《遙か夢こうのデウス・エクス・マキナ》第五章 第四話 賭博都市グロコム
公道を靜かに移する超大型反重力車が一臺、その縦席には二人のが座っていた。イゼと楓である。現在はグロコムに向けて移中である。
「~♪」
「上機嫌だね…そんなに楽しみ?」
「うん!マキナと一緒にいっぱいけるんだもん、もちろん楽しみだよ!」
楓はよく思うのだがイゼはまだまださが殘っており時々危なっかしい場面が見える。今回のトーナメントエントリーもイゼ自で作を行ったとはいえ一部理解してないところがあったらしく、分らないことがあれば次から自分にも一言言うように言っておいた。今のイゼはまだまだ誰かのサポートがなければいけないと思う。そう考えていた楓は再び進行方向へと顔を向き直す。
「さすがに今回の道中で賊に出會うことはないだろうけど念のためいつでも出る準備だけはしておいてね」
「はーい」
と言ってもここまで整備された道路で賊が出現するなんてほとんどないのだが、それでも奴らはどこにでも出現するので警戒しないことに越したことはない。そんな楓の考えも杞憂であったか、無事にグロコムの外壁が見えるところまでやってきた。
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「あれがグロコム?でかいねぇ…ん?あ…」
その言葉の通り今まで回ってきた都市と比べてグロコムは一回り大きい外壁を誇っていた、だがその外壁の周りにはたくさんのスラム街が見けられた。
「やっぱり気になっちゃう?」
「…うん、し前までは似たような場所にいたし…」
「そっか、イゼは優しいね」
楓がし暗い顔で微笑む。
「そう…なのかな、何もしてあげられないし…」
「気にかけられるだけでもいいことだよ、私なんて都市にいた時には気にかけることはなかったんだから…因みにここのスラム街には賭博で大失敗した人たちが流れてできたらしいよ」
「………」
楓が自の両の頬をパシンと叩く。
「さっ、るよ!」
そう言い車を前進させるのであった。
「うわぁ」
真晝間なのにもかかわらずギラギラと電掲示板やネオンがを発しており、そのまぶしさに目が眩みそうになる。賭博都市と言われる所以かあちこちに賭博場を表す看板が設置されている。
「ねぇ楓!私賭博場行ってみたい!」
イゼが電掲示板などに負けないぐらいに目を輝かせながら言ってくる。
「ダーメ!イゼちゃんそもそもルールも知らないでしょ!それに今回本當は荷下ろし作業をしたらすぐ出る予定だったんだからね!」
「えー…」
不服そうにしながらも聞き分け良く引き下がるイゼ、今回長居する理由が自分にあるとわかっているのですぐに大人しくしている。
「それに積み荷を降ろしたらすぐに闘技場に行くからね、どんなじか見ておきたいでしょ?」
「うん!」
そう言って楓は車を進ませる。行き先はグロコム史上最大規模を誇るデパートである、駐車場の超大型トラックと同じところに車を著け搬出作業を開始する。品類にも特に問題はなくチェックも一通り済んだところで向こうから迫ってくる人が見えた。
「うげっ!」
「…?」
楓が嫌そうな聲を上げると同時にその人は大聲を上げ両手を広げる。
「楓さぁぁぁあああん!來るなら來るって聲かけてくれたらいいじゃないですかあ!」
「それ以上近づくなぁ!」
迫ってきた人に楓は渾のグーパンを喰らわせ吹っ飛ばし距離を取る、起き上がった人は周りの目を気にする様子もなくパンパンと埃を払い何事もなかったかのように再び両手を広げ近寄ってくる。
「ひどいじゃないですかいきなり毆るだなんて」
「そのスキンシップでしてくる抱き著き癖は未だに治ってないようね…で、何の用なの純平じゅんぺい?」
純平と呼ばれた人は殘念そうに手を降ろす、純平と呼ばれた人の風貌は細であり顔は良いほうで楓とはあまり年が離れていないように見える男である。スーツ姿をしておりぱっと見はしっかりしているように見える、が先ほどの言から多おかしいのだろうということが想像できる。
「いやぁ、楓さんが來てるっていうから會いに來たんですよ。馴染なら當然です」
「…なにそれ」
楓がジトっとした目で純平を見る、その目に臆することなく振る舞っているので鋼鉄のハートなのだろう。そう考えていると純平がこちらに気づく。
「楓さんそこのの子は?」
「はぁ、あんたねぇ…紹介するわ。この子はイゼちゃん、私と一緒に旅をしているのよ。イゼちゃんこいつは純平、私の馴染でありアホよ」
「アホとは失禮な!まぁいい、初めましてイゼさん。純平と申します、よろしくお願いします」
そう言いながらイゼに手を広げ近づいてくる。
「このアホぅ!スキンシップが過ぎるわ!」
楓が間にり込み再び純平を毆り飛ばす、おなかを抑えよろける純平をよそに楓が振り向きイゼを心配する。
「イゼちゃん大丈夫、怖くなかった?あいつはこっちの生活で慣れすぎてああなってるのよ…まったく相手を選びなさいよ」
「す、すまないね…それにしても楓さんとイゼちゃんは何故ここに?」
そう純平が聞いてくる。それに対して楓が積み荷の件と今回イゼがコロシアムでのトーナメントに參加する経緯を説明した、それを頷きながら聞いていた純平は急にイゼのほうを向き近づいてくる。
「え…な、何…?」
「ふむ、ふむ…いいだろう私が相手になってやろうではないか!」
突然そんなことを言い出す純平、それに対して楓が首っこを引っ張り問いただす。
「はぁ?何言ってるのよあんた」
「それはだな、私もその大會にエントリーしているうえ大會優勝5連勝中なのだよ!今回もシード枠でっているからな、決勝で待っているぞ!」
「え?…えええぇぇぇ!?」
イゼの驚く聲が搬出作業場に響くこととなった。
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