《悪役令嬢は斷罪され禿げた青年伯爵に嫁ぎました。》第3話 寂しい頭
昔からストレスが多かった。
両親が不仲で喧嘩ばかりしていたし、どちらも浮気している。
所謂仮面夫婦だ。
所詮政略結婚にがないのは當然だと2人はよく言っている。
その両親は今やどちらも亡くなった。
産を貰おうと父を暗殺者に殺させようとした母。父は人を後妻に迎えるために母を暗殺者に殺させようとした。雙方運悪く同じ時期に暗殺され亡くなり僕が家を継ぐことになった。何にも判らなくて帳簿管理やらは人に任せた。
使用人達はまだ若い僕を主人とはあまり認めないというか舐められており…僕は次第に心が病んだ。するとある日、頭にハゲができた。使用人達は笑い、更にストレスになりまたハゲが増えていった。
結婚話は親戚からいくつか紹介されたがお見合いの席で頭を下げた時にカツラがズレて落ちてスープにり、相手は笑いを堪えて帰って行った…。
自信が全て失われた。
もう結婚できなくてもいいやと思った。傷ついた。廊下に出ると使用人は笑うし…噂にもなり社界に出るのさえ恥ずかしくなりあまり外に出なくなった。特にの人の小馬鹿にした笑いを見ると辛かった。
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悲しいかな…僕がいないと伯爵領が可哀想になる。他の人に爵位を譲っても…というか他の人なんてどう探せばいいんだ。
悩むごとに眠れなくなったりストレスは増した。
そんな時…よりによって遠縁の王家の王子からお前にぴったりの花嫁を紹介しようと手紙を貰った。姿絵を見るととんでもなくしい人だ。
何故?こんな人がうちに??
しかも僕なんかの嫁に??
疑問で、一度手紙を王子に出してみる。すると返事に事の顛末が書かれていた。紹介した侯爵令嬢は元々は王子の婚約者であったが…その正は悪魔のようなで爵位の低い男爵令嬢に嫌がらせばかりしていて嫌いになったから婚約を破棄したとのこと。
そして王子は男爵令嬢との間に子ができ、結婚を考えているそうだ。
「なんだろうか?この要らないものを押し付けられるような…」
親戚と言えど會ったこともない王子になんか悪いを嫁に押し付けられた。王都では僕の禿げの噂も広まっているだろうし…このお嫁さんも禿げに嫁いだことで何だか可哀想な目で見られるんじゃ?
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「斷った方がこの人の為かも…」
しかし…王家からの紹介狀で無礙にできないし執事のディーン爺が乗り気だった。
親代わりと言っちゃ何だが両親が死んでから世話になった。
僕にズケズケ言えるのもディーンだけだったし。
結局…斷りきれず花嫁を迎えることになり大急ぎで部屋を掃除して花嫁さんの部屋を用意させた。とても綺麗にしておいた。
僕のことは直ぐに無視して他の男と子供を作るんだろう。こんな禿げた男を相手する筈が無いし初夜などもっての他。相手も嫌々來るだろう。しかも侯爵令嬢だ。うちよりも家格は上。失禮になってはならない。
と思っていたら…。
彼は…セシリアさんはキビキビとこの家の有様を見たり掃除を始めたり帳簿を調べたりとにかくしっかりしている人だ。
僕を笑う使用人を躾けて、僕にも自信を持つようにと言われた。
しかも管理を任せていた男がお金を橫領していた。それを暴き堂々としていて素敵な人だと思った。
僕には全く似合わない。高嶺の花。
お庭を久しぶりに歩いたが手れとかいつしてるのかと思うほど雑草もびていた。
そういえば…庭師辭めたんだったっけ?新しい人を雇うことすらしてなかったのか…。
古くなったベンチに腰掛けるとビュウウと風が吹いて禿頭の薄い髪が揺れた。
「寒っ」
今はもう社シーズンは終わりかけ。そう言えば來週は王家から王子の結婚祝いで國中の貴族が招待をけている!
ヤバイ…。行きたくない。笑われに行くようなものだ。昔夜會に出た時僕はカツラの噂を知ってる者にわざとカツラを取られてその場にいた皆に笑われた。
まるで見せか余興のように禿げを馬鹿にされた。
「はあああ…行きたくない…」
と溜息をついていると…
べちっと頭を叩く何者か!
