《格闘チャンプの異世界無雙 〜地球最強の男、異世界で更なる高みを目指して無雙する〜》74話 フィーナの現況
リキヤがネネコや赤い三連星と鍛錬に勵んでいる頃……。
フィーナの家では、家族會議が開かれていた。
彼のことを覚えているだろうか?
リキヤがこの世界に來て初めて出會ったである。
彼は彼に案された村でしばらく過ごし、イノシシ狩り、畑仕事、盜賊退治などで村に貢獻した。
リキヤとフィーナは深い仲になったが、最強を目指すリキヤは新たな刺激を求めて村を発ったというわけだ。
「まさか、こんなことになるとはな……」
「ごめんなさい……」
父親ダインの言葉をけ、フィーナがうつむきがちにそう謝る。
「別にフィーナを責めているわけじゃないのよ? でも、こういうのはきちんと考えておかないと……」
母親がそう言う。
「うん。わかってる」
「そうだな。……それで、どうするつもりなんだ?」
ダインが尋ねる。
「もちろん産むよ。リキヤさんの子なら、きっと強い子が生まれるはずだし」
「そうか。孕ませるだけ孕ませて放置するとは、リキヤ君には一言言ってやらないとな」
「まったくねえ。でも、リキヤさんのおかげで私の病気も治ったわけだし。難しいところね」
ダインとその妻が、今後について話し合う。
「お父さんもお母さんも、余計なことは言わないでね……。リキヤさん、いつか私のことを迎えに來てくれるって約束してくれたんだから。それまで待ってるの」
「そんな約束を真にけて……」
「リキヤさんは誠実な人だもん! リキヤさんのことを悪く言わないで!」
フィーナがそうぶ。
彼はリキヤに心底惚れていた。
本當は村を飛び出て付いていきたかったが、最強を目指す彼の邪魔になってはいけないと思って我慢したほどである。
「ふっ。わかった。だが、もしもの時は彼がいないまま子どもを育てることになるぞ。もちろん俺たちも力になる」
「私にも頼ってね。これでも、あなたを育てた経験があるんだから」
「ありがとう……。お父さん、お母さん」
両親が自分を応援してくれることに、フィーナは深く謝したのだった。
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