《獻遊戯 ~エリートな彼とTLちっくな人ごっこ~》「ときめかないとイけない」1

數日後。

【次、いつ會える?】というメッセージをもらい、【明日の仕事の後空いてるよ】と返事をした。

約束の日、また同じホテルに到著すると、ベッドに座ってしばらく近況を話し、シャワーを浴びる。

二度目だからといってドキドキしないはずはない。

しかしこれが甘い気分だけかといえば今は違って、彼がどういうつもりで私と會っているのか本音がわからず不安も混じっていた。

「ちょっと試したいものを買ってきたんだ」

バスローブの彼はベッドの途中にあるソファに置いた鞄に立ち寄り、中を探り始めた。

その姿は、問答無用でSMグッズを使い始めるときの元彼と重なり、私はお腹の奧がズキリと痛む。

「な、なにを使うの……?」

不安になり、足を畳んで引っ込める。

すると彼はクリームボトルのような円柱狀のガラス瓶を持って戻ってきた。

ボトルは白地にピンクと黃の花柄で、蓋はシルバーのかわいらしく上品なもの。

「マッサージクリーム」

そう言われると、花柄の中にブランドロゴがっているのに気付きハッとした。

里見さんがよく、しいけど高くて買えないと嘆いていた化粧品ブランドだ。

「え!?  これ、なにに使うの?」

「そりゃマッサージだろ。莉にしたいなと思って。ダメ?」

いやダメっていうか。

清澄くんにメリットがない。

仮にマッサージしようと思ったとしても、わざわざクリームを買ってこようって発想になるのだろうか。

「そのために用意してくれたの?  高かったよね……?」

「高いのか?  俺にはこういう品の相場はわからないから、口コミがいいの買ってきた。莉に好みを聞けばよかったんだけど、遠慮しそうだし」

その通りだ。

これを買ってほしいなどと言えるはずがない。

しかし申し訳なさもあるものの、実際に実を手に取ってみると、高級ブランドの重みやパッケージの素敵さに心がときめく。

「綺麗……」

スノードームの中を眺めるかのように、両手の上にのせて目の高さまで持ってきた。

「気にったならもらってよ。でも使わせてほしいな」

私がいろんな角度からそれを眺めた後で、彼が橫からそう言った。

むしろ、私のにこんなものを使ってもらっていいんですか?という気持ちだが、マッサージをしてもらうという初めての行為と、使ったことのない高級アイテムへの好奇心はもう止められそうにない。

「うん……ありがとう」

正直、自分は男からブランド品をプレゼントしてもらうことに興味はないと思っていた。

気持ちはお金に換えられるものではないと。

しかしそれはプレゼントしてもらったことがないからだと、今回初めて思い知った。

清澄くんは、私にこれを買っても、もったいないとじなかったということ。

その事実は、私を舞い上がらせるには十分だった。

彼はシーツの上に置いて蓋を取り、中のクリームを指にとる。

白くて水分の多いキラキラしたクリームだ。

「腕出して。冷たいかも」

「うん」

どこから塗るのが正解なのか、彼も私も分からずにクリームを腕にらせる。

それをに馴染ませるように、彼の大きな手が前後した。

「気持ちいい?」

「気持ちいい……」

この想は決していかがわしい想ではないぞ、と恥ずかしい気持ちを抑えながら、正直に口にする。

ランプに照らされたラブホテルのベッドの雰囲気、憧れのブランドのクリームで輝く、そしてマッサージをしてくれる清澄くん。

この空間には、気持ちいいものしかない。

「んっ」

彼の手は足へと移った。

新たなクリームを手に取り、膝からふくらはぎ、足先へと塗っていく。

「あ……」

マッサージも上手だ。

清澄くんってなんでもできるな。

抗えない私は大人しく足を明け渡していた。

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