広い広い宇宙

星々が瞬くその景を

私は眺めている

ずっとずっと

目の前を大きな影がよぎる

その姿はまるで流星のよう

星々の間をうように

駆け抜けていく

その影は

こちらに気づき近づいてくる

そして手をばし

私を手招く

ばされた手を

私は摑み…

鳥のさえずりが聞こえる、昨日の快晴が噓かの様に空は暗雲に包まれている。イゼは眠い目をこすりゆっくりと起き上がり、くなったをぽきぽきと音を鳴らしながらほぐす。

この地域は天候が悪いもののその分雨水などは潤沢にあるので、それらを使ってを清めていく。雨水を使ったシャワーを浴びている際目を閉じるのだがその時に思い出すのが昨日見た夢である、と言っても詳しくは思い出せないのだが。とてもワクワクするような夢を見ていたはずなのではあるが…やはり思い出せない。

シャワーを浴び終わった後著替えを済ませ盆の上に置かれていた朝食である固形食糧と水で胃袋を満たす。ひょう爺はすでにどこかへ出かけているのか姿はない、その後は支度を済ませ希金屬くずを探しに出かける。

ここのスラム街では大都市から捨てられた金屬くずを回収し、その中にある希金屬くずを食料やその他生活用品と換してもらうことが出來る。今日も金屬くずを漁りながらまた一日を過ごす、そう思っていたのだけど。

異変に気が付いたのはもう日が暮れようとしていた時だった、スラム街のある方角からもうもうと煙が立ち上っているのが確認できた。

「…？」

イゼは何事かと駆け足でスラム街の方へと移する。スラム街に到著して目の前に飛び込んできたのは

ごうごうと燃え盛る家々と逃げう人々の姿で會った。

「なっ！？」

イゼは荷を放り出してひょう爺を探し始める、燃え盛る家々の間を潛り抜けながら。

「ひょう爺！どこ！？ひょう爺！」

しかし返事はない、奧へ奧へと進む。幸いイゼたちの住んでいた場所のある方は火の手がまだ迫ってないらしく難なく進むことが出來た。家までたどり著き中にると倒れているひょう爺と謎の裝甲服を著た人間が二人、見ればわかる。目の前に立っている二人の人間は、敵だ。

裝甲服を著ている人間は突然ってきたイゼに驚いているのか直している。

「ぅらあああぁぁぁッ！」

考えるよりが先にいていた。裝甲服を著ている一人に向かってタックルをかます、いくら裝甲服を著こんでおり子供にタックルされたとはいえ突然そんなことをされてはバランスを崩してしまう。イゼの目論見通り裝甲服を著た人間はもう一人の人間を巻き込んで倒れてしまう。

「うおっ！？」

「なっ！？お前どけっ！」

二人が倒れてもたもたしている間にイゼはひょう爺に肩を貸しすぐに奧の部屋へとり、口を家代わりにしていたガラクタで防ぐ。そしてすぐにひょう爺の側へと近寄る。

「ひょう爺！大丈夫なの！？」

「ッ…大丈夫だ。ただのかすり傷だ」

そうは言うもののひょう爺のわき腹からはが滲んできている、明らかにかすり傷なんて言えるものでは無い。そんなこともお構いなしにひょう爺は立ち上がりイゼに向かって手招きをする。

「…イゼ、ついてこい。お前に譲りたいものがある」

「…え？でもそこはっちゃいけないって」

「いいからこい…今はそんな場合じゃないんだ」

背後からドンドンドンと扉を叩く音が徐々に大きくなっていく、しまいには何かいもの同士がぶつかる音がしており扉のきしむ音が徐々に大きくなっていく。

ひょう爺は普段イゼにはらないように言いつけていた扉の先へゆっくりとっていく、イゼは困しながらもひょう爺の後に続きその扉の先へと消えていった。