《問題が発生したため【人生】を強制終了します。 → 『霊使いで再起しました。』》
「では、こちらの報をお話しする前に……一つだけお約束をして頂きたいのです」
「……約束とは?」
ルーシーの言葉を、エレーナは問い直す。
「決して、この報をらさないでいただきたいのです」
ハルナは”なんだ、そんなことか”とほっとした表の後に、ルーシーは言葉を続けた。
「この報をお話しした後に、そちらが心変わりをされるかもしれません。その時はすべて我々の側で対処いたします。ですが、その報を決してらさないでいただきたいのです。貴族にれたことにより、その協力してくれている家も追い込まれてしまう可能があります。黙っていただけるのであれば、こちらからは何もしません。もし、この約束が破られることになるならば……全てを掛けて戦わせて頂きます」
そう語るルーシーの目は、真剣だった。
「でも……ルーシーさん。ここまでお話をしてもらっていて、それはないんじゃないでしょうか?……確かに會って間もないですが、できれば信用してもらえると嬉しいです」
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そう伝えたのは、ハルナだった。
確かに今までに進めてきた計畫を、ここで初めて會った人に話すことはよっぽど困っていたのだろう。
エレーナやハルナは人が良いので、助けを求められるとついついそれに応えてしまいたくなるのだった。
それに、ソルベティが付き添うこのルーシーならば、それだけで間違ったことをしない人であると信じることができる。
「……ねぇ、ルーシー。この人たちは信用できるよ」
そう告げたはルーシーの霊だった。
「……そうみたいね。この方たちは、やっぱり今この場所にふさわしい人ね……ソルベティもありがとう、さすがあなたの友人たちね!」
「ルーシーさんの霊も、お話しができるんですね!」
ハルナが、嬉しそうに話しかける。
「そうなんですよ。二年前にずっと、気になっていたの。霊とはずっと一緒にいるわけでしょ?そして霊にも意識が何となくあることがわかってきて……そうなるとやっぱり、お話ししてみたいじゃないですか」
「それで……あの……どうやってお話しできるようになったのですか?」
エレーナはいま、自分の霊に対して一番興味のあることを聞いた。
「多分ですが、”名前”を付けたことによって変化したのではないかと思っています。それにより、霊の存在がこの世界の中でより強いものになったのではないかと今は考えています」
「へー……」
(やっぱり……名前……つけた方が)
と悩んでいると、ルーシーがハルナ達に問い掛けた。
「お二人様の霊にも、お名前が?できれば教えていただけませんでしょうか?あ、私の霊は”フランム”といいます」
先程の下の部屋で集まったときに、ハルナの霊が人型で話しをしているのを見ていたのか、次はハルナの番といわんばかりにルーシーは視線を向けてきた。
「あ、私の霊は、”フウカ”です。フーちゃんって呼んでます」
フウカは姿を現し、元気よく手を挙げてその呼びかけに応じる。
次は、エレーナの番だった。
(ど……どうしよう)
エレーナの中で、不安になっていた。
(もしかして、四人の中で霊に名前を付けていないのは私だけなんじゃ……)
ほんの一秒にも足らない時間の中で、エレーナの思考は高速に処理される。
そして、導き出された答えは――
「私の霊は……ィーネ……そう、”ヴィーネ”といいます!」
驚いたハルナは、エレーナの顔を二度見した。
言い終えた、直後エレーナの霊が姿を見せて青のを発して、その周りをの粒子がクルクルと回る。
そのは、ハルナが始まりの森でみた掌で起きていた”あの”の強さだった。
エレーナも、気軽な発言からの突然な出來事に目が丸くなる。
次第に霊が発するが収まっていく。
霊は丸い姿のままだった。
「……」
霊が、何かをしようとしている。
「……あ、あーあー。エレーナ、聞こえる???」
――!!
エレーナは驚く。
霊から、聲が聞こえたのだ。
もしかしてフウカがまた仲介して聞こえているのではないかと思い、フウカを見る。
見られたフウカは、首を橫に振っている。
「ま……まさか」
エレーナの口からは、驚きの聲がれる。
「ありがとう……エレーナ。やっと話せるようになったよ!」
「あぁ……」
エレーナは優しくそのを掌の上に乗せて慨に耽る。
「っていうか……エレーナ。その名前って……」
「いいのですよ、ハルナ様。こういうのはきっと思い付きが大切なのです」
にっこりと笑って、オリーブはハルナの言葉を止めた。
「とてもよいものを見させていただきました。やはり、霊様とのつながりが深まる場面を見るのはとても……に染みるものがありますね」
「のんびりしていられる狀況でもございません……ルーシー様」
そう告げたのはソルベティだった。
「そ……そうね。では、こちらでお調べした容をお話しさせて頂きます……」
そういって、ルーシーはセイラム家で調べた容をハルナ達に話し始めた。
その容は次の通りだった。
貴族たちは、今回の王選に自分たちの息のかかった霊使いを送り込みたかった。
大した実績はないが、自分たちの強い推薦という形で取りなしてもらう予定だった。
そこに、モイスティアのウェンディアが失蹤したとの噂がってきた。
貴族たちはこれはチャンスと思い、王都の選考部門にその報を伝えた。
そして自分たちの霊使いが、この枠の中にることを信じて疑わなかった。
しかし、蓋を開けてみると全く名前の聞いたことのないような霊使いが來ている。
一部の貴族の者は、裏の手を使って辭退させるようにこうとしていたが、この件に関してはキャスメル王子の推薦もあり進んでいた。
そのため、ここで変なきを見せるよりは、別な方向でいた方が良いとのことで現在に至っているとのことだ。
「……もしかして、私のせいなのかなぁ」
ハルナはそう口にしたが、ルーシーの返答は違っていた。
「いいえ、そうではないでしょう。それはたまたまだと推測しています。その貴族たちも、そこまで自分たちの思い通りに進むとは思っていませんよ。でなければ、その策は甘過ぎて簡単に阻止されてしまうでしょう」
確かにルーシーの言う通りだと、ハルナは納得した。
橫を見ると、エレーナの奧でフウカ、フランムとヴィーネが遊んでいた。
「なるほど……で、次の相手の策の報はっているのですか?」
エレーナが聞く。
「それについては……」
――コンコン
ドアをノックする音が響く。
この部屋の中にいる全員が張する。
(まさか、盜聴されていたとか?)
エレーナは、息をのむ。
……コンコン
再度ノック音が響く。
一同は顔を見合わせて、ソフィーネはドアに向かった。
          
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