ゴブリン狩りを行っているところだ。

依頼にあった３匹の討伐は完了した。

ここらで切り上げてもいいが、せっかくなのでもっと狩っておこう。

追加の報酬が得られる。

だが、今までのように１匹１匹を探知して、こちらから出向くのはし効率が悪い。

ここはーー。

「ぬうううっ！　うおおおぉーーん！！！」

俺は大きな雄びを上げる。

つまるところ、大聲を出してただ獲をおびき寄せるだけの技だ。

地球にいた頃もたまに使用していた技だ。

鹿、狐、貍などの中小サイズのは、逆に逃げてしまう。

熊やライオンあたりは無反応なことが多い。

俺の雄びを聞いて寄ってくるようなは、人間を獲だと認識している好戦的なである。

この異世界で、寄ってくるとすればーー。

「ぎいいぃっ！」

そら來た。

ゴブリンだ。

こいつらは、なぜか積極的に人間を襲う質があるからな。

俺が大聲を出せば、寄ってくると思っていた。

「ほいっと」

俺は軽くゴブリンを蹴散らす。

ザコの獲がわざわざあちらから出向いてくれて、手間が省ける。

「「ぎいいいぃっ！」」

さらに、追加で２匹。

し離れたところからは、合計で１０匹以上の足音がする。

「ふん！　せえいっ！」

俺はとりあえず２匹を瞬殺する。

「これは、大きな功績を上げられそうだな。ザコとはいえ、連戦なら多は手応えがあるかもしれん。期待したいところだ」

俺はそうつぶやきながら、追加のゴブリンを待つ。

「「「ぎいいゃっ！！！」」」

３方向からの同時攻撃。

さしもの俺も、腕は２本しかない。

ここはあの技を使うか。

俺は片足を上げる。

「烈震腳！！！」

上げた足を下ろし、力強く地面を踏み抜く。

ズドオン！

大きな音とともに、地面がめり込んで砕け散る。

「「「ぎゃっ！？」」」

地面からの巖や砂をけて、ゴブリンの攻撃態勢が崩れた。

「指弾」

パチン！

俺は指パッチンの要領で、空気弾を飛ばす。

狙いは、勢を崩しているゴブリンどもだ。

「「「ぎいいゃあっ！！！」」」

やつらはそう斷末魔を殘して、息絶えた。

その後も、俺は迫りくるゴブリンたちをバッタバッタとなぎ倒していく。

３０匹を超えたところで、後続が途切れた。

「ふむ……。もう終わりか。まだまだき足りないのだが……」

せいぜい、朝の準備ぐらいのものである。

「ゴブリンたちは、同じところから來ていたな。あそこに巣でもあるのか？」

まだ暴れ足りないし、行ってみるのもありかもしれない。

……いや、今日のところはやめておくか。

害獣のゴブリンとはいえ、絶やしにしたら生態系に狂いが生じたりするかもしれない。

地球であちこち回ったときも、そのあたりには配慮して活してきた。

とりあえず今日のところは切り上げて、冒険者ギルドに報告してみよう。

問題ないようであれば、明日にでもゴブリンの巣に向かえばいいだろう。