《遙か夢こうのデウス・エクス・マキナ》第六章 第四話 騎士殺しと蒼星

「せいっ!」

マキナの渾の蹴りが繰り出される、その蹴りはスラスターの推進力により鋭いものとなる。対してナイツキラーも同じく蹴りでその攻撃をける、だが膂力はマキナのほうが上。もちろんそんなことは分かっているノックズは膝を軽く曲げ回転しながら蹴りをけることにより衝撃を吸収、け流すことによりマキナの機を引き寄せる形でけることとなる。

「隙あり、その首もらうぞ!」

すかさずナイツキラーは片手で大鎌を振りマキナの首を取ろうとする、その攻撃はすぐさましゃがむことにより回避。そのまましゃがんだ勢からアッパー攻撃を繰り出す、この攻撃は見事クリティカルヒット。ナイツキラーをよろけさせることに功する。

すぐさま勢を立て直し接近してくるナイツキラー、大鎌をぐるんぐるんと回しながら近づいてくる。急いで距離を取りショックガンに取り換え迎撃する、しかし回転する大鎌に阻まれエネルギー弾は敵機に屆かない。

「無駄だ!儂とこいつは止めれんぞ!」

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そうこうしているうちにすぐに距離を詰めてくるナイツキラー、かまわずショックガンをレーザービームモードに切り替え応戦するマキナ。回転していたナイツキラーの腕にヒットし手甲を弾き飛ばすもそれだけでは止まることはない、大鎌の間合いにとうとうってしまい離しようとする。

だが大鎌は回転を止めず角度を変えもう片方の腕を切り落とさんと迫る。避けられない、そう確信した次の瞬間。大鎌の刃が裝甲の隙間の肩関節を狙い切斷…しきれなかった、何故か肩関節を淺く切りつけただけで切斷までに至らなかったのだ。いわけではない、いや厳にはいのだがさの種類が違う。切りつけた瞬間伝わってきた振はぶつぶつしたものだった、まるで太い縄を切りつけているような覚である。

「何故だ!?何故切れん!」

「今だ!もらいっ!」

その隙をついて肩関節に刺さった大鎌を気にせずに短剣をナイツキラーの首元に刺し込もうとする。勿論ナイツキラーもそれを察してか大鎌を手放しその場から離しようとする、しかし足元にマキナの千切れ飛んだ腕がありナイツキラーは勢を崩す。その隙をつきマキナは短剣を刺し込みナイツキラーがかなくなり歓聲が沸き起こると同時に勝負がついたのであった。

試合終了後、控室にて。

「儂の負けだ…能力も、運も味方したお前さんの勝ちだ。舐めておったわい」

「こちらこそ激しい戦いができて良かったよ!」

「…お前さん儂と同じで戦闘狂じゃろ」

「えぇーそんなことないと思うけどなぁ」

そんな會話をしながらノックズとイゼは握手をわしていた。どうやらお互い気が合うようでいろいろと話をしているようだ、そんな様子を眺めていた楓は次の試合が始まったのを確認する。勿論次の試合に出ているのは純平だった、相手はグラディエーターの改造機で搭乗者は別國の軍隊長らしい。

試合が始まると純平は俊敏なきで敵機に近づき鋭い爪を使い相手の裝甲をはぎ取らんとしており、それに対して堅実なきで対応する軍隊長機。スピードは純平のほうが上でありその俊敏さに軍隊長機は堅実に対応しながらも翻弄されているのがわかる。そんな様子を見ているとノックズがこちらに近づいてきた。

「お前さんがあの子のメカニックか?」

「えぇ、そうですけど…」

ずいっと顔を近づけてくる、々怖い。

「あの機どうなっておる、最新鋭の機なのか?どういう機構を利用しとるんんだ?」

「えぇっと…」

そうマキナのことを問われ言っていいものか悩んでいるとイゼがやってきてマキナのことを説明し始めた、イゼが理解している範囲ではあるのだが。とりあえず舊世代級の機ということは説明しないでおこう、そう考える楓なのであった。

控室でノックズに対してマキナの説明がやっと終わり一息をつく楓、試合は説明しているうちに終わったらしくちょうど退場していく後姿が見えた。決勝は明後日、それまでにあの機に勝つための修理、メンテナンスを楓は行わなければならない。そんな考えをしているところにイゼがやってくる。

「楓、帰ろ!そして勝つぞ!」

「うん、そうね。考えるのは帰ってからにしよっか」

そう言って二人は控室を後にするのであった。

次の日、マキナの修理を行っているイゼと楓のところに純平がやってきた。

「やぁ、先日ぶりだね」

「こんにちは~」

「…何しに來たの?敵視察?中にらせるつもりはないけど」

のんきにあいさつをわすイゼに対し怪訝そうな顔をする楓。純平はいやいやと手を振りそうではないとの意を示す。

「これ、うちの商品。け取ってもらえるかい?あと、試合見たよ、いやぁ激闘だったねぇすごかったよ」

そう言って菓子折りを渡してくる純平どうやら何かしら怪しいものがっているわけではないようなのでもらっておくことにした。イゼは嬉しそうに中を確認している。

「えへへ…ありがと」

「で、結局何の用?一応私達忙しいんだけど」

ジト目で楓が純平に話しかける。相変わらず純平に対しては対応が冷たい楓である。

「そうそう、楓に用があったんだ…えぇとここだと言いにくいな…」

「…いいからここで言って、何?」

純平が意を決したような顔で楓のほうを向く、その目はまっすぐであり信念を持っている様だった。純平はその場に跪き始めこう言うのであった。

「楓…今度僕が優勝したら僕と、結婚してくれないか」

「…は?」「…へ?」

直する二人をよそに指ケースを開け跪く純平の姿がそこにあった。

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