《問題が発生したため【人生】を強制終了します。 → 『霊使いで再起しました。』》

「――っと、ただいま!……あれ?」

見渡すと、ここにいる全員が軽食をとっている。

ハルナは二つ目のサンドイッチを口に運ぼうとしていたところだった。

「お帰り、隨分と長くかかったんだね……それでどうだった?」

ハイレインは手にしていた紅茶のカップを皿の上に置いて、ディグドに問いかけた。

神の世界と現実の時間の流れは々違うらしい。

ほんの二~三十分と思っていたが、三時間以上は経過していた。

ディグドはハルナの肩の上に乗り、一息ついた。

この場の全員が、ディグドの言葉を待つ。

「ハルナさん、そのサンドイッチ食べながらでいいから……」

ハルナは、サンドイッチをずっと手に持っていたらしい。

「で、エレーナさんの霊と話しすることができたよ。まず、エレーナさんの不調の原因は契約した霊さんの負のがエレーナさんの応して起きたものだと思う」

「私の……霊様が?」

思わず、エレーナが驚きの聲をこぼす。

「そう。まずは、聞いたことを話すからそこから考えてしいんだ」

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そういってディグドは、霊が思っていたことを、ここの全員に話して聞かせた。

最初の契約が立される前の話しから、先日に起きたあの事件のことまで。

今までの思いが積み重なり、今回の問題に発展したと思われる。

當然ながら、その話に一番ショックをけていたのはエレーナだった。

毎朝、霊に話しかけているし大切にしていると思っていた。

自分の霊がそんな悩みを抱えていたことも知らずに。

「はぁ……私って本當にダメね」

そんなことないと、全力で否定したのはハルナとオリーブ。

しかも、全く同じタイミングだった。

「その二人の言う通りだ、エレーナ。お前自がそんなに落ち込むような話ではない。それよりも、大切なのはこれからじゃないのか?」

「そうだよ。とにかく、エレーナは悪くないんだ。ではその霊が悪いかといえばそうでもないと思う。霊とはいえ意識があってそれぞれに考え方もあるんだ。他の生きと何も変わらないんだよ。だから、こういう時は話し合うことが重要だと思うんだけど……どうかな?」

ディグドは、エレーナにそう告げた。

しばし、自分のに手を當てて考え込むエレーナ。

「……わかりました、話し合ってみたいと思います。でも、どうやって、話をすればいいんでしょうか?」

そこは任せてほしい!とディグドが聲をあげようとした瞬間……

「あ、私の力はつかえないかなぁ!」

ハルナの反対の肩から現れたのはフウカだった。

「あ!この前のギガスベアの時のように、みんなで話すことができるの!?」

「多分ねぇ……できるよ!」

――ガタッ!

「ちょ……ちょっと待て、待て!お前たちは一、何の話しをしておるのだぁ!?」

ハイレインはその場で立ち上がりんだ。

目の前の小娘たちは、ありえない能力の話題を平気でしている。

霊使いの誰もが、一度はんだことのあるあこがれの能力。

――霊との會話

自分でさえ、ようやくディグドの力を借り仲介してもらっているのに……

「あ、あの……」

驚いたハイレインを見て、恐る恐るギガスベアの時の話をするハルナ。

それにより、意識ある生流ができるとのことだった。

「というと、あれか?お前の霊……フウカは、霊と話しが出來て、それをみんなに伝えられるがあると!?」

これには多余裕のあったディグドですら、開いた口が塞がらなかった。

「はい。ハルナの霊であるフウカ様は風の霊でもあるため、フウカ様が聞かれた音をそのまま風で振させみんなに伝えることが出來るようです……」

そう、付け加えたのは実際にその場にいたエレーナだった。

「……ふふ、うふふふ、わははははは!もう驚きなどしない、私とて大霊様の加護をけた霊使いなのだ!こんな……これしきの事で!」

そう告げるハイレインの目は、泳いでいた。

「そうだよ、ハイレイン……僕も同じ気持ちさ。だが、これも相手の意思が聞きとれて、風の霊だからこそなんだろうね」

「なんか……すみません」

何故か謝るハルナだった。

「それじゃ、呼びますね……」

エレーナは、杖を手に取り霊を呼び出す。

申し訳なさそうに、が球の形をして空中に現れた。

『あの……ごめんなさい……』

これがまず初めに、エレーナの霊から発せられた言葉だった。

「あの……契約者からとしても、ご迷をかけてすみませんでした」

「もう、それはいい。それよりも君の霊が暴走した理由はディグドから聞いたことで間違いないね?」

ハイレインはエレーナの霊に、問いかけた。

『はい……うらやましかったんです。人気があって、いつも周りに誰かがいて……ずっと、その中心になりたかった

「でも、それって契約の前の話しだったよね?」

そこに気付いたのはオリーブだった。

「……それについては、思い當たるところがあるのよ」

と、エレーナ

「時々夢を見ていたの、その場面の。ずっと自分の昔のことかと思っていたけど、繋がってたから私にも見えたのね……きっと」

「それはありあるかもしれないね。特に契約している意識を持った霊で、太いチャネルで繋がっていればそういうことも起こりそうだね」

「そして、思い當たるところがあるっていうのは……フウカ様のことよ」

名前を呼ばれたフウカはし驚いた。

「夢の中で見た、霊でし意地悪っぽく対応していた霊がいたの。それがフウカ様の雰囲気にそっくりだったわ」

「どうなの?フーちゃん、覚えてる?」

「ン―……おぼえてないかな?」

さらにエレーナの推測は続く。

「契約してまだ3年目だけど、今まではこんなことなかったもの。はっきりとこういうことが起きた時に覚えているのは、ハルナ……あなたが來た以降なのよ」

ハルナが來てからの日々は、とても慌ただしい日々だった。

ただ、エレーナ自にもハルナとの差が付き始めているんじゃないかと焦っていたこともあった。

今となってはわからないが、それもエレーナの霊のせいなのかも知れない。

「ということから、フウカ様がうちの霊様の気にしてた霊じゃないかと思ったのね……半分以上は勘なんだけどね」

「それについては、ご自に確認するのがいいと思うんだけど……ただ、フウカさんは覚えていないみたいだけどね」

ハイレインはそう、提案してエレーナは自霊に確認する。

「……どうなの?」

『多分、そうだと思う。あの頃は名前もないし……ただ、この覚は間違いないと思う……』

エレーナの霊は、申し訳なさそうに答えた。

「で、フーちゃんはどうなの?怒ってないの?」

ハルナがフウカに問いかける。

「怒るも何も、覚えてないし……これから仲良くすればいいんじゃないかな!!」

「……いいアイデアだね!」

ディグドもフウカの案に賛し、ハイレインも目を閉じて承諾するように頷いている。

「……アナタはどうなの?」

エレーナは自分の霊に確認する。

『フウカちゃんが良いなら……ぜひ』

――パン!

「よし、決まりね!!」

ハルナが手を叩いて締めたあと、部屋中に自然と拍手が起こった。

          

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