《悪役令嬢は斷罪され禿げた青年伯爵に嫁ぎました。》第18話 に自覚する奧様

「ねぇアグネスさん…私変かもしれないわ」

と奧様がため息をつき朝の支度をしている。

熱は下がり風邪も治った。

「奧様?どうしました?いつもとそんなにお変わりなくおしいですよ?プロポーションも抜群!旦那様も骨抜き!男達もメロメロ!」

「そ、そうじゃないわよ。それは判っていてよ」

「あ、そうですか」

とアグネスさんは銀髪にブラシをれる。

「なんだか…がおかしいの…」

「えっ!、がおかしい!?そんな綺麗な形で?喧嘩を売ってます?私なんて…斷崖絶壁なのに…」

とアグネスさんは自分のと比べて絶した。

「違うのよ…。なんだかローレンス様のことを思うと苦しくなるの…」

「………」

「どうしてかしら?き、昨日こっ告白をされて頭の中でそればかり繰り返してしまうの!今まで沢山の男に告白されても3秒くらいで忘れていたのに!」

「3秒で忘れられた男達よ…安らかに」

とアグネスさんは手を合わせた。

「おかしいのよ。心臓もローレンス様のことを考えると不整脈だし…。あんな後頭部は禿げているし地味なのになんだか輝いて見えるの」

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「禿げの後ではないですよね?」

と冗談を言うアグネスさん。

「ねぇ、ローレンス様の瞳は碧でとても綺麗な寶石みたいなの。昨日…肩を抱かれたのが恥かしかったの。私が男慣れしてないせいかしら?いや自分から肩を抱いてしいと言ってみたけど…ほら昨日は寒気が酷くて…引っ付いていたかったのよ」

「旦那様は奧様の暖房道ですか?というか普通にでしょう。奧様は旦那様にをなさったのです」

と言うから雷に打たれたようになった。

「なっ…ここ!?ってあの?」

「むしろどのがあるとお思いでしょう?をしたから旦那様のことを思うとが苦しくてドキドキしてしまうのです!」

とアグネスさんは言う。

でも確かに…験したことのないような高揚になんだかそわそわするし。

「アグネスさんはそう言う人はいるの?」

と聞くと

「はい…でも今はいません…私は本來旅人ですから。旅先で親切にしてもらったちょっと顔のいい人にグラっとしたことはありますが…やっぱり顔が良いだけあって人がいてイチャついてるところを見て一気には破れてしまいました。

奧様…旦那様は幸い奧様のことがお好きですし両想いではないですか!奧様からも好きだと言えば晴れて夫婦円満ですわ。政略結婚はのないものがありますが、奧様達はご結婚されてからなさったのです。

本當の夫婦となるのも時間の問題ですわ!頑張ってください!」

とアグネスさんは力説した。

それから…

朝食の席でローレンス様が

「おはようございます。セシリアさん、調は大丈夫でしょうか??」

と心配されドクリとした。

旦那様が私の調を気遣ってくれているわ!

こんなこと普通のことじゃない?どうしたのかしら?

「へ、平気ですわ。もう。やはり引き始めだっただけですぐ治りましたわ。お薬もよく聞いてバッチリですわ!ほほほ」

と言うとこちらにきて旦那様はホッとして

「それは良かった!」

とチュッと頰に朝の挨拶をした。それだけで赤くなる。私も週間がてらするのだがなんだかいつも普通にしてた時よりドキドキした。

「セシリアさん?やはり顔が赤いようですが?やはり治っていないのでは?よく休んだ方がいいですよ?」

「は、はい!そうしますわ」

とドギマギする。

「?」

ローレンス様は私の様子を変に思われるわ。で、でもどうしましょう?告白をしなければ!夫婦円満の為にも!

