《問題が発生したため【人生】を強制終了します。 → 『霊使いで再起しました。』》

――ここは、玉座の間

候補者の四人が、橫一列に並ぶ。

その後ろには付き添いの人が、二名ずつ後ろに付く。

左から、ルーシー、エレーナ、ハルナ、クリエと並ぶ。

その後ろにはそれぞれの、候補者の付き添いが二名ずつ並んでいる。

玉座の間の両脇の壁には、王家に仕える貴族が並ぶ。

前方と後方には王國兵士がフルアーマーを著用して立つ。

候補者の並ぶ目の前には階段があり、その先には豪華な椅子が二腳並ぶ。

こんなに人いる空間の中でも、騒がしくはない。

それよりも張り詰めた空気が漂い、音を立てること自が罪であるかのような雰囲気が漂う。

そして、ここにいる全員が待っていた人が登場する。

「――グレイネス・エンテリア・ブランビート王のご場である。一同敬禮!」

この場にいる全ての者が頭に手を當てて敬禮をする。

ハルナも事前に聞いていたように、掛け聲とともに敬禮した。

玉座の橫の扉が重々しく開いた。

初めに騎士団長が先頭を歩き、その後ろに”グレイネス”王が歩いてくる。

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その後ろに、ローリエン王妃”とステイビル、キャスメルと続いてってくる。

グレイネス王は玉座に座り、四人の候補者に視線を向ける。

王妃はその隣に座り、雙子の王子はその後ろに立つ。

一通り落ち著いたところで、王が片手を挙げる。

それを見て、騎士団長が聲を掛ける。

「敬禮止め!」

全員が手を下ろし、王の言葉を待つ。

「……選ばれし霊使い達よ、よく集まってくれた。招集に応じてくれたそなた達の気持ちに謝する」

そういわれ、四人はに手を當てその言葉に禮をする。

「さて今回の招集は、次期の王の選抜のために我が王子たちに加護をけるたびに同行してもらうために集まってもらっておる。今この時點において心変わりなどがあれば申し出てもらって構わない。王家として、そのことに対して何も問うことはない。遠慮せず申してみよ……」

四人はその言葉に対し、力強い視線で返事を返す。

しの間無音の時間が流れ、それを確認して騎士団長が王に向いて一度頷く。

「うむ。霊使い達よ、お前たちの慈悲深い決斷に謝する……さて、この場にいる者たちよ。お主たちは今回の王選の人選に関する証人となる。それでは、この決定に異議を唱える者はいるか?」

決をとる役目の騎士団長が、周囲を見渡す。

誰も、異議を唱えるものなどいないだろうと考えていた。

決定を示す言葉を発するために、息を吸い込んだその時……

「恐れながら王よ、今回の人選案につきましてご進言することをお許しください!」

貴族席の中から聲が、発せられた。

周囲は異例の対応にざわめく。

「――靜粛に!では、コルセイル殿、前へ」

騎士団長が慌ただしい周囲を沈めた後ににコルセイルを前に出し、意見を述べさせることを許可した。

コルセイルは前に歩みを進め、四人の並ぶ列のし後ろで止まりに手を當ててお辭儀をする。

「顔を挙げよ……お主は、ガストーマ家の……コルセイル殿か?」

グレイネスは、歩み出た人に話しかけた。

「おぉ、王よ。私ごときを覚えておいて頂き、栄でございます」

「うむ。では、先ほどの話しを聞かせてくれるか?」

「畏まりました。――過去の王選に參加されている霊使い達は、四つの町から選出されることが通例となっております。これは、各町の中で競わせ、優秀な人材を育し、王政に貢獻させる意図もあることは皆様もご承知でしょう。しかし、それにより王都の霊使いの質は低下していき、今の地位に胡坐をかき自己の鍛錬を疎かにしております」

「な……何ですと!?いつ我々が胡坐をかき鍛錬を疎かにしているというのか!」

その話を聞き、騎士団長の反対側の壁にいる王宮の霊使いの長が怒りの聲を発した。

「靜かに!……すまぬ、コルセイル殿。話の続きを」

騎士団長は勝手に発言した霊使いの長を叱し、コルセイルに話しの続きをするように促した。

コルセイルは一つ咳ばらいをし、続きを話し始める。

「では。私が申し上げたいのは、各町だけではなくこの王都の中でも、優秀な人材の育は行われていることを知っていただきたいのです」

王は目を細めて、コルセイルに告げた。

「その言い方からすると、この四人よりも良い人材がお主の抱えている人材にいる……と?」

「……その通りでございます、王よ」

コルセイルは、王の問いに対しハッキリと返した。

「失禮過ぎるぞ、コルセイルよ!」

「王の決定を何だと思って居るのだ!」

「コルセイル殿をつまみ出せ!」

様々な聲が聞こえてくる。

「――靜粛に!皆様、靜粛に!」

騎士団長が、聲を荒げて場を制した。

それにより、場に再び靜けさが戻った。

騎士団長は、コルセイルに告げる。

「コルセイル殿。ご存じだと思いますが、今回の王選の人選については、王國の行事であるため”第一種”法により決定した案件です。こちらを変更するとなると、貴族であるあなた以外に、もう一人王國に勤務する大臣の協力者が一名いないと、変更案を提出することはできませんが?」

コルセイルは、笑い出したい気持ちを抑えながら、騎士団長に返す。

「はい、この件に賛同していただいております大臣様の承諾をいただいております……」

「では、コルセイル殿に賛同された大臣は名乗りをあげよ!」

騎士団長は、大聲でこの場の全員に問う。

大臣の並ぶ列より、男が一人前に出た。

「――エストリオ・フリーマスがコルセイル殿に賛同致しました」

「お、お父様!?」

エレーナは振り返り、その姿を確認する。

その姿は紛れもなく、自分の父親の姿であった。

          

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