《問題が発生したため【人生】を強制終了します。 → 『霊使いで再起しました。』》
「ほら、焦らず急いで!お主たち四人を、街中の者が一目見たいと待ってるんだ!」
そうやって聲をあげ、四人をけしかけるハイレイン。
どうやら、こういった非日常的なお祭りのような雰囲気に興してしまう格のようだ。
今日は、王選に參加する王子とその霊使い達を住人に知ってもらおうとするお祭りだ。
ここは既に、お城の中。
お披目パレード出発地點の正門前。
お城の背部は高い山を背にしており、その山は東西の王國を分けている。
その山は山脈となっており、北から南へと走っており通稱”ディヴァイド山脈”と呼ばれている。
その山を直接超えるのは無理とされる。
高い絶壁に、途中に潛む野獣。
なので、お互い往來するにはう回路を通り、山脈が低くなった場所まで移していく必要がある。
今回のお披目パレードのルートは、正門を出て大通りまで出ると左右に分かれる。
そこから一方は北門へ、もう一方は南門へと回っていく。
休憩を挾み、次はまた先ほどとは逆のルートを通ってそれぞれの門へ戻ってくる順序になっている。
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「ハイレイン様~?」
「ん?どうした?」
クリエの呼ぶ聲にハイレインは笑顔をこらえて応えた。
「あの……ここのフワフワとかスカートのヒラヒラが、以前より多くなっている気がするんですけど……」
「い……いや、クリエの気のせいではないか?」
目をそらしながら答えるハイレインの姿を見て、クリエはこれ以上追及は無理だとじた。
「でも、嫌いではないんでしょ?」
と後ろにいた、カルディ。
「そうなんですけどね……やり過ぎもどうかと」
「でも大変お似合いですよ、クリエ様」
とフォローするのはカルディの彼氏で、アリルビートだった。
後ろから現れたのは、ルーシーとソルベティとだった。
著飾られた二人の容姿に、聲を唸らせるものも多い。
その後ろには、ソルベティの弟であるシュクルスの姿が見える。
その姿は、フレイガルの町の警備隊の正裝服に刀剣を腰に下げている。
ルーシーたちは馬車へ行くまでの間、ほとんどの視線を奪っていった。
「ハイレイン様、遅くなりました。本日はよろしくお願い致します」
ルーシーは、ハイレインに向かって挨拶をする。
「うむ、よいぞ。お主はあんなに嫌がっていたが、周りの目の評価はお前が思っておるよりも隨分と上のようだぞ!」
自分の趣味で集めた服飾品が、これほどまでにも見事に著こなされている。
著せ替え人形のような、じだがハイレインはとても満足だった。
「お褒め頂き、有難うございます。……では、出発の時まで待機させて頂きます」
(評価は嬉しいけど、こういう服ってきづらくて嫌なのよね……ハルナ達の忠告があったから斷り切れなかったけど)
ルーシーはハイレインにお辭儀をし、木の下の椅子へ移した。
そして、最後の二人が到著する。
まずはエレーナがハイレインの傍に寄り、挨拶をする。
「遅くなりました、ハイレイン様。本日はステキな裝をお貸しいただき、有難うございました!」
「うむ。お主のセンスもなかなか良いな。私のコレクションも、このようなめでたい日に使ってもらえるのは嬉しい限りだぞ」
それよりも、エレーナの後ろにいるハルナの方をチョロチョロと目が追っている。
「どうされましたか、ハイレイン様?」
「あ?あぁ、ところであのハルナの後ろに付いておるのは……マーホンか?」
自分ももっと褒めてもらいたかったが、話しを中斷され不満そうに振り向く。
「そうですね、何故かマーホンさんから聲を掛けて頂いたようです」
「ほぉ、あのマーホンを?」
「え?そんなにすごいんですか?マーホンさん」
「ああ見えてな。趣向などは……まぁ、アレなのだが味方になれば心強いぞ」
「へー、そうなんですね……」
「エレーナ様、そろそろ……」
気を使ったオリーブはエレーナを引っ張り、自分たちの席に向かって歩いていく。
ハイレインは既にハルナ達の方へ向かって歩いていき、エレーナのお辭儀には気付けていなかった。
「あ、ハイレイン様。本日はよろしくお願いします」
最初に気付き、そう答えたのはメイヤだった。
「あぁ、よろしく頼むよ。ハルナ、お前はもうマーホンを知っているようだな」
「あ、ハイレイン様。はい、協力してくれることになりました、マーホンさんです」
「ハイレイン様、本日は晴れた良き日に王選に參加される方々の市民へのお披目パレードが開催されることを心からお喜び申し上げますわ」
そういうと、マーホンはに手を當てて片膝をついて挨拶する。
「うむ、それよりハルナの裝もなかなかだな!ルーシーやクリエとは違う……何かこうグッとくるものがあるな」
「さすが、ハイレイン様。ハルナ様の良さに気付いていらっしゃるとは、確かな目をお持ちですね」
しかも、ハルナに自分の持っていない裝飾品が付いていることに気付く。
「そのアクセサリーは……私のものではないな?」
「はい、我が家の寶石商のものから用意させました。いま、流行りのデザイナーが作ったものと聞いております」
「そ……そうか。それにしても、よほどハルナのことを気にったのだな」
その問いにマーホンはただニッコリと笑顔を返すだけだった。
しかし、ハイレインはその笑顔に全てを悟った。
「では、ハルナ。もうしで集合時間だから、自分の席で待機するようにな」
そう告げて、ハイレインは今回の総合管理室のテントのへ戻っていく。
そして、パレードが間もなく始まろうとしていた。
          
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