《遙か夢こうのデウス・エクス・マキナ》
長い長い螺旋階段を下りていく、吊り下げられた小さな電球の明かりを頼りに。不安げなイゼを目にひょう爺は痛む脇腹を押さえながら、壁に手を付き急いで下りていく。
イゼはちらちらと後方を確認しており今の所先ほどの二人が追ってくる気配はない。そのことに安堵しつつも一ここがどこに繋がっているのか、どこまで下りていかなければならないのかといった不安に襲われる。
「心配するな…もうすぐ著く」
そうひょう爺が言ってくるのでその言葉を信じて階段を下りて行った。
「クソ!」
裝甲服を著た人間の一人が扉を破壊して部屋の中にる。だがすでにその部屋はがらんとしており人の気配はない、男は一人のいいようにされたことに腹を立てそこら辺にある家の様なものを破壊しまわっていた。
「おい、いい加減やめろ!上の奴らに知られたら面倒なことになるぞ…その前に先にとっ捕まえるぞ」
「あぁ、分かってるっての…ッ」
部屋の中をぐるっと見回す、目に止まったのは重そうな鉄の扉と窓らしき場所から下の階まで垂れている布の二つだ。
「火の手も迫っている、俺は下の階を探すからお前はそっちの扉を頼む。…くれぐれも殺すんじゃねぇぞ」
「チッ…分かってらぁ」
こうして裝甲服を著た人間は學銃を構えながらそれぞれ別行を開始した。
「著いたぞ、待ってろ今開けるからな」
いったいどれほどの階段を下りたのだろうか、長い時間をかけてたどり著いた場所にはこのスラム街には全く持って似つかわしくない大都市にあるようなパスワードロック式の開閉扉であった。
ひょう爺がパスワードを打ち込むとするりと扉は開き軽くプシュと音を立てる、ひょう爺の背中で見えないが中には複數の源があるのかひょう爺からびる影が複數できている。
ひょう爺が中にっていくのでそれに続いてイゼも中にって行った。次の瞬間目の前に飛び込んできたのは巨大な縦長の空間に淡く青白いをした巨大な片腕の無いロボットが鎮座していた。
「驚いたか…お前に話していた昔話があるだろう。そのお話に出てくる機兵だ、名前を」
「デウス・エクス・マキナ…」
そうイゼが呟く、ひょう爺の目が見開かれ驚愕の表となる。
「お前…何故その名を知っている?…昔話で名前を出した覚えはないぞ」
「えっと、あそこに名前が彫ってあったから」
そう指さした先には機兵の腕の部分、そこに小さくだが確かに文字が彫ってあった。
「あ、あぁ…なんだ、そうか。いや、あんな所に文字など彫ったか…?」
「それに夢で同じようなロボットを見たの…なんでなんだろう」
「夢で見た…だと?そんな…いや、だが…正解か…?」
そうぶつぶつとひょう爺が呟いているとガツンガツンと先ほどってきた扉から音がする。閉じられているものの何度も何度も質なものがぶつかり合う音が聞こえてくる。
「くっ…もう來たのか。イゼ今から俺の言うことをよく聞け」
「う、うん」
「お前にあれを託す、今からあれに乗って逃げろ。いいな俺のことは気にするなお前ももう一人立ちの時期だと思え」
「な、なんで!一緒に逃げようよ!」
イゼが必死に訴えかけるもひょう爺はそれをよしとはしない。
「ダメだ、それにあれは一人乗りだ。俺まで乗ることはできん、さっさと行け!」
「やだ!ひょう爺が一緒じゃないとやだ!」
ひょう爺が説得する背後で扉を熱線銃で切り始める音がする、もう時間が無いと悟ったひょう爺はイゼにとあることを告げるのだった。
「分かった、今からお前は勘當ださっさとあれに乗って出ていけ!お前と俺はもう赤の他人だ、さっさと行け!」
イゼの目からじわじわと涙が溢れ出る。
「ッ…!?…ひょう爺の馬鹿ー!大ッ嫌い!!」
そう言ってイゼは涙を散らしながらマキナの方へと走っていった。
「これでいい…これでいいんだ。はぁ…後は目の前の事をどう乗り切るかだな」
そうひょう爺はもうすぐ切り落とされる扉に向き直り、イゼを守るために立ちはだかるのであった。
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