《獻遊戯 ~エリートな彼とTLちっくな人ごっこ~》「めちゃくちゃ甘ったるいエッチがしたい」4
『我慢の限界になったら、ふたりでめちゃくちゃ甘ったるいエッチがしたい』
月曜日を迎えて出勤しても、頭のなかは彼の言葉でいっぱいだった。
顔が赤くなっていないだろうか。
あの後は駅で別れて、自宅に著いたか尋ねるメールをくれたほかにはとくに連絡は來ていない。
私から改めてお禮のメッセージを送ろうかとも思ったけど、の子と連絡を取り合うのは苦手だと言っていた気がして送らなかった。
……次はいつ會えるんだろう。
約束をしなくても、彼は銀行の用事で週に何度かヨツバへ來る。
どんな顔して応対すればいいのかよくわからず、今からがうるさく騒いでいる。
プライベートで會うとしたら、また連絡がくるのかな。
會えばきっとホテルへ行ってTLみたいなエッチをするのだろう。
思い出せば出すほど、今までのエッチと違いすぎる。
待ち遠しいなんて思ったことなかったのに……。
「日野さーん。日野さん」
「えっ」
呆けながら書類を作してると、カウンターに西野さんと松島さんが現れた。
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広報部と付は晝休みにり、スマホを片手に社員専用のカフェへ向かう途中のようだ。
ふたりが揃うと、合コンでのひどい扱いが思い起こされる。
清澄くんとのことばかり考えて意識から抜けていたが、このふたりとはわだかまりを殘したままだった。
「日野さんどうでした?  あの後」
「突然あんなことになって、私たちすごくビックリしましたよ」
……あれ?  怒ってない。
ふたりはニコニコしながら、楽しそうにカウンターに寄りかかる。
「あ……ごめんなさい。急に抜けてしまって」
「本當ですよぉ。日野さんったらいつの間に穂高さんを口説いてたんですか?  職場は男引っ掻ける場所じゃないんですから、仕事に集中しなきゃ」
…やっぱり刺のある言い方をされている。
それに聲も大きい。
「あはは、そんなんじゃないですよ……私が馴染めてなさそうだったから連れ出してくれただけで……」
「ただの飲み會なのに日野さんったら合コンみたいにはしゃいじゃって、いくらなんでも食すぎますよ~!」
周囲の総務部の同僚たちの視線が集まり始めた。
こんなに大きな聲で話したら嫌でも聞こえてしまうだろう。
というか聞かせているのかもしれない。
ふたりともすごく怒ってるんだ。
清澄くんが助けてくれたのは善意で、私が引っ掻けたのは事実じゃないと言い返したいのに、言葉が出てこない。
いつもこうして危うい雰囲気になると里見さんが助け船を出してくれるのだが、今日は彼は有休で不在だ。
〝穂高さん〟というキーワードにはやはり周囲も興味があるようで、背後では「引っ掻けてるって?」「たしかに穂高さん來ると仲良さげに話してるかも」とコソコソと話が広がっているのが聞こえてくる。
悪く言われているような気がして怖くなった。
こうなるから、清澄くんとの関係は誰にも悟られないようにしないといけない。
関係といっても、私たちはいったいどういう関係なのかわからないけど。
付き合っているわけでもないのにエッチをする約束をするのは、彼には普通のことなのだろうか。
「すみません、日野さん」
「えっ」
どうなだめたらいいのかわからずにいると、このタイミングでまさかの清澄くんが現れた。
西野さんと松島さんも「えっ」と彼に視線を向け、清澄くんも「ああ」とふたりを認識する。
しかしまずは私の前へやってきて、鞄から書類を取り出した。
「社長に依頼されていた書類です。渡してもらえますか」
「は、はい」
なにも後ろめたいことを話しているわけではないのに、先ほどの話を聞いていた周囲の社員たちはザワザワとし始める。
西野さんたちは先日のことで清澄くんに対して腹が立っている部分があるようで、彼にも不満げな視線を向ける。
すると、清澄くんはその視線に微笑みを返した。
「こんにちは。西野さん、松島さん」
「えっ」
ふたりは突然彼に話しかけられ驚いていたが、私もびっくりした。
合コンで一瞬紹介されただけなのに、ちゃんと名前を覚えていたなんて。
これには西野さんたちも鋭い表がすぐに緩む。
「あっ……こんにちは」
「この間はごめんね。俺、若林から合コンだって聞かされてなくてさ。疲れてたから抜けちゃった」
「あ!  そうだったんですね!  日野さん狙いだっておっしゃってたからてっきりお持ち帰りになったのかと……!」
「まさか! 全然そういうんじゃないよ。日野さんのこと巻き込んじゃって俺も悪かったなって思ってたんだ。ごめんね?」
首をもたげた清澄くんは、私を上目遣いで覗き込む。
……抜けたかっただけだったの?
ホテルまで行ったのも、私を巻き込んだ手前すぐに解散できずに罪滅ぼしのつもりだったのだろうか。
西野さんと松島さんは笑顔に戻り、清澄くんも朗らかに「じゃあ、戻りますね」と挨拶をする。
彼は爽やかに去っていった。
西野さんたちはすっかり笑顔が戻り、「じゃあ日野さん、失禮しました」と上機嫌でカフェの方向へ消えていく。
清澄くん、西野さんたちにも優しかったな。
まるでなにもなかったように明るく話しかけられるなんて……。
合コンの日は険悪なムードで終わってさすがに彼たちも清澄くんを嫌いになってしまったかと思ったのに、すぐにまた人気を取り返してみせた。
おかげで私も彼たちにギリギリ敵認定されずに済んだようだ。
手には彼からの書類だけが殘り、なんとも寂しい気持ちになる。
私は、清澄くんにとって一なんなんだろう。
彼がなにを考えているのか、全然わからなくなった。
ほんじつのむだぶん
mixi・pixivで無駄文ライターを自稱している私が、 日頃mixiで公開している日記(無駄文と呼んでいます)を 小説家になろうでも掲載してみようと思い実行に移しました。 これは1日1本を目安に続けていこうと思います。 ご笑納くだされば幸いです。
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