《問題が発生したため【人生】を強制終了します。 → 『霊使いで再起しました。』》

突然の問いに、戸いをみせるエレーナ。

しかも、本人を前にして答えを導き出さなければならない……

だが、噓はつけない。

(っていうか。なんで私、悩んでるんだろう……)

「私は、ハルナのことを……」

——!

またエレーナの全に、激痛が走る。

その様子を見て、ハルナが駆け寄る。

「だ……大丈夫!?」

そういって手を差しべたが

——パシッ!

(——あ)

エレーナは、ハルナの手を跳ね除けてしまった。

「ごめん、ハルナ……が勝手に……」

泣きそうになっているハルナの顔を見て、エレーナは謝罪する。

エレーナはもう、何に対して怒って、何に対して謝っているのかがわからなくなってきた。

その様子を見守りながら、ハイレインは思う。

(……なるほどね。それじゃあ最後のピースを埋めるか)

思考のパズルの空きスペースにピースをはめるべく、ハイレインは問い直す。

「エレーナよ。お前は、ガブリエル様をどのようにしてお呼びしたのだ?」

エレーナはハイレインの目を見つめ答える。

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「聞いた話では、”ラファエル”様が、お呼びになられたと聞いております……」

——!!

信じられないといったじで、ハイレインの片目が大きく開いた。

「ま……まさか、あの風の大霊様が!?」

その名を聞いて、周りの従者もざわつき出した。

いもあるが、何とか落ち著きを見せようとハイレインは努力する。

「……そ……それは、本當のことなのか?」

エレーナはハルナの顔を一度みて、ハイレインに向き直し大きく頷いてみせる。

人を見る目をもつこの目を持ってしても、噓を付いているようには見えなかった。

もしそれが噓だとしたら、エレーナの相當なペテン師なのだろう。

「はい……それは、本當のことです」

エレーナのフォローをしたのは、ハルナだった。

「そ……その話し……詳しく……聞いてもいいか?」

ハイレインの聲が震える。

エレーナは、あの日の出來事をこの場にいる全ての者に伝える。

エレーナが見たもの……

その後、マイヤに聞いた出來事……

その場にいた者全てが、呼吸をするのを忘れてエレーナの話しに耳を傾ける。

いつもの上から目線な発言も、出すことができなかった。

「し……信じられん」

ハイレインは今聞いた話を、すぐには信じることはできなかった。

一度も會ったことがない霊使いに対して、大霊がそこまでするものなのか?

「と、いうことは……ハルナの霊の屬は……」

「はい、”風”です」

「そ、そうなのか……」

ハイレインは、ハルナの指にはめれられたアクセサリを見て驚く。

「お……お前も、指を持つ者なのか!?」

ハイレインは困する。

今の者たちは、全員指の加護をけている者なのかと。

確かに先代から引き継ぐ場合もあるが、それでもこんな高確率で一度の王選に集まることなど今まで聞いたこともない。

ハイレインはせっかく最後のパズルのピースをそろえたが、出來上がったものがまったく予想外のものが出來上がってしまっていた。

(もう、私の中では判斷がつかん……)

頭を抱え込んだハイレインは、首を橫に振りある決斷を下す。

「エレーナとハルナ。し時間をもらってもいいか?私の部屋まで來てほしいのだが」

従者たちはざわめく。

滅多にることが出來ないハイレインの部屋に、今日來たばかりの者たちがいともたやすく部屋に招かれるとは。

一瞬にして、プライドが傷つけられた怒りから、部屋の空気が張する。

「やめておけ。お前たちでは多分、相手にならん。それに、メイヤもいるしな……」

そういって、メイヤに目線をやる。

ぱっと見では、ただハルナの付き添いとしているようにみえるが、今の空気をじとり、警戒態勢にっていたことに気付いたものはほとんどいなかった。

「というわけで、付いてきてもらえるかな?……もちろん、付き添いの者も一緒で構わない」

エレーナとハルナは、頷いた。

「では、行こうか」

ハイレインは、廊下に出て自室へ向かう。

後ろにはハルナ達だけで、従者はついてきていない。

施設の廊下の奧の突き當たった場所に、ハイレインの部屋はあった。

で部屋の扉を開け、中にっていく。

そして、後ろを振り返りハルナ達にも室を促した。

そのまま、四人に腰かける様に指示する。

「お茶も出さずに済まないが、まずは聞いてほしい」

ハイレインは四人の座ったソファーから見える、自分の機の椅子に腰かけて話しかける。

「これからお前たちに見せるものについてだが……多分初めて目にするものだろうが、決して驚かないでほしい……いいね?」

「「……はい」」

ハルナとエレーナは唾を飲み込み、返事をする。

その返事を聞き、ハイレインは決心する。

「よろしい……それではお前たちに紹介しよう。我が友であり、協力者である”ディグド”だ」

ハイレインの前にが集まり球になった。

そのは四人のの前にで、クルクルと楽しそうに回る。

その球がはじけると、中から人型の生きが出てきた。

「——これが、今回の王選に選ばれた霊使い達かい? 初めまして、みなさま。私が土の妖”ディグド”です!」

ハルナ達は、黙ってその存在を見つめる。

「……初めて見る妖に言葉が出ないかな?」

ハイレインは、満足そうに四人に告げる。

「とってもフウカ様に似てますね……」

思わずポロっと口にしたのはオリーブだった。

その言葉にしかめっ面をして反応する。

「な……なんだと? まさか……妖まで!?」

「妖ではないのですが……同じような人型の霊なら出會ったというかいるというか……フーちゃん?」

「はーい!」

フウカが元から姿を見せる。

ハイレインの片目は、今日一番の見開きを見せた。

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