《問題が発生したため【人生】を強制終了します。 → 『霊使いで再起しました。』》

「ま……まさか……」

「それ……それって……」

ハルナとエレーナが聲をらした。

「……これは皆様方も知っておかれた方が良いと思います。あなた方だけではなく、王家にも関係のある話なのです」

カルディは神妙な顔つきで話をする。

一同は息を飲み込んだ。

「実は、貴族の中で今回のの王選に対して邪魔をしようとするきがあります……」

……

…………

………………

「え?驚かれないの……ですか?」

「あの、実は先ほど聞いたのです。ルーシーさんから……」

ハルナは申し訳なさそうに、カルディに応えた。

その言葉に助け舟を出すかのように、ルーシーが続く。

「もう、ここまで來たらこのメンバーで隠しておくことはないでしょう……。その件に関しては、セイラム家でも調査を進めておりました。クリエ様がこちらにいらっしゃる前にこの容をお伝えしております……あの……し噓を付くような形になってしまってごめんなさい」

ルーシーは素直に詫びた。

そうでなければ、この先の信頼関係に影響が出ると判斷した。

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やはり、噓つくのは気持ちの落ち著き場所が悪いのだ。

「そうだったんですね……でも、同じ報を共有できてよかったです!」

そう言って、まとめたのはクリエだった。

クリエたちも、できればこの王選の四人が協力してくれた方が助かると思っていた。

それにより、貴族たちの爭いに抗うことが出來ると思ったからだ。

事前に狀況を知っていてくれていたのも、説明する時間も省けて短につながる。

しかも、同じことを”気にして”いたのであれば方向も間違ってはいないのだろう。

あとは、お互いの報の容とその信憑。そして、どうやってその”こと”に対応していくか……

四人はとにかくこの場は解散して、また近いうちに狀況を合わせていくことにした。

「……ふーん。なんだかいろいろとき出しそうだね」

ディグドは、姿を消したまま呟いてハイレインの元へ報告に向かった。

ここは王都の中に建てられた別の場所。

數ある王國とつながりのある貴族、”ガストーマ家”の屋敷。

「……コルセイル様、連れてまいりました」

「よし、れなさい」

コルセイルと呼ばれる人は、ハイレインがまとめている施設の中で働いている貴族の中の一人。

「この者はリリィと申しまして、ガストーマ家に仕えている者の娘で霊使いです」

リリィと名乗る娘は、下にうつむいたままだった。

「リリィ……顔を見せなさい」

リリィは顔を上げて、機の椅子に座っているコルセイルの顔を見る。

その表は怯えていた。

「リリィ、貴をこれから”王選”の霊使いに推薦します。そこで果を上げて王選に參加してみせなさい……いいですね」

「わ……私にはできません……そんな大きな仕事……なんて」

コルセイルは席を立ち、リリィの傍まで歩く。

「あなたのお父様、ガストーマ領地の森の管理業務から外されそうなの……ご存じ?」

「い……いいえ」

「そのことについて、私が”ひとこと”言ってあげてもいいんだけど……どうします?」

「……一度家に帰って相談したいのですが」

こんな重要なこと、一人で決めれるはずがない。

誰かに……相談したいと思うのは、當然のことだったが――

「それは、困るのよね。このことは他の誰かにらしてほしくないの……今、ここで決めてほしいの」

リリィは張のあまり、服をずっと握りしめている。

力がり過ぎて、その手の覚は既にない。

背中には何度か、汗が服の中で滴って流れ落ちている。

「どうする?」

どのくらいの間が開いたか分からないが、再度コルセイルの聲が耳にる。

リリィ自も、この答えに承諾以外の答えがないのはわかっていた。

目を閉じて、ゆっくりと縦に首がく。

「……そう、やってくれるのね。大丈夫……貴ならきっとやれるわ」

(あの娘を……ね)

「ねぇ……エレーナ。他の町の人たちって、王選ってどういう位置付けなのかなぁ」

メイヤが淹れなおしてくれた紅茶で、くつろぐハルナ達。

「ハルナさん、王選とは大きなチャンスなのですよ。町にとっても霊使いにとってもです」

オリーブが答える。

「それは、王家の人と知り合いになったり、親族になったりできるからでしょ?……でもね、王選に出たくて霊使いになるわけでもないんでしょ?そうしたら、今回のことなんて”棚から牡丹餅”みたいなものじゃない」

二人が揃って”棚から……なに?”と聞き返した。

「確かにその通りね、最後の言葉の意味は何となく分かったような気がするけど。だけど、それを政略的に狙ってくることも、中にはあり得ると思わない?」

「うーん……確かに、無くは……ないわね。でもそれって、相當時間も手間もかかる話じゃない?」

「その手間暇かけることをする人もいる……ってことですよ、ハルナさん。私は、絶対に考えつかないですけどね」

肩をすくめるようにして、可能を告げるオリーブ。

「オリーブのいう通りよ、ハルナ。私もハルナの意見には同意なんだけどね。自分に何ができるかよりも、王國に近い位置にいるっていうことの方が重要な人もいるのよね……」

ハルナは、エレーナの意見に納得した。

どこの世界でも、名譽な名前がしいという人もいるのだ。

「……で、エレーナはなんで霊使いになったの?」

――ぶっ!

エレーナは口に含んだ紅茶を吹き出した。

そして、ゴホッゴホッと気管にったを何とか出そうと試みた。

「い……いいのよ!そ……それはま……また今度、ゆっ……ゆっくりと……ね!?」

そんな変な質問をしたわけじゃないのに、とハルナのがひらめくがここは黙っておくことにした。

(今度お酒飲みながらゆっくり聞いてあげよう……もちろんアルベルトさんといっしょにね!!)

嫌らしい笑いをエレーナに向けるハルナ。

そして、ディグドが姿を現す。

「あら、ディグド様。どうされました?」

ディグドはゆっくりと三人の前に降りてきた。

「ハイレインからの伝言で、”今回は何もしないこと”だって!」

          

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