振り向くとお嫁さんのセシリアさんが立っていた。
「セシリア様っ!!」
「………ローレンス様…何をこんなところで寂しげに俯いておられるのですかです?」
としいフワリとした銀髪にアイスブルーの瞳…そして抜群のプロポーションの彼は腰に手を當てを張る。
「あ…ええとその夜會のことを考えており…」
「まぁ!夜會ですか…。面倒ですけど王家主催なら行かなくてはなりませんわね!きちんとエスコートしてくださるのでしょう?」
と聞かれた。
「ええ!?僕なんかがエスコート!?」
そんなことは産まれて初めてする!
「あの…私達はもう結婚したのです。當たり前でしょう?貴方がエスコートしなければおかしいですわ」
確かに…周りから変な目で見られては困るが…
「し、しかし!僕は…僕といると貴方まで悪評が…」
「私は王子に捨てられた。悪評ならとっくに立っておりますわ!」
と言う。
「そう言えば…貴方は本當に男爵令嬢に嫌がらせなどしたのでしょうか?そのように聞きましたが僕にはとてもそうは見えなくて」
と言うと顔を曇らせる。
「………どうでもいいことですわ…。ですが私がやってないと申してもあの王子様は納得しませんし何を言っても無駄と悟りさっさと罰をけた方がマシだと思いましたの」
何と言うことだ!!しかも僕との結婚が罰になるのか…。
「では貴方はやってもいない罪を被り僕の所に嫁に來たと!?そんなっ!そんなことが!」
「ローレンス様…あるのですよ。私はもう大勢の前で斷罪させられましたわ。今更喚いても余計に騒がれると言うもの。むしろここに來れてラッキーと思わなくては。王都から離れられただけでも幸せですわ…。あのクソ王子の顔を見なくてもすみますからね」
とにっこりと笑うが怒りのオーラをじた。
「貴方は僕なんかより良い方を夜會で見つけてください!勿ない!」
「いいえ、ローレンス様…貴方と離縁して他の方と一緒になるとまた悪い噂が立ちます。悪だとか、やはりねとか…」
「でも…セシリア様は悪くないのに…。全然浮気とかしても僕は怒りませんし…というか僕たちは何もないので…」
「まぁ…ローレンス様…言ったでしょう?貴方はまず、ストレスを減らして髪のを復活させたら私と子作りすると、まぁ、私とが嫌なら他の方をご紹介しますけど」
と言うから赤くなる。
「そそそそれは!そんな!僕なんかが!セシリア様との子を作るなど恐れ多い!」
と言うとクスクス笑う。
「おかしな旦那様ですね?世間一般では私達は夫婦とされておりますので何もおかしなことではありませんわ。禿げが治るだけても努力したとかで評判も上がるでしょうしね」
「セシリア様は僕なんかで良いのですか?もし髪が治ったとしても僕はこんなけなく地味な顔をしています。今までにモテたこともなく馬鹿にされたのです。自信も持てそうにない」
としょぼくれると背中をバシとされた。
「しっかりなさって!貴方はここの伯爵様で1番偉いのですよ?を張り堂々となさって!背中を丸めてくよくよしてるから使用人にも馬鹿にされるのですよ!それに私は顔で男を選びませんわ!もちろん貴方とは會ったばかりですもの!いいか悪いかも判りません!
しかしこのままだとイメージは悪くなりますわよ?誰だって暗い方より明るく元気な方が良いでしょう?頑張ってくださいまし!
せめてあの王子に私は幸せですと言ってやりたい!」
と彼は言う。そうか…何もしてない彼は斷罪されたのだ。
僕は膝の上で拳を握る。
「夜會では笑われるかもしれません…。で、でも僕は!貴方の…セシリア様の為に頑張ります!!何を言われても負けません!!」
とんだ。
セシリアさんは瞬き、
「そうですわ!頑張りましょうね!!後、私に様を付けるのはいい加減お辭めくださいな。変に思われますよ?」
「そ、そんな!で、ではセシリアさんと…」
「それもねぇ。今はいいですけど社の場では呼び捨てにした方がよろしいですわ。できます?」
よ、呼び捨て!!
「ええ…はい…が、頑張ります…」
ストレスになりそうだ。頭がチリチリする。
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