《問題が発生したため【人生】を強制終了します。 → 『霊使いで再起しました。』》

「それでは、最後にお前たちの契約した霊を見せてみよ!」

四人はハイレインに応えるため、自分の契約した一斉に霊を呼び出した。

「「おぉ!!」」

従者達がその様子をうらやましそうに見つめる。

貴族たちの憧れ――霊使い。

それにより、王族に近い存在となれる可能がある希な地位。

いくらお金を積んでも、決して手にらないもの。

貴族たちの求を満たすことのできないもの。

何度、あのを手にれたいと思ったことか……

そう、あの淡くる……

……え?

……人……型!?

(なぜだ……人型……!)

(ありえん……どこの馬の骨ともわからんものが……!?)

急に室がざわつき始め、さまざまな聲が聞こえる。

「……なんだか、騒がしいところだね」

突然、霊が話し始めた。

「そうね、こんなことで驚くとは……ね」

ルーシーが、霊に対して応える。

後ろにいるソルベティは、後ろに手を組んだまま立っている。

「え?お話ししていいの?」

我慢できずに口にしてしまったのはフウカだった。

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「な、なんと!あの人型霊も、會話できるのか!?」

この場が荒れてき始めて、ヤレヤレといったじを見せるハイレイン。

しかし、いつまでもまとまりのない場を放置しておくわけにもいかない。

「――靜まれ!」

その一言で、場の空気は凍りつく。

ハイレインは、最初に発言した従者をみて注意する。

霊使い達よ、ありがとう。――これで、間違いなくお前たちが霊と契約していることが確認できた。今後は準備を整え、王の謁見が行われるまで自由にしていて構わない」

そういって、ハイレインはまた自分の席に戻っていく。

椅子に腰掛け機の上で手を組み、妖しい片目で四人を見つめる。

「これで以上なのだが……何か質問があるか?」

その言葉に、ルーシーが手を挙げる。

そのままハイレインの許可を得て、発言する。

「王選は霊使いが二組で組むと聞いていおります。この四名の中から組まれると思って良いのですか?」

周囲から(何を當たり前な…)といった聲が聞こえるが、ルーシーは気にしない。

言った言わないということを避けるために、面倒なことでも確認しなければならないと思っていた。

特に貴族との契約など、その地位を利用して簡単に裏切られることが多い。

ルーシーはそういうことを、いろいろと見てきたのだ。

そうすることにより、ダメージはゼロにはならないが軽減することが出來るのだ。

「うむ、そうだな。その認識で間違いはない」

ハイレインは、そのルーシーからの意図をじ丁寧に返答した。

「では、他にないか?……なければ、この場は解散とする」

そういって、ハイレインは椅子から立ち上がり側近を連れて退室した。

エレーナ達も順に席を立ち、自室に戻っていく。

しばらくして、エレーナがハルナの部屋までやってきた。

「フー……やっぱり、新しい人と會う時は張するわね」

「私なんか、何が何だか分からないわよ……何ていうの、しきたりみたいなものとか、これでいいのかとか」

「その辺は大丈夫でしたよ?ハルナ様、私から見ていても問題ございませんでした」

そういってくれたのはソフィーネだった。

「有難うございます、ソフィーネさん」

「では、落ち著くお茶でもご用意いたしましょうか?」

「賛!!」

「私も張続きで、口の中がカラカラよ……」

メイヤの提案に、エレーナとハルナは喜んで応じた。

――コン……コン

そこに、ノック音が部屋に響く。

ハルナが出ようとするが、ソフィーネがそれを手で制しドアを確認しに行く。

――カチャ

ソフィーネはドアを開けてその姿を確認する。

「こちらは、ハルナ様の部屋でよろしかったでしょうか?」

その聲の主は、先ほど聞いた聲だった。

「改めてご挨拶に參りました、ルーシー・セイラムです。只今ハルナ様はいらっしゃいますか?」

「どうぞ、中へ」

ソフィーネはルーシーを中に招いた。

その後ろからは、もう一人付いてきた。

「ハルナ様、お客様です」

「先程は……ルーシー・セイラムです。あなた方のことは、この”ソルベティ”からお話しをお伺いしておりました」

後ろから、ソルベティが顔をみせハルナとエレーナの二人にお辭儀をした。

「ソルベティさん!!」

「先程は、失禮しました。あのような場所ですので、気軽にお話しすることが出來ませんでした……お許しください」

「ちょっ……ちょっと、どうしたの?今まで通り、普通に話していいのよ!?」

「そ、そうよ。一緒に訓練した仲でしょ?」

その言葉に反応したのは、ルーシーだった。

「エレーナ様、ハルナ様。それはいけません。我々は、王選に選ばれた者……その位に恥じないような人でなければなりません。そのためにはハッキリと區別をつけなければなりません」

「え……そこまで」

言いかけたハルナを制したのは、メイヤだった。

「ハルナ様……人にはそれぞれに基準がございます。それは、それぞれが生きてきた中で、培ってきたでもあるのです。こちらの都合だけで変えることも、変えさせることもできないのです」

「流石です……」

ルーシーは、メイヤの言葉に謝する。

ここまで、相手の背景を読み取ったうえで発言してくれる者は今まで自分の周りにはいない。

ハルナの付き添い人は、そこまで見通せる人である。

そしてその付き添いの対象となる人も、そのことを素直にけ止めていることから、相當の人であることを今までの経験がそう告げている。

「ソルベティから聞いていた以上の方々のようですね……」

メイヤのおかげで、勝手にハルナ達の評価が上がっていく。

「そ……それで、今回はどのようなご用件でしょうか?」

エレーナが、本題に戻す。

「今回お邪魔した件は、こちらの従者方の件なのです」

「従者……の方ですか?」

オリーブが聞き直した。

「はい、そうです。今回の王選で、何か企んでいると報がってきたのです。ご存じかもしれませんが、こちらの従者の方々は貴族出の方です。貴族の大勢は、自分の地位を上げることばかり考えています。ここを任されているハイレイン様をも利用しようと考えているもの多いのです」

ソフィーネは、各人の前に紅茶のったカップを置き出した。

ルーシーはその行為に、頭を下げて話を続ける。

「私の友人がここの従者として働いております。報を収集してくれたおかげで不穏分子の存在も分かってきました。これは私が王選の話しを頂いた時につてを使ってセイラム家が調べたのです」

「自分の町から王選の代表として送った際に問題が起きないか……ですか?」

紅茶をれながら、ソフィーネが確認する。

「恥ずかしいですが、そうです。セイラム家が優位になるようにという意味もあるかと思います」

王都の中の不穏分子をつかみ、揺さぶる狙いもあったのだろう。

「ですが、できれば正々堂々と今回の王選を競いたいと思っています……ですので、この報を共有しました。本當は誰に話そうか迷ったのですが、ソルベティから是非とのことで」

ハルナはエレーナの顔を見る。

エレーナはアルベルトやオリーブの顔をみる。

が、二人はお任せしますといった態度だった。

「……わかりました。それでは現在お持ちの報の詳細をお聞かせいただいてもよろしいでしょうか?」

エレーナはみんなの気持ちを代表して、ルーシーに応えた。

          

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