《格闘チャンプの異世界無雙 〜地球最強の男、異世界で更なる高みを目指して無雙する〜》60話 男たちを一蹴

街の路地裏で、複數の男たちに囲まれているを見つけた。

は獣人で、奴隷らしい。

とりあえず俺は、奴らの前に歩いていく。

彼らが俺に気づく。

「……ん? なんだ、お前?」

「どこから來た?」

「ここは関係者以外立ち止だぜ」

男たちがそう言って、こちらに近づいてくる。

「ふむ」

俺はとりあえず、彼らを観察する。

いかにも小悪黨といったじの男どもだ。

こいつらがどんな悪事を働いているのかは知らんが、弱そうな連中であることは間違いない。

「おい! 聞いてるのか!?」

男の一人が、そう言って毆りかかってきた。

俺はそれを片手でけ止める。

「な……ッ」

男は驚いた顔をする。

俺はそのまま、男の拳を握った手に力を込めた。

メキィ、と嫌な音がして、男が悲鳴を上げる。

「あ、あああ……。て、手が……。俺の手がああっ!!」

「うるさい。靜かにしろ。軽く骨を折った程度だ」

俺は淡々と、冷靜な口調で言った。

全力を出せば再起不能なレベルで拳を潰すことも可能だが、さすがにそこまではしない。

もしかすると、このが極悪人でこの男たちが実は善人という可能も0ではないからな。

まあ、ほぼ0だろうが。

「ひぃ……」

男は戦意を喪失し、その場にへたり込む。

「てめえ、やりやがったな!!」

「くたばれ!!」

別の男がナイフを取り出し、俺に向かって突き出してくる。

「ふん」

俺はその手首を摑み、捻り上げる。

「いでででででででででででで!!!」

「安心していいぞ。死なないように加減はしてやる」

俺はそう言いながら、さらに力を込める。

「ぎゃああああああああああぁっ!!」

男は絶し、気絶した。

さて。

これで殘り二人か。

「て、てめえ……」

「くそっ!」

殘った二人は、じりっと後ずさりする。

「ふむ」

俺はそこで、一旦戦闘態勢を解除する。

「一応、事を聞いておこうか。いたいけなを痛めつけていた事をな」

別に、俺はげられている奴隷がかわいそうだから助けたわけではない。

強さの探求のためだ。

こんなふうに力でい子どもを押さえつけていては、芽吹く才能も芽吹かない。

栄養もずいぶん足りていない様子だしな。

それに、このは貓の獣人だ。

人間にはない能力や特殊な能力を持っている可能もある。

おいそれと見過ごすわけにはいかない。

「ああ? 事だと? そんなの、そいつが俺たちの雇い主の奴隷だからだよ!」

「奴隷の分際で逃げようとしやがったからな! きちんと躾けて連れ戻そうとしただけだ!!」

男たちが口々に言う。

「なるほど」

こいつらが小悪黨なのはほぼ間違いないだろうが、この國この街における最低限の正當は持ち合わせているようだ。

「ちょっと眠ってろ。【指弾】」

俺は指パッチンの要領で、空気の塊を男たちに飛ばす。

「「ぐぼおっ!?」」

男たちはそんな悲鳴を上げて、倒れた。

もちろん手加減はしている。

そのうち起き上がってくるだろう。

それまでに、済ませておきたいことがある。

俺はに向き直る。

の意思を確認しておくことにしよう。

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