《格闘チャンプの異世界無雙 〜地球最強の男、異世界で更なる高みを目指して無雙する〜》25話 フィーナとの別れ

フィーナの母親に薬を飲んでもらってから、1週間ほどが経過した。

調は良好だ。

もう問題ないだろう。

堀と塀の作も、村の若い男たちとともに完させた。

そこらの魔程度であれば、堀と塀は突破できない。

村の安全は格段に増したと言えるだろう。

そろそろ、この村を離れてもいい頃合いだ。

この村に滯在して、もう1か月ほどが経過する。

その間に、この世界の最低限の常識を學ぶことができた。

これ以上長居しても、最強を目指す上で得るものはない。

強さなど忘れて、フィーナとともにゆっくり暮らしていくのも魅力的ではあるが……。

やはり、最強への憧れが捨てきれない。

「リキヤさん……。とうとう、旅立たれてしまうのですね……」

フィーナが悲しそうな顔をしてそう言う。

俺が考えていることは、彼に筒抜けだったようだ。

「ああ。俺はまだ武者修行の旅の途中なんだ」

正確に言えば、これから武者修行の旅が始まるところだが。

地球や日本という単語を出してみたことがあったが、彼たちには通じなかった。

武者修行の旅の途中という設定で通していくのが無難だろう。

「私から見れば、リキヤさんは十分にお強いです。でも、それだけじゃ満足されないのですよね」

「そうだな。すまん。俺は最強を目指しているんだ。まだまだ俺の知らない強敵がいるかもしれん」

地球では、俺のライバルはもはやいなかった。

しかしこの世界では、何やら魔法だとか気だとかいう不可思議な技があるようだ。

俺を倒せるような強者がいる可能がある。

「本音を言えば、行ってほしくありません。でもリキヤさんなら、Sランク冒険者になったり、武功を挙げて敘爵されたりするかもしれません。こんな辺鄙な村で収まる人じゃないですよね……」

フィーナが悲しそうな顔でそう言う。

「そんな顔をするな。俺の旅が落ち著いたら、きっと迎えにくるさ。それまで待っていてくれ」

最強を目指す旅も、いつかは終わりがくる。

ついちょっと前までは、加齢による衰えで引退も考えていたくらいだ。

この世界にきて何故かの調子がすこぶるいいので、引退は取り消したわけだが。

最強を目指す旅が終われば、後は余生を楽しむことになる。

フィーナといっしょに子どもを育てるのもいい。

たっぷり金を稼いでおいて、大きな家に済み、うまい酒と料理を堪能していこう。

「きっと迎えにきてくださいね。あんまり待たせちゃうようだと、他の人の子どもを生んでいるかもしれませんよ?」

「フィーナがんだことならそれでも構わない。そうでなければ、子どもごと引き取ってやる。俺は全てをれよう」

旅の途中で、俺が死んでしまう可能ももちろんある。

俺より強いやつにやられるのであれば、俺にとっては本だ。

しかし、そんな俺の帰りをいつまでも待ち続けることになるフィーナは不憫だ。

は彼で、幸せな人生を送っておいてほしい。

「ふふ。冗談ですよ。私はずっと待ってますから。それに……もうできているかもしれませんし」

「む? それもそうか。……いつかと言わず、一年以には一度顔を見せるようにしよう。子どもの顔も知らんまま放ったらかしにするのも悪い」

「ええ。よろしくお願いしますね。きっと元気な赤ちゃんを生みますから」

フィーナがそう言う。

赤ちゃんができているかはもちろんまだわからないが、できている可能も十分にある。

これからたくさん稼いで、一年以には一度帰ってこないとな。

「さて。旅立つとは言っても、まだし日にちはある。あの行商人一家や捕縛した盜賊、それに村長たちといっしょに街まで行く予定だからな。彼らと予定を合わせる必要がある。出発の日まで、毎晩可がってやるぞ」

「えへへ。むところです。最後に、一度くらいはリキヤさんに勝ってみせます!」

フィーナがそう意気込む。

俺は夜の戦いでは別に最強を目指しているわけではないが、それなりに場數は踏んできている。

そうやすやすと負けるわけにはいかない。

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