「～♪」

ご機嫌な様子で街中を歩くが一人、イゼである。両手には紙袋にの串焼きを持っており観を十二分に楽しんでいる様子だ。スラム街にいた時と比べるとその服裝は雲泥の差である、なりがしっかりしたこともありよりそのしい容姿に拍車がかかっている。

串焼きは加工ではあったが生まれて初めて食べるのうまさにし、その様子を見た串屋のおばあさんからオマケで1本サービスしてもらうなどしてもらい、ルピスの街中を存分に楽しんでいた。

ただ1つだけ問題がある、今の時間帯は夕暮れ時。工房がいつまで開いているか分からない中悠長に街中を観していたイゼ、スラム街にいた頃から時間にルーズだったためこのような時間になってしまっている。しかしそんなことを気にする様子もなく軽い足取りで工房へと向かうイゼであった。

「………こちらにどうぞ」

「は、はい…」

工房について付に聞くとやっと來たかといった呆れ顔をされた。それもそうだろう、牢獄を出たのか朝方であり今日中にそちらに伺うという旨の連絡が言ったにも関わらずやっと來たと思ったら時刻は夕時、呆れられない方がおかしい。

通された先は巨大な機兵の格納庫であった。非常に巨大な円狀の施設になっておりいくつもの機兵が鎮座している。目を凝らすと奧の方にマキナがいるのが確認できた。工房を珍しくキョロキョロ見回しているとマキナが置いてある方から歩いてくる人がいた。

「やぁ初めまして、君があの機の所有者かな？僕はここの所長をしている楓だ今からよろしく頼むね」

「あ、どうも、イゼです」

そう言いつつ楓が手を差し出してくる、それに対しイゼはおずおずと手をばしその手を握る。楓の容姿をまじまじと見てみるイゼ。茶髪にボブヘア、頭部にゴーグルを裝著しており引き締まった腕やお腹の見える服裝、腰には工らしきものがいくつかぶら下がっている。年は同じくらいだろうか？それぐらいに見える。

「あのですね…前にも説明した通りその方が本當に所有者かどうか分かってないんですよ？」

「あれ？そうだっけ、たはは…ま、よろしく頼むよ！」

そう付の人とやり取りする楓は軽く笑いながらも歩を進め始めたのでイゼは遅れないようについていく。工房は広くマキナの所までたどり著くのに時間がかかる、その間に鎮座している機兵に目を奪われながらも歩くこと數分。ついに數日ぶりにマキナの元に辿り著く、すると楓がこちらに振り向き腰に手を當てる。

「えーとイゼちゃんだっけ、ちょっと腕広げてそこに立ってもらえる？」

「？………ふにゃっ！？」

楓は何と急にイゼの中をり、み始めたのだ。

「よしっ」

「よしじゃないよっ！何なの急に！？」

イゼは手でを守るように覆う、因みに付の人は止めることなく素知らぬ顔をしていた。

「あぁごめんごめん言ってなかったっけ、をサイボーグ化させて無いかチェックしてたんだよ、見ただけじゃ分からないこと多いし。たまに機兵乗る人以外でもいるけどいるんだよね、改造してる人」

「だからって説明なしにるのは無し！しかもむなんて！」

「ごめんって～」

ヘラヘラと笑う楓にムッとしながら服裝を元に戻すイゼ。

「では！早速調査を始めようか！」

こうしてマキナに向き直る楓の後ろをおずおずとついていくイゼであった。