《問題が発生したため【人生】を強制終了します。 → 『霊使いで再起しました。』》

ハルナたちは早速、汗を流しに大浴場へ向かった。

とはいえ、石の浴槽は淺く三人でるには窮屈だった。

まずは、カルディがを洗うため洗い場にいった。

その背中には大きなものはないが、いくつもの傷が付いている。

カルディは霊使いだが、様々な司令に呼び出されていると聞いた。

それだけ、信頼の厚い霊使いなのだろう。

だが、その數だけ危険な場所に駆り出されていることに他ならない。

傷は、その証なのだろう。

ハルナがカルディの背中に思慮を巡らせていると、カルディはに著いた最後の泡を流し終えた。

「はい。次の方、どうぞ」

そう言われて、ソフィーネが浴槽から立ち上がった。

「ハルナ様、恥ずかしいのであんまり見ないでくださいましね」

ハルナは、そう言われてドキッとした。

さっきは余程、カルディのことを凝視していたのかもしれない。

だが、その姿はまたしてもハルナの視線を釘付けにする。

無駄のない引き締まった

バネのありそうな筋

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きめ細かな

どこかの館で見た、ちょっとした彫刻のような立派なだった。

目立つような傷もなく、それはソフィーネの能力の高さを裏付けていた。

(まぁ、あのメイヤさんとかに鍛えられてるから……)

ハルナは、勝手に納得し自分のだらしないと見比べる。

を隠すように湯船の中にを沈めた。

狹い湯船のため、クリエの太ももに足が當たってしまった。

「あ!ごめんなさい」

ハルナは、すぐにを起こした。

「いいんですよぉ、ゆっくり腳をばしてください」

クリエは、ニコニコしながらハルナに告げる。

し興気味のようだ。

「クリエさん、大丈夫?顔が真っ赤よ!?」

「いいんです!まだこうやって皆さんと一緒にっていたいんです!」

クリエは、必死の表で話しかける。

「狹いお風呂って……楽しい……です……ね」

言い終わると同時にクリエは、力無く沈んでいった。

「クリエさん!クリエさん!?」

ハルナが呼びかけるも、反応はない。

カルディはクリエを抱き抱え、そのまま浴場を出る。

所でタオルを敷いて橫になり、風を當てて熱でのぼせた頭を冷ましていた。

ソフィーネとハルナも浴槽から上がり、クリエの様子を心配する。

「どうですか?」

タオルをに巻いて、ハルナはカルディに問いかけた。

「う……うーん、ハルナ……さん?」

その音に反応したクリエは、うっすらと目を開ける。

そして、自分が何もに著けていない狀況でハルナたちに見守られている狀況が恥ずかしくなる。

「え?……あ!わたし……こんな……す、すみませんでした!?」

飛び起きたクリエは、急いで自分のをタオルで隠した。

「大丈夫そうですね、疲れてたんでしょう……早く上がってご飯を食べに行きましょ!」

クリエは、カルディから渡された水を一口飲み干してハルナの言葉に頷いた。

四人は一旦部屋に戻り、食事のために支度を整えた。

階段を下りて付橫を通り、最初に老婆が出てきた部屋へ向かっていく。

先程まで聲が聞こえていた食堂には、既に人がいなかった。

食事を終えて、明日に備えているのだろうか。

二列並んだ長いテーブルの端に、先ほどの老婆は座っていた。

「おや?あんたたち、ここで食事をするのかい?」

「はい、お願いします。何があるのですか?」

「そうだねぇ……遅かったから殘りしかないよ?」

「それでもいいです、お腹がペコペコで」

ハルナとクリエは、老婆に何とか食事をお願いした。

「わかったよ……そこで座って待ってな。……あ、あと飲みはセルフサービスだからね。冷たいはそこの、桶の中で冷やしてあるものを勝手に取りな。後払いだよ」

老婆は重い腰を上げて、廚房へと向かう。

まずは、簡単なサラダとパンとハムを並べてくれる。

空腹には、殘りのサラダとパンでもごちそうにじる。

クリエも味しそうに、食事を口に運んでいる。

ハルナも喜んで食べていると、老婆はパスタとチーズを運んでくる。

ソフィーネがそれらを取り分けてくれた。

ハルナは、そのパスタ一口に含む。

「――こ、これは!!」

ハルナは驚いた。

転生する前に食べた味に、とてもよく似ていた。

それはパスタというよりも、うどんに近いじだった。

決して、この世界の食べがおいしくないわけではなかったが、この世界で発展した獨特の味がありし慣れるまでには時間がかかった記憶がある。

(これは、しょうゆ?味噌?)

そして、驚くうちに老婆は次の皿を持ってきた。

「……ふん、これはサービスだよ。そんなに味しそうに食べる姿を見せられたらね」

「え!?ありがとうございます!」

「ふん、さっさと食べな!片付けもしなきゃならないんだからね!」

老婆は嬉しそうに、初めに座っていたテーブルの端に座った。

よく見ると、最後の出てきたさらに盛られていたのは”おでん”だった。

玉子、大の串、ジャガイモ……

つゆはまっ黒になっているが、これは継ぎ足して使ってきた証拠だろう。

(なんで、この世界におでんが!?)

今までは洋風なもので似たものはあったが、どこか違っていた。

和風となると、これは誰かに教えてもらわないと偶然ではない気がする。

そして、ハルナの頭の中にはある一つの可能がが頭に浮かぶ。

その前に、この料理について確認をしなければとハルナは行に出た。

「これ!味しいですね!……何て名前の料理ですか?」

ハルナはの鼓を抑えながら、老婆に聞いてみた。

老婆は自分でワインを開け、一口含んだところだった。

「ん?あぁ。それかい?それは……なんていったけかねぇ……隨分前に教わったんだよ……あ、そうそう!」

老婆は、自分の記憶の中でその名前にたどり著いて、その喜びに手を叩いた。

「――それは、”おでん”っていう料理だよ」

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