《問題が発生したため【人生】を強制終了します。 → 『霊使いで再起しました。』》

「初めまして、討伐隊の指揮をしておりますドイルと申します。今回は、魔討伐にご協力いただけるとのことで大変謝します」

「よろしくお願いします、ドイルさん。今回はまず狀況をお伺いしたく參りました」

「何なりとお聞きください。あと、お話しを聞いた上で辭退されても何の責も生じませんのでご安心ください」

「お心遣いありがとうございます。それでは、現在の狀況と今までの経緯などをお聞かせいただけませんでしょうか」

ドイルは、ルーシーに頼まれ今までの流れを話し始める。

問題のルートが確立され始めたのは、いまから約五年ほど前

そのルートは今までの遠回りしていたルートと比べると、季節や天候を考慮して片道三~五日かかっていた時間を二~四日程度で行けるようになるルートだった。

現在のような問題が発生し始めたのは、おおよそ一年前くらいから。

當初の商人は、山賊を追っ払う程度で良かったので、大した警備隊を雇わなくても問題なかった。

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ただ、魔は人との駆け引きが通用せず殲滅を目的として襲ってくるため、ある程度の腕がなければあっという間に餌食にされてしまっていた。

そのため、襲撃され始めた當初はよく全滅していた。

狀況が良く分からなかった時は、襲撃される理由が食料の問題と考え食べ以外のものを運搬していたが、調べていくと食料が目的ではないことが分かった。

それは、食料がある場合は持っていかれるが、それ以外の運搬の場合は荷を確認されたあと何も持ち去られていなかった。

そこから検討した結果、人を襲うことを目的にしていると警備隊は結論付けた。

以降、討伐隊が結され魔の討伐を數回行ってきた。

當初は討伐できていたのだが、回數を重ねるごとに魔の戦法にも変化が見られ、討伐隊が負け始めた。

警備兵は、戦力を強化するために霊使いの協力者を募集した。

それが功を奏し、それからは討伐隊が魔か戦力的に優位になることに功する。

だがその優位な立場も、ほんのわずかな期間だけだった。

中にも四元素の力を扱う者が発生し、押し返されてしまうことが続いている。

「……これが、今までの狀況です。他に何かお知りになりたい報はございますか?」

ドイルの言葉に対して、アリルビートが返す。

「その魔の名は?」

「コボルドです、集団で攻撃してきます。それと、部隊のようなものを組んでいることもあります。別々の場所から、ある特定の數の手段で襲われたこともあります」

「というと、知能を持つ者もいる可能がある?」

と、カルディ。

「その可能は高いですね。ボスの存在は確認されておりませんが、そういう存在がいると思って間違いないようです」

「あの、そのコボルトの霊の力を扱う中に、黒い力を扱ったり、アンデッドの存在は?」

ラヴィーネの経験から、エレーナが問う。

「黒い力というものがわかりませんが、全て四元素の力でした。あと、アンデッドのコボルドは、現時點では確認されておりません」

モイスティアでの怪しい集団が関與していることを考慮したが、その関係ではなさそうだった。

続けて、オリーブも質問する。

「出現する地點はいつも一緒ですか?」

「いえ、そのルート全域にわたって出現しています。ある特定場所だけでは無いようです」

「ということは、縄張りを犯した可能っていうのは低いですか?」

「それについては、今のところ一部の集団ではなく、集団の縄張りではないかという結論です」

「ならば人間に対して、何らかの恨みがある可能もあるのでしょうか?」

そう告げるのは、アルベルトだった。

ギガスベアの一件が、頭によぎる。

ただ、コボルドの知能がそこまで高いかというと、そうではない気がしている。

「それについては、何とも言えませんね。魔と意思疎通が出來る訳ではありませんので……」

「この件は騎士団に協力依頼を……」

「騎士団なんてとんでもない!警備隊にもプライドがあります、本件は警備隊で解決して見せます!」

ドイルはアルベルトの言葉を遮り、大き目な聲で話す。

ここから察するに、”警備隊と騎士団は仲が良くないのだろう”とじた。

更にクリエが質問する。

「討伐に行く際に、どのくらいの日數がかかりそうですか?」

「王國を出て、山のり口まで一日。何もなければ二日目に山を越すことになりますが、狀況によって山で一泊してから越えるという流れになると思います。超えれば西の王國の町が近くにありますのでそこを目指すことになります」

「山の中で一晩越すのは危険なのでは?」

思わずハルナは、口にしてしまう。

「確かに危険ですが、道中で襲われたり歩みが遅かったりすると、山の中で休まなければならくなります。お察しの通り、この時に襲われることが被害としては一番大きいのではないかと考えています」

「では、討伐計畫の作戦次第ということになりますかね?」

ソルベティが、告げる。

「はい。そこは、今回の作戦次第となりましょう……他にご質問は?」

ドイルは一同を見渡す。

これ以上の質問は出てこなかった。

「では、また後日ご協力意思の確認をとらせて頂きます。それまで、ご検討ください」

そういうと、ドイルはハルナ達に禮を言って退室した。

「さて、どうしましょうか?」

ルーシーは、口にする。

「ルーシー様が參加されるのであれば、私も問題ありません」

ソルベティはそう告げる。

「こういう時は、みんなで協力し合わないとね」

エレーナが、目をつぶって告げる。

アルベルトは、初めから參加するつもりだったようだ。

オリーブはウンウンとうなずいて、エレーナに了承している。

「それじゃあ、私も……」

ハルナも參加の意思を告げた。

「クリエ……アナタはどうるすの?」

ルーシーは、クリエに確認した。

クリエは、カルディの方に目をやる。

するとカルディは、一度だけ頷いた。

「……それじゃ、私も」

「では、みんなで力を合わせてがんばりましょう!」

ルーシーは大きな聲で、そう纏めた。

          

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