「ろ、ローレンス様…あ、後でお話があるのです!」

「え?はい?判りました。書斎にいます」

と言いローレンス様は朝食を済ませて書斎に向かってしまった。

ローレンス様が食卓にいる時は食事があまりを通らない。いつもならバクバク気にせず食べていたが…いなくなると何とかいつものように食べ出した。

「ああ、恥ずかしい…。こ、この服、変じゃない?著膨れ過ぎてない?」

「いえ、普通ですよ?冬場は私達も皆著膨れて寒さを乗り越えるしかありませんもの」

書斎の部屋前でささっとドレスワンピースや髪を直す。

アグネスさんは

「私は部屋の外で待機しておりますから何かあったらお呼びつけください」

「そんな、寒いわよ?アグネスさん」

「大丈夫ですわ。それにお二人の時間を邪魔なんてしませんわ!奧様頑張って!」

「何をです?」

「告白ですよ!旦那様に好きと言ってキスでもしてしまえばいいのです」

と見送られ私は赤くなる。

ノックをしてどうぞと聲がかかる。

普通にジョルジュが開けてくれた。

アグネスさんがそれを見て

「ジョルジュさんちょっと」

と呼びつけた。

「え?、何ですか?今旦那様の手伝いを…」

と言うからアグネスさんはまたジョルジュの腹をドスっと毆り

「いいから來いや!」

と首っこつかみ引きずり親指を立て私にウインクして去った。

部屋の書斎機で旦那様が春に向けての領地の施策をまとめている作業をしていた。

「お忙しいところすみませんわ」

「はい、お話しとは?」

といきなり本題を言われる!そんな!まだ心の準備が!どう切り出せばいいのかしら?皆どうやって告白をしているの?いやこないだのを思い出せばいいわ!まずは自然に近寄らないといけないし…

と思っていると旦那様は対面の椅子に座り私の前に紅茶とクッキーを置いた。

は、話しづらい。

でも顔を見るとドキドキしてしまう。

「?セシリアさん?なんだかいつもと違うような?どうしました?悩み事ですか?」

はい、貴方が好きでが苦しいのです!

と言えればどんなに楽だろうか!

言ったところでどうなるかも判らない。

と、とにかく何か言わないと!!

何か!何か…あ!

「じ、実は私!!お菓子を作りたいと思っていますの。廚房にる許可とシェフの了承をもらいたいのです!!」

と咄嗟に言った。

「ほ、ほら!冬の間暇ですし編みだけでは退屈!お菓子だけではなくいろいろな料理にも挑戦したいのですわ!もちろん冬場の食料は貴重ですから節約も心がけます!」

と言うと旦那様は

「え?そんなことですか?いいですよ?別に僕の許可なんて無くてもセシリアさんが言えば大丈夫ですよ?」

と言う。それはそうだ。今まで散々使用人を真面目に指導してきたのだから。シェフも最初のうちはサボってたりしたから喝をいれてやり料理にも気合いをれるよう言ったのだ。

「そ、そうですわ、ローレンス様は甘いものは何がお好きでしょうか?」

「甘いものですか?特にこだわりは無いと思います…?ああ、異國から手したあの茶いやつ甘いですよね。なんて言いましたっけ?すみません。名前が出てこなくて」

「もしやチョコレイト菓子かしら?」

「あ、そうです!!なんか寒い地方では遭難の時チョコレイトがあれば大丈夫とか。意外と栄養価高いとかなんとかで旅人や商人が攜帯していたり値がする上質のものは貴族が嗜んでいるとか。

うちも貴族だけどあんまり異國のお菓子に詳しくないので。前に貰いとして摘んだことはありますがとても甘かったのを覚えてます。子供の頃でしたからねー」

と言う。

「ではそのチョコレイト菓子を作りますわ!シェフならチョコレイトを知っているかもしれませんわ。チョコレイトは確か日持ちすると本で読んだことがありますわ」

「そ、そうなんですか…。流石セシリアさん!博識ですね!」

と言われて赤くなる。

うう、ローレンス様…。ごめんなさい!私きっとチョコレイト菓子を作って貴方にお渡ししますわ!!

その時にこそ必ず告白をしますわ!!

と心に誓ったのだった。

          

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