《獻遊戯 ~エリートな彼とTLちっくな人ごっこ~》「ときめかないとイけない」3
◇◇◇
俺は自宅マンションに戻り、鞄を定位置に置いてからソファへと腰を沈める。
「……はぁ」
昂ったものを一刻も早く鎮めたくなったが、この覚をにまみれたものに変化させたくなくて、足を組んで余韻に浸った。
しずつでいいんだ、しずつで。
この調子で……。
しばらく心を落ち著かせていると、腰のポケットの中のスマホが振した。
このタイミングの著信は莉からかもしれないと思いすぐに取り出したが、畫面には【麗奈れいな】と表示されていた。
甘い余韻は一気に冷め、通話に出るか數秒迷ったが、結局四コールで出ていた。
「……なに?」
『あ、清澄?  ねえねえ、今度の土曜東京行くんだけど、夜泊めてくれない?』
「なんで。無理。用事ある」
『えー、私が行くのに?  用事なんてキャンセルしてよぉ。久しぶりに一緒に寢てあげるからぁ』
「うるせぇな」
甘えるような貓なで聲に苛立ちながら、立ち上がって冷蔵庫にミネラルウォーターを取りに行く。
『清澄んちのお風呂広いし、湯船るからチェリーのバスボム買っておいてくれる?  あとトリートメントかヘアマスク、用のなければ買っておいて』
「だから泊めないって言ってるだろ」
『もう。なら一緒にお風呂ってもいいけどー?』
「勘弁しろよ……」
電話しているだけなのに、聲を聞いていると麗奈の黒髪から匂うチェリーの甘ったるい香りが漂ってくる気がした。
「とにかく、その日は無理だから」
ちゃんと斷らなきゃと思い強く言い直したが、麗奈の調子は変わらず『はいはーい』と結局理解したのか不明な返事だけをされ、通話を切られる。
一気に疲れた。
しかし數秒後、また著信が鳴る。
今度こそ莉だろうと思ったが、畫面には【凜花りんか】の文字が映る。
「……なに、凜花」
『あ!  よかった、清ちゃん出た。今大丈夫?』
「……うん」
ふわふわとした平和な聲が電話口から聞こえてきた。
『あのねぇ、今度の土曜日、清ちゃん空いてるかな?』
「いや……空いてない」
『そうなの?  泊めてほしいなって思ったんだけど……ダメかなぁ?』
麗奈と同じことを言い出す凜花に、嫌な予がした。
それにしても空いてないからダメだって言っているのに、なんて強引なんだ。
「だから、用事があるから」
『そうなんだぁ、わかった。清ちゃんすごく忙しそうだもんね。合鍵渡してくれたら、私ひとりでお留守番してるよ?』
「いや……無理だって」
『大変だろうから朝ご飯も作ってあげるよ。ほら、ポトフ好きでしょ?』
好きだけど、作ったことないだろ。
『ナンパとか怖いし、清ちゃんに送り迎えもしてもらいたいな。また連絡するね』
「いや、だから俺──」
切られた。
最近、このふたりから連絡が來ると憂鬱になる。
癖で著信履歴を消すのだが、著信拒否にすると面倒なことになるため殘している。
麗奈と凜花。
俺のことをいつでも利用可能な足、飯、そして宿だと思っている、ひとつ年上の雙子の姉だ。
あれ、なんで俺こんなに女子から見られるの?
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