《問題が発生したため【人生】を強制終了します。 → 『霊使いで再起しました。』》

リリィに案され、王宮霊使いの部屋に通された。

ここには、ハルナ、エレーナ、ルーシー、クリエの他に、オリーブとカルディも同席している。

「ねぇ、リリィ。なんで、名前に王宮ってついてるの?王國と何か違うの?」

「それは、昔の名殘りだと聞いています。王宮霊使いは、王家のために創設されたようですね。魔の討伐などで兵士や騎士などと共に行することもありますが、それは王家から命令をけて行をしているだけです」

「あくまで、王家の命令にこだわりたいのね……」

ルーシーはつぶやいた。

「それが、プライドなのでしょうね。いまだに家の名前が序列の基準になっていますし……」

「リリィさんは、そんな中にいて、大丈夫なの?」

エレーナが、リリィのことを心配する。

「大丈夫です。ハイレイン様も王妃様もこちらにる時に応援してくださいました。何か期待してのことだと思います。私も、その期待に応えたいと思っていますよ」

「そう……リリィさんは、お強いんですね」

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クリエが、うらやましそうに告げる。

「そんなことありませんよ、クリエ様。私は弱いです……それをあの祠の中で知ることが出來ました」

リリィは真剣な眼差しで、ハルナの顔を見つめる。

「それに、強くなるためには自分の弱さを知っていることが大切なんだと思います。……あ、申し訳ございません。クリエ様にこんな失禮なお話をしてしまうなんて!?」

「いや、とても良い話でしたよ。リリィ殿。クリエ様の心には、その優しさは屆いております」

クリエはその言葉を聞き、頷いている。

「ところで、リリィさんは見習いなのですよね?普段は何をされていらっしゃるのですか?」

オリーブが、リリィに質問する。

「普段は、雑務がほとんどですね。あと、霊使いとしての指導・訓練もけています」

「へー、訓練もあるの?どういうことをするの?」

ハルナは、その容に興味があった。

リリィが言うには、ラヴィーネで行っていたことの反復練習のようなものだった。

力の現化、移、大きさ、回転、速さなどをひたすら、コントロールする訓練だった。

指導員は、一応経験者とのことだがそんなに名前の力がない霊使いとのこと。

いわば、名前のある家の霊使いはケガなどをさせてしまった場合大きな問題に発展してしまう可能がある。

実際の討伐や調査に行く霊使いは、そういう家から派遣させられることが多かった。

今回王選に參加する霊使いは王家と直接やり取りを行っているため、王宮霊使いの部署には所屬していない。

なので、そういった貴族間のしがらみや上下関係などの制約はけていない。

話しが一段落すると、部屋のドアが開いた。

部屋には、王宮霊使い長がってきた。

「あ、シエラ様」

リリィは王宮霊使い長を見て、そう呼んだ。

「ようこそ、王選に選ばれた霊使い達よ。本日はどのようなご用件かな?」

「はい、本日は王宮霊使い様たちと流を図りたくお邪魔させて頂きました」

エレーナは、王宮霊使い長のシエラにそう伝えた。

「そうでしたか、ご興味を持っていただき謝します。……しかし、先ほどハイレイン様からも”あなた方をしの間れるように”との連絡もありました。ただ、こちらはあなた方のような方がためになるようなものは何もないと思うのですが?」

シエラは嫌味ったらしく、エレーナ達に告げる。

「シエラ様。我々は王家に対しつながりの強い王宮霊使い様たちが、どのように王家を支えていらっしゃるのかを學ばせて頂きたいのです」

その言葉に対し、シエラの目元がしだけ緩んだのを発言者のカルディは見逃さなかった。

「う……うむ。そうなのか?」

カルディはここを逃してはと、さらに続ける。

「はい。我々霊使いは、この世界を構する四元素をれる存在です。大霊と大竜人の自然界の頂點とも言える存在を崇める王家、そのうちの霊と繋がっている我々が王家を助け助言しているからこそ、安定した王政が行えているといえるのではないでしょうか」

それを聞いたシエラは、唸っている。

そして、唸った息をすべて吐き終えた。

「よ……よし、分かった。せっかくのハイレイン様からのお願いでもあるし、お前たちも我々の王家を支えているこの姿、良く目に焼き付けるがいいぞ!」

「ご配慮有難うございます、シエラ様」

そういって、カルディは深々と頭を下げる。

その姿を見て、他の者も同じように頭を下げて謝を伝えた。

「では、さっそくハイレイン様に承諾した旨を伝えてこよう。では、引き続きそこのリリィがお前たちのお世話をする。困ったことがあれば何でも申し付けるがよい」

シエラは、機嫌よく部屋を出ていった。

一同はシエラが部屋を離れるまで頭を下げたままにしていた。

そして、近くから気配が消える。

「カルディは、すごいですね。よくあんなことがスラスラと口にできるのですねぇ」

「クリエ様。ああいう腹蕓もしはに著けておきませんと、世界を上手に渡り歩くことはできませんよ?」

「いや、私も心しました。見習いたいと思います……カルディ様」

エレーナは本気で心していた。

あのままだと、埒が明かずに王宮霊使いとのつながりが作れないままとなっていただろう。

これに関しては、リリィも心しており今後の參考にさせてもらうと謝していた。

この中でカルディ以外に上手く立ち回れそうなのはルーシーだけだろう。

だが、ルーシーの心を何かが邪魔をして、うまく振舞うことが今は出來そうになかった。

そのため今回は、カルディが上手に事を運ぶように手を貸したのだった。

「それでは、他の王宮霊使い様をご紹介しますね。どうぞこちらに」

そういうって、リリィは次の場所に一同を案した。

          

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