《獻遊戯 ~エリートな彼とTLちっくな人ごっこ~》「俺としてみる?」3
消すことを諦めて隠そうとした穂高さんだが、私は視力は両目ともいいためばっちり見えてしまった。
なじみ……ドキドキH……。
AVのタイトルかと思ったけど、コミックというキーワードから漫畫作品だとわかる。
「……見た?」
「うん……見えちゃったかも」
狀況が呑み込めなくても見えたことには間違いないため、うなずくしかできない。
すると彼は突っ伏し、大きめの腕時計がテーブルに當たってカチャッと音を立てる。
「あー……。引いたよね」
やっぱりエッチなものだったんだ。
でも、見せないだけで男の人なら誰しもそういうものがスマホの中にっているのではないかと思うし、幸いタイトルもそんなにエグいものではなかった気がする。
「大丈夫だよ。男の人なら誰でもそうなんでしょう?」
「誰でも?  なにが?」
「え?  だから、エッチなの見ちゃうの」
そう答えた瞬間、彼は男らしく整った眉をさらに寄せた。
調子に乗って出すぎたことを言ってしまったかと思う間もなく、穂高さんはこちらへ前のめりになる。
酔っているのか恥に耐えているのか、尋常ではなく顔が赤い。
「違う!  エッチじゃない!」
彼のむきになっても綺麗な顔を前に、さすがにその言い訳は厳しいんじゃないかな……と困が隠せなかった。
本當に引いたりしていないから、否定することないのに。
どうしたら気にしていないことが伝わるかな。
こうなったらこの話はもう流してしまおうと思い、笑顔を作りながら「なにか頼む?」と彼に店のタブレットを差し出してみる。
彼はすごい早さでタップして生ビールを追加注文すると、さっさとタブレットを戻した。
持っていたグラスのビールを一気に飲み干した後で、「勘違いしないでもらいたいんだけどさ」と話を続ける。
「『ピュア♡ラブ』はただのエッチな作品じゃない」
……?
「日野さんはTLコミックは読まないのか?」
TLコミックと言えば。
エッチシーンありの向けの作品のコミックを指したジャンルのことだ。
職場でたまに話題に上がっていることはあるけど、私はあまり読んだことはない。
「読んだことない」
というより、エッチシーンのあるものは読む気がなく、わざと避けていると言っていい。
だって、エッチには、いい思い出がなにもないのだ。
きっと私は向いていないのだと思う。
男とああいうことをするのは、私にとって苦痛でしかない。
〝なんでも言うことを聞いてしまう〟という格の私には、本當に、向いていなかった。
過去のことを思い出しただけで、今でも心とが拒絶する。
「聞いてる?  日野さん」
「えっ……」
いけない、意識がどこかへいっていた。
ひとりで暗い気持ちになっていたが、穂高さんの聲で現実に戻される。
彼の話はいつの間にか作品を見せてくれるという方向へ進んでいたようで、私の目の前には電子書籍アプリの漫畫が表示されていた。
「ちゃんと見て。ただのエッチじゃない、これは純だ」
穂高さんは、たぶん酔っている。
予想外のことに焦って照れ隠しからお酒のペースを早めていたせいだ。
あと、私にスマホを見られて自棄になっているのだろう。
先ほどまで恥ずかしくて消えてしまいたかったのかもしれないが、今は開き直っているようにしか思えない。
「う、うん」
しかたなく畫面と向き合った。
そして私もこんなにしっかりエッチな話をされるのは恥ずかしいため、グラスを空にしてお酒を追加する。
お酒に弱いし普段は多くは飲まないけど、この狀況は素面では正直耐えられない。
「ちゃんと読んで」
ビールを飲みながら第一話を押し付けてくる穂高さんに従い、畫面に目を落とす。
エッチな作品は苦手なんだし、どんどんスクロールして読んでいるふりでやり過ごそう。
タイトルにエッチとっているのにエッチじゃないわけがないもの。
『誰でもいいなら、俺と試してみればいい。絶対に傷つけたりしないから』
しかし、冒頭すぐの扇的な表、甘くてまっすぐな言葉に、ヒロインと同じく私もきゅんとをぬかれた。
ドキドキしながらゆっくりとスクロールしていく。
もしも変わってしまうなら
第二の詩集です。
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