《格闘チャンプの異世界無雙 〜地球最強の男、異世界で更なる高みを目指して無雙する〜》80話 迫真の演技

天井裏の覗き人と目が合ったところ、相手が取りしてしまった。

(ひ、ひいぃ……)

(落ち著けって。それで、どうする? もう実行してしまうか?)

(バカかっ! あんな化けと戦えるハズがない。この距離で天井裏に隠れている俺を見つけちまうような奴だぞ!)

そんな聲が聞こえてくる。

俺としては、お仲間でも呼んで襲ってきてくれた方が刺激的で楽しいんだけどな。

ただ視線が合っただけなのに、ずいぶんと萎させてしまっている。

(だから、それは気のせいだって)

(それだけじゃねぇ! 痺れ薬だって効いていないじゃねぇか! 魔法か魔道か……。相當ヤバイもんを使ってやがるぜアレは……!)

なるほど。

奴らが茶に盛った毒を無効化してしまったのも一因になっているらしい。

ちなみにだが、俺はもちろん魔法や魔道なんて使ってはいない。

最強を目指す上で取りれてもいいのだが、どちらかと言えば自らので戦う方が好きだからだ。

それにそもそも、そういったものに関わる機會がないという事もある。

俺が毒を無効化したのは、単純にの強さだ。

鍛え抜かれた俺の強靭なは、そんじょそこらの毒でどうにか出來るものではない。

飲んだときに違和はあったが、ただそれだけのことだ。

(俺は抜けさせてもらう! どこか遠くの國に……)

(おい、待てってば!)

1人が去ろうとして、もう1人が引き止めている様子だ。

面倒事を避けるという意味では、このまま放置してもいい。

だが、それではしつまらない。

ここは――

「イテテ! 何だかが痺れてきたぞぉ!!!」

俺はそう言いながらソファに倒れ込む。

我ながら、迫真の演技である。

((…………))

天井裏の2人も、俺の演技に目を引かれているようだ。

俺はそのまま、さらに大聲で喚く。

「ああ、これはマズいなぁ! 俺はこんなところで死んでしまうのかぁ!!!」

俺が演技を続ける。

(ほら見ろ、痺れ毒は効いているじゃないか)

(本當にそう思うか? 何だかわざとらしいような……)

(分かった分かった。なら、念のためもうし様子を見ようぜ。増援も呼んでおく。それでいいだろ?)

(あ、ああ……。それなら……)

よしよし。

どうにか話がまとまりそうだ。

ここらで仕上げの演技をしておこう。

「ぬおおぉっ! が痺れるぞぉ!! ここで寢て回復するしかない!!!」

俺はそうぶと、ソファの上で目を閉じた。

((…………))

天井裏から何とも言えないような雰囲気をじたが、きっと気のせいだろう。

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