大渓谷の間をゆっくりと移する影が一つ、マキナである。現在は工業都市ルピスを目指して移中である、マキナの中では固形食糧を口にしながら縦するイゼの姿があった。

「はらはらはひははぁまだまだ先かなぁ？んぐ…、そろそろ見えてきてもいいんだけど」

あの戦闘からはや數日、同じような風景を見て移するだけでは飽きてしまっていた。今のイゼにとっては平穏よりも何かが起こってしいらしい。今まで住んでいたスラム街を無理やり飛び出す形となってしまい、外の世界の報をほとんど知らないイゼにとって目新しいものが飛び込んでくるのは楽しいだろう。だからこそ同じような風景が続くと飽きが早く來てしまう。

今の所通ってきたルートが悪いのか、誰ともすれちがうこともなく移し続けている。こうも人がいないと寂しいなと思っていると、前方にいくつもの煙が立ち上っているのが見えた。瞬間イゼの顔が明るくなる。

「見えた！」

マキナの移速度が上がる。街の外壁も見えてきた、これから目新しいものが次から次へと現れるだろう。イゼのの高鳴りは今や最高へと達していた。街へるためのゲートらしきものも見え様々な車や機が出りするのが見える、そこにできている列に並ぶべくイゼはマキナをかしたのであった。

「なんでえええええええええ！？」

「うるさいぞ」

場所は変わって工業都市ルピス第八地區仮牢獄・・、そこにイゼは囚われていた。

「なんでも何もお前には竊盜容疑がかかっていると説明しただろう。結果が出るまでそこで大人しく待っておけ」

そう現在イゼには竊盜容疑がかかっているのである。勿論イゼは竊盜した覚えなどないのだが…。

「竊盜してないもん！こっから出してよ！」

「馬鹿言え！所屬不明機に乗っていた上に大量の電子マネー、その上大都市オリゴ近郊のスラム街出だと？逆に怪しまない方がおかしいと思うんだが、違うか？」

「違う！」

「はぁ…そうか、まぁ大人しくしてろ、査の結果分かる事だしな」

こうして看守は去っていった。その場にイゼはペタンと座り込み手足をジタバタさせながら不貞腐れる。

「うがー！何なんだよもう！」

工業都市ルピスにろうと思ったらこうだ、大マキナはあの時ひょう爺が乗ってけって言われて乗ったものだし大量の電子マネーに関してはマキナの縦席にあったバッグの電子財布にっていたものだ。別に竊盜しているわけでは無い…はず、そう結論付けると床にを投げ出す。そして改めて自分の服裝を見直す、下著にぼろぼろのワンピース1枚だけ。

「私の服裝ダメだったのかなぁ？」

もしここから出ることが出來たのなら服裝からどうにかしよう、そしてマキナの新しい腕を探そう。そう決意するイゼであった。

「なにこれ…」

一人のがゴーグルをぐいっと上げる。その目は信じられないようなものを見る目をしていた。目線の先には第八ゲートで捕縛された機兵、そう、マキナがそこにあった。第八ゲートで捕縛された後、第八地區メイン工房へと一時的に搬送されたマキナ、ここで検査をける予定となっているのだが。

「所長、どうされました？」

「い、いや…何でもない」

所長と呼ばれたが返事をする。彼は再びゴーグルを被りなおしマキナに向かって歩き始めたのであった。