《獻遊戯 ~エリートな彼とTLちっくな人ごっこ~》「俺としてみる?」6
一瞬なにが起こったのかわからなかった。
聲の後すぐに肩を引き寄せられ、気づけば私のは穂高さんの腕の中にすっぽりと収まっていた。
視界は綺麗に整ったワイシャツの襟と、そこから覗く男らしい首筋や仏だけになる。
強引に引き寄せられたせいで彼にもたれかかる形で、腳も絡まる。
頭を抱き寄せられると、彼の上品な香りや息づかいを間近にじた。
「下手くそは黙ってろよ」
彼は淳司に向かって、そう吐き捨てた。
穂高さんから発せられたとは思えないその言葉は、隙間なくくっついている私のの芯まで響いてきた。
いきなり口調が変わった穂高さんに、淳司の表からも笑みが消える。
「なんだと……?」
「俺は莉に痛くしたことなんてないし、泣かせたこともない」
肩に置かれていた穂高さんの手が、今度は私の頬をでる。
これって、もしかして人のふりをしてくれてる……?
私はこんな狀況になり混しているはずなのに、軽くて甘いタッチにが痺れた。
可がられるようなれ方に思わず心地よさをじてしまい、直するはやがて熱くなっていく。
「俺は莉を気持ちよくするのが好きだからね。莉も、その方が好きだと思うけど」
耳もとで囁かれ、が痛いくらいにドキドキする。
わかってる、穂高さんは淳司を挑発しているだけだ。
合コンのときもそうだった。
言い返せない私に好き勝手する相手を、一番ショックを與える言葉で懲らしめてくれる。
淳司のこの歪んだ顔を見れば一目瞭然だ。
きっと私と穂高さんのに満ちたエッチを想像して、怒りに震えているのだろう。
「テメェ……」
それでも、きっと穂高さんには言い返せない。
誰も穂高さん勝てないのだ。
なにもかも完璧で、彼になにを言おうと負け犬の遠吠えにしかならないと淳司もわかっているはずだ。
こんなに悔しがる淳司の顔を初めて見た。
つくづく、私は卑怯だと思う。
淳司にされたことや、こうして偶然會ったときでさえ馬鹿にされたこと、本當はすごく悔しかった。
自分ではなにもできなかったくせにこんなを持つなんてけないけど、今、言い負かされている淳司を見てスカッとしている。
心もも心地よくて、穂高さんの腕の中で溶けてしまいそうだ。
酔いもあってそのまま彼のにすがっていると、やがてのれんの向こうから「おーい、まだかー?」という淳司の友人が呼びに來る聲がした。
淳司は舌打ちをし、最後に私たちに「死ね」とつぶやくと、のれんを暴に弾いてこの個室を去っていく。
その背中はひどくちっぽけなものに見えた。
「……行ったな」
數秒待ち、もう戻らないことを確認した穂高さんは、私の頬にれていた手を背中へとずらして支えてくれる。
「あの、ごめんね……」
夢心地もつかの間、この狀況が申し訳なくてたまらなくなった。
優しい穂高さんは見過ごせず、人のふりで追い返してくれたのだ。
きっとクラスにひとりいるかいないかの、流されずにいじめは止めようと言える正義の強いヒーローのような人。
「……さっきの。本當なの?」
し低い聲で尋ねられ、私はじわりと涙が滲む。
「……うん。暴なことをされても嫌って言えなくて……耐えることしかできなくて。淳司だけじゃない。今までずっとそういうじのばかりだった」
「日野さん……」
「はもうできないと思う。悲しかったこととか……痛かったことばかり思い出すから。……現実のエッチも、TLみたいだったらいいのにね」
自分の話をしすぎたとじ、私は「えへへ」と苦笑いをしてはぐらかす。
TLみたいな幸せなエッチは、きっと私には一生できない。
そう思うと、また不自然に笑いながら涙がこぼれる。
すると、穂高さんの指が、私の目の雫を掬いとった。
「じゃあ、してみる?」
「……え?」
「俺としてみる?  TLみたいなエッチ」
を離すタイミングを失った私たちは、いつのまにかこんなに近くにいる。
彼の瞳は、熱的に揺れていた。
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