《とろけるような、キスをして。》溢れた本音(1)
そうだ。思い出した。あの學式の日に私と先生は出會ったんだった。
あれから日を重ねて、気が付けば仲良くなっていた。
先生は擔任じゃなかったけれど、數學教師だから先生のけ持ちの授業はよくあって。
わからない問題もよく職員室に聞きに行ったっけ。
一つ謎が解けたみたいで、の支えが取れた気分だった。
十分ほど歩いて足を踏みれた舊校舎の図書室は、あの頃とはし変わってしまっていた。
「本棚、かしたんだ?」
「そう。これも俺がやったんだよ。みゃーこみたいに手伝ってくれる生徒なんてもういないから大変だったよ」
「ふふっ……先生はここの擔當になっちゃったの?」
「そう、俺とみゃーこがここにり浸ってたの知ってた四ノ宮先生に押し付けられた」
「ははっ!晴姉ちゃん酷いねっ」
大きな本棚が三つ縦に並んでいたものの、今は奧の方に移しており、手前には小さな本棚がいくつか並んでいた。
奧の方にあったテーブルが逆に手前に來ていて、窓から近くなっていた。
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「よく窓開けて、ここで喋ってたね」
「そうだな」
「懐かしい……」
先生は、ゆっくりと窓を開けて、椅子に腰掛けた。
「みゃーこも。座れよ」
「うん」
先生の向かいに腰掛けると、あの頃と同じらかな風が頰をでる。
秋晴れの空気はどこか寂しげだったけれど、溫かみがある。
しばらく目を閉じながら、その空気をじていた。
「みゃーこ。東京で何かあったんだろ?」
「……え?」
うっすらと目を開いて、視線を先生に戻す。
「顔見てればわかる。俺を舐めんなよ」
「……」
真剣な目をした先生は、私を真っ直ぐに見つめる。
何もかもを見かしていそうなその目を見ていられなくて、私はすぐに逸らした。
「……四ノ宮先生が心配してたぞ。最近連絡が無かったって」
「……晴姉ちゃん、式の打ち合わせで忙しいって聞いてたから。私が邪魔するわけにいかないじゃん」
「でも、連絡くらいはしないとダメだろ。四ノ宮先生なら尚更。あの人はみゃーこのことになると極度の心配になるんだから」
「……うん。晴姉ちゃんに謝っとく」
後で連絡くれるって言ってたっけ。たまには私から連絡しておこうか。
そう思っていると、先生は再び私に視線をやった。
「……んで?みゃーこは今、何に悩んでんの?」
「……別に、何も」
「まーたそうやって一人で抱え込む。お前の悪い癖だよ。ほら、"深山先生"が久しぶりに相談に乗ってあげるから、話してみなさい」
「……」
どんとこい!という風に両手を広げる先生に、私はまた窓の外に視線を向けた。
そういえば、先生によく相談に乗ってもらってたっけ。
「……別に、大したことじゃないんだけど」
「うん」
「……仕事、辭めようかな……って、思ってて」
「仕事?東京の?」
「うん。事務職してるんだけどね。……ちょっと、なんていうか……、しんどくなってきて」
「うん」
人間関係は別に悪くないし、仕事だって普通に充実してる。給料も特別低いわけじゃない。
何かパワハラをけているわけでもないし、福利厚生だってしっかりしている中小企業の正社員だ。
この不況のご時世にしては恵まれている環境にいるのは自負している。
……なのに、最近心が苦しい。
それにはっきりとした理由なんて無くて。でももう限界が近いのが、自分でもわかる。
強いて言うならば。
「……なんか、寂しくて」
上京した頃は、毎日が生きることに必死で、寂しさなんてじている余裕すら無かった。
初めての都會。初めての気候。初めての仕事。初めての狹いアパートでの一人暮らし。
慣れない環境の変化に、調を崩したことも何度もあった。
その度に、調の悪さをひた隠しにして出勤してはミスを連発して、ふらふらしながら叱られて倒れそうになった日もあった。
今考えると褒められたことじゃないけれど、あの時の私はただ必死で。そんな日々を乗り越えて、今までやってきた。
そしてふと気が付いた時。
猛烈な孤獨と寂しさに襲われてしまった。
逆に言えば、寂しさをじる余裕が生まれたということで。それはそれで仕事にも慣れて環境にも慣れて、喜ばしいことなのかと思う。
人によっては、この孤獨が心地良いと思う人もいるのだろう。
誰からも干渉されない、自由な生活。そう思って謳歌する者もいるのだろう。
寂しさなどじない。一人が好き。そういう人も、もちろんいるだろう。
しかし、今の私にはその寂しさが無に苦しくて。つらくて。
寂しさから逃げ出したくて上京したのに、実家に一人でいた時よりも重い孤獨が私にのしかかる。いつしかそれに押し潰されそうになっていた。
そんな時に來た、晴姉ちゃんからの結婚式の招待狀。
たった二日でも、帰るきっかけができる。
晴姉ちゃんに會える。それだけでも、飛び上がるほどに嬉しかった。
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