《問題が発生したため【人生】を強制終了します。 → 『霊使いで再起しました。』》
『さて……と。どこにいるのかな?』
ディグドは、エレーナの神の中を進んでいく。
どこかで繋がっているはずの、エレーナの霊を探していく。
「大丈夫?エレーナ」
ディグドがっていった後のを心配するハルナ。
「うん……何ともない……かな?」
「とにかく、お前はただ待っていればいいさ」
「では、お言葉に甘えて……」
そういってエレーナはソファーに深く腰掛け、背もたれにゆったりとを預けた。
そこは宇宙のような世界だった。
上も下もなく、ただの空間といったじだ。
重力があるから底があり、その上には天がある。
意識だけの世界では、上下左右関係なく存在している。
それが當たり前のため、疑問も浮かぶことはない。
ディグドは、エレーナのの中に流れている元素の流れを見つけた。
『この流れをたどっていけば……』
どこか嫌がっているじもするが、ディグドは構わず進んでいく。
辿っていったその先に――
『お。いたいた!』
姿はないが、何とかディグドから隠れようとしているじが伺えた。
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『おーい……どうしたんだい?』
とある意識は逃げ出したが、ディグドはその意識に追いつく。
『と……やっと捕まえた!どうして君は逃げるんだい?』
『に……逃げてなんかいないよ!?君こそ、どうしてこんなところまで……何しに來たんだ!』
エレーナの霊は、やや聲を荒げて話す。
明らかに後ろめたいことがある時の反応を見せる。
こういった心理は、人間でも霊でも関係はなかった。
『君が、エレーナと契約している霊だね?』
『そうだよ……で、何の用なの?』
『ふーん……君に自我はあるんだね。まぁ、當然か。契約の意思は自分で決めるものだしね……ところで、君は誰を嫌っているんだい?エレーナ?それとも他の人?』
『……誰も嫌ってなんか……ないよ』
『だけど君からは、恨んだりねたんだりといった類の気をじるんだ。自分で言うのもなんだけど、あながち間違ってはないと思うんだよね?』
『……』
エレーナの霊は、黙ってしまった。
『まさか、”自分でも良く分からない”とか言い出すんじゃないだろうね?そんな理由は通用しないよ。僕も妖になるまで、時間が短かった訳ではなかったからね。いろんなものを見てきたよ……だからわかるんだ。君が発している気が、どういった類のものであるかもね』
『うぐっ……』
誤魔化そうにも、言葉につまる。
自分は決して、他の霊たちよりも劣っているとは思わなかった。
出來ること……考えること……その他についても、劣って……嫌、ある程度の霊たちよりは上である自信があった。
なのに、最近出てきた近の霊使いの霊のできることや、特殊などを見ると自分のプライドが脆く崩れていく。
今まで自分を支えてきたものが、無くなってしまった。
しかもその霊は、自分の契約者の親友でもある……
エレーナの霊は黙ってしまった。
そこでディグドが提案する。
『僕が、君の考えを伝えてあげるよ。まずは、君が思っていることを素直に話してくれないかな?そこで何を話していくべきか一緒に考えようじゃないか』
エレーナの霊は、し疲れていた。
もう考えるのは嫌だ、いくら考えても自分のいい方向に向かっていかない。
(もう……楽になりたいな)
小さな聲で、ディグドにそう告げた。
『では、まず今の君の気持ちを素直に聞かせてくれないかな?』
徐々に今の気持ちを口にし始めた。
自分に自信があった。だが、なかなかそれを周りに認めてもらえなかったこと。。
なのに、自分より劣っているある霊が、他の仲間たちに人気があったこと。
他の子たちよりも先に、契約者を見つけて嬉しかったこと。
その契約者は自分を、とても大切にしてくれていたこと。
ある日、突然別の霊使いが現れエレーナが戸っていたこと。
最初はその能力に嫉妬していたが、エレーナはそれを乗り越えて親友となっていたこと。
その親友の霊は契約者と話しが出來ていており、それをうらやましく思っていたこと。
強い敵が現れたこと。
その敵に何もできず、エレーナを傷つけてしまったこと。
そして、うらやましく思っていた霊がみんなを助けたこと。
自分が弱かったと気付かされたこと。
そして、エレーナとお話しができる様になりたいとガブリエルにお願いしたこと。
……ここまでディグドはただ、黙って話しを聞いていた。
『これで君の考えがわかった……この容をみんなに伝えてもいいかな?』
霊は頷く。
(ただ、ガブリエル様がなんらかの手助けをしている可能があるな……)
『まずみんな知りたがっているのは、なぜ君の契約者のエレーナが痛みを生じているのかということと、その言がおかしいのかという點だった。それは君からの負のがエレーナに伝わっていてその影響をけていたようだね。そこは素直に謝っておいた方がいいよ、君たちの契約関係はこれからも続くんだ。そういうことがあって、絆は強くなるんだから』
霊は、その言葉に素直に従う。
『……よし。じゃあ、まず僕がみんなに説明するから。後で呼ぶことになると思うけど、その時はちゃんと姿をみせるんだよ……不安にならなくていいよ。うまく話しておくからさ!』
エレーナの霊は、初めて自分以外の者に頼ることを覚えた。
今まで我慢してまで、苦しかったことが急に楽になる気がした。
『ようやく、君の気の流れが落ち著いたみたいだね。それじゃ、先に行って話してくるからね!』
そういって、ディグドはその場を離れた。
          
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