《格闘チャンプの異世界無雙 〜地球最強の男、異世界で更なる高みを目指して無雙する〜》59話 路地裏の走奴隷

ゴブリンキングとゴブリンエンペラーを倒した翌日からも、俺はよく活した。

だが、やはりあの程度でも強い方ではあったようだ。

なかなかあれ以上の強敵とは出會えない。

俺はそんなことを考えながら、朝の支度を済ませていく。

「あへえ……。リキヤさん、相変わらず凄すぎですぅ……」

ベッドで橫になっているエミリーが、満足顔で痙攣している。

俺は彼と、定期的に夜を共にしている。

もちろん、近況も互いに報告している。

たち一家は、無事にこの街で定職に就いたそうだ。

もう俺がいなくてもやっていけるだろう。

そして、俺が先日得た大金の一部を援助金として渡してやった。

エミリーたちはしきりに遠慮していたが、半ば強引に押しつけた形になる。

「エミリー。しているぞ」

「あふぅ……。私もです、リキヤさん……」

エミリーがとろけるような表でそう言う。

「よし。そろそろ行くとするかな」

と朝からおっ始めるのも悪くはないが、あまり自墮落な生活を続けるわけにもいかない。

「はいぃ。行ってらっしゃいです~」

「ああ。行ってくる」

こうして、俺は宿を出た。

「さて。今日は何をするか」

冒険者ギルドに顔を出すのもいい。

しかし、ここ最近はめぼしい依頼がない。

俺が片っ端から注して達していったからな。

もうし機を待った方がいいかもしれない。

他の街に移るのもありだが、エミリーと離れるのはし後ろ髪が引かれる。

それに、孤児院のレオナの近況も気になるし、三馬鹿を鍛えてやる話を的に進めるのもありだ。

まだこの街を離れるには早いだろう。

「うーむ。何から手をつけたものか」

などと考えつつ、大通りを歩いていると……。

「聞き分けの悪い獣人がぁ! ぶち殺すぞ!!」

怒聲が聞こえてきた。

し離れた路地裏の方からだ。

別に無視してもいいのだが、何か刺激的な事件の匂いもじる。

俺は聲がした方に向かう。

ちょっとした障害があったが、難なく飛び越えて先へ進む。

すると、數人の男たちが一人のを取り囲んでいた。

「いやぁ……。だ、誰か助けてぇ!!」

がそうぶ。

背丈は俺の半分くらいだろうか。

の髪をしていて、頭に貓耳がついている。

貓獣人というやつか。

「へへへ。こんな路地裏に、誰も來ねえよ!」

「來たとしても、正當は俺たちにあるからなあ!」

「獣の奴隷なんざ、気にかける奴はいねえよ!」

男たちが口々にそう言う。

奴隷か。

……ん?

あのは、どこかで見覚えがあるな。

ええと。

俺がフィーナの村で捕らえた盜賊たちを奴隷商館に売り払いに行ったときか。

あのときも、何やら折檻をけて部屋から逃げようとしている様子だった。

獣人は、この街において相當に地位が低いらしい。

俺は最強を目指している。

俺にとって、この世界やこの國がどのような人権意識を持っていてどのような施策を敷いているかなど、どうでもいいことだ。

だがそれはそれとして、爭い事に首を突っ込むのはやぶさかではない。

ここはひとつ、この連中の実力を見てやるとするか。

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