《問題が発生したため【人生】を強制終了します。 → 『霊使いで再起しました。』》

「さて、遅くなってしまったね。軽食だと足りないだろう?私のところで、みんなで食事でもどうかな?」

その一言に、一同の視線がハイレインに集まった。

「え?いいんですか?」

「無論だとも。いろいろと話しを聞かせてくれないか?今まで何があったのか」

エレーナはその言葉に、うんうんと力強く頷いた。

「あの……私もいいのです……か?」

恐る恐る聞き直したのはオリーブだった。

「ん?……當然じゃないか。そういえば、他にも付いてきている者がいるんだったか?全員、來るといい」

ハルナ達は部屋で待っていたアルベルトとソフィーネと合流し、全員でハイレインの家へ移する。

屋敷に著くと、ハイレインとディグドが、家の前で出迎えてくれた。

しかし、そこは驚くほどシンプルな家だった。

エントランスもなく普通の玄関で、庭もあるがフリーマスやスプレイズ家のものとは全く違う。

「ようこそ、我が屋敷へ」

そういって、全員を招きれてくれた。

確かに家は小さかったが、裝や調度品などは一流のものだった。

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「どうだ?狹くて驚いたか?」

「い、いえ。そんなことは……」

エレーナは誤魔化しながら答える。

「いいんだよ、無理しなくても。ただ、見栄を張るのが嫌いでね……確かに、一族の中では変わり者と言われているからな!」

あとで聞いた話だと、國も支援することを提案してくれたが親を含めた一族に恩はあるが利用されるのは嫌だった。

自分たちの生活を楽にするために、ハイレインを利用しようとしていたのだ。

「獨りだし、このぐらいの広さの方が気楽でいいものさ……」

「え!?おひとりなんですか??……こんなに綺麗なのに」

ハルナが驚く。

今の年齢でも、元の世界でモデルで通用しいそうなくらいな容姿なのだから。

「ありがとう、ハルナ。その言葉、素直にけ取っておこう」

そういって、ハイレインはみんなを食堂へ案する。

その後ろを、ディグドが後を付いて行く。

長いテーブルがあり、橫一列に座れる。

その家は古いものというより、新しいデザインで特注品の一點ものとわかる品だ。

きっと値段が付けられるものではないだろう。

料理も、見事なものだった。

個別にコースで出されるものではなく、大皿から取り分けるような料理が並ぶ。

橫には、取り分けてくれる専門のメイドが付いている。

指定すると、好みの量だけ取り分けてくれるようだ。

これは、ハイレインの配慮だとじた。

結構クールに見えて、実は仲間意識が高いのだろう。

こうして気の置けない仲間と、みんなで食事をすることが好きなようだ。

食事も進み、軽いおつまみでお酒を楽しんでいるところ、ハルナがある提案をする。

「ねぇ、エレーナの霊もフーちゃん経由だけど話せるようになったじゃない?その……名前とか付けてあげたらどう?」

そんなハルナの提案に、エレーナの霊はソワソワしたきを見せる。

「……それも考えたんだけどね。でも、し反省してほしいのよ。霊様とはもっと仲良くなりたいけど、甘やかしすぎるのは他の霊使いに示しがつかないわ」

その言葉を聞き、エレーナの霊はがっくりした様子だった。

「でもね、私はそう遠くないと思っているの。私の霊様が、フウカ様やディグド様と同じように単獨で話せるようになる日が……ね」

エレーナの霊は何も言わず、エレーナの周りをクルクルと回っている。

その景を見て、ハイレインは次の話題を持ち出した。

「……そういえば、他の二名の霊使いも、もうそろそろ到著する頃じゃないかな?」

そういわれて、二人は現実に戻される。

――そう。王選に參加する霊使いとしての役割。

「どんな方なのかご存じなのですか?」

「いや、そこまではわからないな……実際にお前たちが來るまではどんな人かも知らなかったのだ」

ブランデーを一口含んだ後、ハイレインは答えた。

「それじゃあ、ここからどういう風にして王選の旅が始まるのですか?」

「まず、全員が揃うと王の間で謁見する。そのあと、今回の霊使い達の”実力”を見せてもらうことになる。その後、王室で話し合いが行われどちらの王子の擔當とそのルートが決定される」

「それじゃあ、ハルナと別々になることも……」

「當然そういう可能もあるだろうな……なにせ決めるのは王室側だからな」

ハルナとエレーナは急に不安になる。

「だが、そんなに心配する必要もないだろう。王選に選ばれるくらいの人だ、困るようなことにはなるまいさ」

「そうですかね……」

ハルナは、ため息じりにそう告げた。

「……さて、今日はもう遅いから泊まっていくといい。心配しなくても、部屋は人數分あるから。だが別に、誰が誰と一緒の部屋になっても構わんぞ?」

ハイレインは、エレーナを見て悪戯にそう告げる。

何故か、エレーナよりもアルベルトの方が耳を赤くしていた。

そうして、夜が更けていった。

次の朝、みんなで最初の施設に移した。

ハイレインと共にっていったが、何故か従者たちの目が鋭い。

元々、割り當てられた部屋へ向かおうとした際にハルナ達の前を歩く従者の一人に話しかけられた。

「……お前たちは、昨夜ハイレイン様の屋敷に泊ったのか?」

「――?え、はい。そうです。ハイレイン様に招かれ……」

――ドン

ハルナは急に立ち止まった従者の背中にぶつかった。

その際に鼻の頭をぶつけてしまい、その個所をる。

「……あの、どうされました?」

「い……いや、なんでもない」

そういうと従者はハルナ達の部屋に向かい再び歩き始めた。

午後になり、また新しい來訪者が訪れた。

これで、王選に參加する全ての霊使いが王都にそろったことになる。

          

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