迎係ご苦労様」

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「暖斗くんがBot掃空してくれたから、安全だったよぉ」

クルーザーの運転席から降りながら、彼は大袈裟に両手を広げた。

この頃あんまり話をしてなかったけど、良くも悪くもこの子の「キャラ」はブレないなあ。

と。ライドヒさんが背を向けてスタスタ去っていく。あれ? 子が増えて喜んでたんじゃあ? と、追いかけて理由を聞いた。

「‥‥だって、客ってアマリアじゃねえかよ?」

「ソーラさん? そうだけど」

「島オンナはパス」

意外だった。ライドヒさんだったら、ソーラさんに々やらかすイメージしか無かったから。

「‥‥いいか暖斗。俺はいずれ島に戻って、ハシリューあたりのを娶る宿命なんだ。だから今のに『島外のと遊んで來い。ついでに嫁も』って、親父の所に住んでんだよ。だから今アマリアと絡んだって、しょ~がね~じゃねえか」

彼の口から聞くのは初めてだった。

ハシリューとアマリアは遠縁だけど元同族だって言ってたっけ。だからコーラには一切絡まないのか。

彼のへの態度は良くないけど、そういう事を知ると、一概に否定も出來なくなる。

「ライドヒさん。行っちゃったのぉ?」

折越さんだ。デッキを去る彼の背中を見ている。

いや、そういう「キャラ」じゃないでしょ君? 走っていってお気攻撃すればいいのに。

「あんなじなんだけどぉ、意外に部屋とかすっごい片付いてるんだよぉ」

「‥‥え? ‥‥行ったの? 部屋」

「うん。‥‥‥‥また呼んでくれるって言ってたのにぃ、忘れちゃったみたいぃ」

折越さんとライドヒさん。いつの間に。

ちょっと意外だった。折越さん曰く、部屋では普通に紳士的で、二人きりになって変な雰囲気になったりはしなかったそうだ。楽しく雑談して、だけど會話の合間に將來島に戻らなければならない事を気にして、ため息をついたりしてたって。

自由にできるヤツはいいよな~、と。

「ほら暖斗くぅん。私達子もぉ、『自由にできる』ってカンジじゃないじゃん? 絋國じゃあさ。ちなみ、ライドヒさんになんか共した~」

その日に折越さんがどんなじの服だったかは知らないけど、「ブレない」彼だったら、100%お気攻撃系の率の高い服だったりした筈だけど。

耳村期待の星」 この事実は、他人にはわからない重さがあるのかもしれない。

ライドヒさんが々暴走するのも、肯定はしちゃダメだけど、特殊な事の結果なのかなあ‥‥?

*****

「コーラ。ちゃんとしてたでしょうね?」

ソーラさんは著いた早々、コーラの生活チェックをする。先生みたいに。

僕は彼を2Fに案しただけだし、「子専用階」の2Fをうろつくのはそれこそ気まずいから、中央エレベーター前でやり取りだけ眺めていた。

「‥‥‥‥ソーラ。おはよ」

「おはようじゃないでしょう!? もう午後よ!! 『n度寢のコーラ』!! 人様の戦艦でアマリアの恥をさらさないで!!」

――――なんだ? その數式みたいな呼び名。

*****

「もう、隠し切れなくなっちゃったのね」

「うん。止むを得ないだろう。これが『合従軍』の仕業かどうかも、今はどうでもいい」

いつもの食堂。

そして、いつもの、子・渚ペアのなんか意味深な會話。

し休んでからで」、と言ったんだけど、気丈なソーラさんはもう出席する旨を伝えてきた。

なので、予定時刻より早いけれど、始まる事になった。

空中戦艦ラポルト。全會議。

出席者は、全員。プラス、コーラとソーラさん。――ライドヒさんは完全に部外者なので、出席はしない。

この頃戦闘がないので、欠席しがちな工科の3人組も來ていた。

ちら。

多賀さんが帽子の中から僕に視線を送ってきた。‥‥そういえばあれ以來、特に會話はしていない。プレゼントのお禮は言われたけど。

また、子さんのMCで、會議が始まった。先日のライドヒさんの顛末と、ソーラさんの紹介。今後の進路。

「ああ、みんなが気になってる事を伝達。2學期はねえ。やっぱ無理だって」

‥‥一どこからその報を? と一瞬思ったけど、頭からはすぐ消えた。だって。

さんはさらっと言ったが、実はかなり重要な報なんだよ。僕ら、「ふれあい験乗艦」のメンバーは、各學校から、正式に夏休みの宿題を免除されてた。

この「験乗艦」を、験學習と見做しての事。

本來、この騒ぎが無ければ、8月1日にはみんな自分の家に帰宅していたはずだ。

だから免除といっても一部。事前合宿3日間も合わせて9日間プラス帰港式典とか、だったんだけど。

9月からの2學期開始が、正式に延期となったと。そして課せられていた僕らの夏休みの宿題もすべて免除となったそうだ。「どうなるんだろう」と気にしてたからこれでスッキリする。だけど。

竹取山の噴火。電磁パルス攻撃。コンギラト條約機構軍。ツヌ國のアマリア侵攻。

僕らの宿題どころじゃない事態が本國では起こっている、んだよね?

それに。

「本土では今、新型サジタウイルスに替わるウイルスが蔓延しつつある。またサジタの変異株か、と思ったんだけど、どうやら違うようなんだ。染癥対策省が必死に対策してるんだけど、追いつかないみたいだね」

さんは腕を組む。その橫に座る渚さんは。

「どうやら、その新型は若い人が染しやすいみたい。しかもよ? 若い人の方が重癥化しやすいんだって。サジタのイッコ前の時のウイルスとは対照的ね」

「‥‥‥‥それが理由でもあったんだよ。このラポルトを中學生だけで運用させたのも、みなと軍港へ帰る選択肢が無かったのも、みんな、これのせいなんだ」

だ、そうだ。さっきふたりで話してた件か。

敵國が不穏なきを見せる中、このラポルトの報と存在が敵にバレるとまずい。さらに、乗艦中の中學生16人が、その新型ウイルスにかかってしまうのもマズい。

結局、中學生16人もろとも、ガンジス島をウロウロしていてくれ、となったそうな。

依が手を挙げて。

「そのウイルス、醫療関係者の間ではもう「新型だ」って認知はありました。出航前の時點です。‥‥ただ、わたし達も風説だけ大きくなるのを恐れて、『サジタの変異株』とまでしか言えなかったの。旅の最初の頃に『またサジタの新型が』って言ってたのはこの意味です。ごめんなさい」

その新型ウイルス、後になってだけど、「新型アキシャウイルス」って名付けられる事になる。

※「そういえば依さんそんな事言ってたような。第1章だっけ?」作者も忘れました!

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