《元豚王子VS悪役令嬢》

「あれ?ここどこだ?」

何というか知らない豪華な天井。

ん?手をかざすとぷよぷよした手…。

起き上がり、自分が王族みたいな天蓋のベッドに寢ていることに気付く。

鏡を探して豪華な機を漁ると手鏡でようやく容姿を確認。

「誰だこのデブ…」

しかし間違いなく自分…?

はっ!!思い出してきた!!

俺は夢とも知れぬが前世で一回死んだ!通事故って言うベタな死に方!

そんで死んでからだから魂たましい抜けて俺は上うえへと登って行って……要するに神様の元へ行った。

そしたら神様の部下の神が忙しそうにやってきて……

「はいはい、死に立ての魂ね?うーん、貴方あなた、別に悪いこともしてきてない人生だったし、次の転生先のことなんだけど…今、いま流行りはやりの悪役令嬢の婚約者の王子の役が空いあいてるのよね!はい!どう?そこ行く?」

一気に神がベラベラ喋る。

「えっ!!?俺なんかが王子!?で、でも悪役令嬢ってライトノベルとかの?何の話…?」

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「それは話してる時間ないけど!大だいたい判るわよね?はい!モノだし!大だいたい王子の生まれ変わりなんて楽だし、いい暮らしできるでしょ?悪役令嬢も人ならいいじゃない!はい!」

「いやいや、この場合ばあいライトノベルでは、悪役令嬢がヒロインでヒロインが悪役になっちゃう展開なんですが?」

「ああ、そうよ、流行りはやりだから!はい!だからは皆みんな悪役令嬢の枠が、いっぱい余ってるから!でも王子の役は一握りよ?丁度今、空いあいたからそこに転生する?しない?はよ決めて!」

神は次の転生者の番ばんがあるから早く決めろと急かす。

「あー…まぁ…じゃあ…判りました。折角だから王子に転生します」

「どうしてこうなった!!??」

あああ…、あの時あのときもっと考えときゃ良かった!

王子って言えば形が定番なのに、なんでこんなブクブクなの俺!!?太った丸い顔に丸い樽みたいなからだ……。こんなのと結婚したい令嬢いるのか?

はっ!

悪役令嬢!

俺の婚約者は悪役令嬢なはず!

て言うか俺の名はなんて言うのか??

とそこまで考えて

ドンドンと部屋を叩く音がした。

「いつまで待たせる気ですのっ!!ジークヴァルト様っ!人を茶會に呼んでおいて寢てるとか!」

と気の強そうな怖そうな、それでいての子が扉を蹴破ってけやぶってきた。

俺はジークヴァルトって言うのか?

「う…、あ?」

は俺を見ると嫌そうな顔で溜息をついた。

「はあっ!何で私がこんな方かたと婚約しなきゃならないのかしらっ!全く…」

うおう!婚約者!ということは、神の言ってた悪役令嬢だ!やった!

あ…、でも確かにからしたら、こんなデブお斷りですよね。

「あのすみません…ちょっと俺頭を打って記憶を無くしたみたいなんだけど君の名前なんて言うのかな?」

「はあっ!!?寢ぼけてますのっ?婚約者の名を忘れるとかあり得ませんわ!」

と憎々しげに言われても、こっちは転生したばっかで何も解らんしわからんし、過去もよく解らない。

俺のキョトン顔がおを見て彼

「本當に…忘れましたの?私は侯爵家け令嬢…クラウディア・バルシュミーデですわ!貴方あなたはジークヴァルト・ゼッフェルン第一王子!!」

「はあ…」

俺の反応を見て彼

「醫者を呼びます!」

と言い、數分後には醫者や弟王子おとうとおうじらしき者、妹王いもうとおうじょらしき者、俺の従者、婚約者の従者などが部屋に集まった。父王と王妃は公務らしい。

「記憶を失っているらしいですの!」

クラウディアが説明する。

醫者は

「どうやら本當みたいですね、私は主治醫のアルバン・ベルツと申します。王子」

「はあ…よろしくお願いします」

「お兄様…私の事も覚えてませんの?可い妹のエリーゼですわ」

6歳くらいのが寄ってくる。

「うん、ごめんエリーゼ?」

8歳くらいの弟らしき奴は

「兄上あにうえ…俺のことも?ユリウスだよ?」

この弟妹きょうだいは痩せてて大きくなったらかなりの年になる。さすが王家?

でも俺は太ってる…。

泣きたくなるな。

「で?どうしますの?この分じゃ、この國のことも何も解ってませんわよ?いいこと?この國はブッシュバウムと言って敗戦國です!つまり貧乏國です!」

「ええっ!?そうなの?」

「そうだよ、ジリ貧。戦爭終わったのは5年前だから、だいぶ復興してきた方。でも、兄上あにうえは元々もともと食いしん坊くいしんぼうで祖母や祖父に甘やかされてお菓子を獨り占め…とかしててそんな型に」

「國が貧しいと言うのに貴方あなたは毎日、自墮落じだらくにお菓子ばかり食べて!私との婚約だって無理矢理!國一番のを集めよ!と舞踏會を開き、そこで選で選ばれたのが私よっ!!」

と捲し立てまくしたてられた。

「ち…、選…?」

「そうですわ!記憶を失ったなら丁度よろしいわ!婚約破棄していただけないかしら?今すぐに!」

「それは待ってよクラウディア姉様ねえさま!見捨てないでよ、こんなんでも!」

とユリウスくんが止めた。

「何でですの?他の方かたにする絶好の機會を!」

「クラウディアお姉様…王妃教育だって頑張ってらしたのに今更!お姉様がいなければこの國はもう終わります!お願い行かないで!」

「くっ!!」

クラウディアは可らしい妹と弟を見て頭を抱えている。

「判りましたわ…この國は私がで支えて見せます!その代わり、この役立たずの豚王子にはこれから痩せてもらうわ!」

と怖い顔で睨まれた。

「ひっ!わ…判りました!申し訳ございません!」

俺は思わず正座して謝ると

「なっ!!?何なんですの?王子たるものが床に頭をつけるとは!本當におかしくなりましたのね貴方あなた!」

とクラウディアがたじろいだ。

以前の俺は甘やかされの坊ちゃんだったろうし人ひとに頭を下げたこともなかったのかな?

「ともかく俺、痩せてちゃんと王子になります。何卒ご指導よろしくお願いします!!」

と皆みんなに頭を下げているとクールな弟が笑った。

「凄いや!あの兄上あにうえが!本當に生まれ変わったみたい!」

「私は信じられませんわ!何か裏があるのでは?この豚が改心するとは!せいぜい頑張ってお痩せになりなさい?そうね、期間を設けましょう!半年ね…半年で型が変わらなければ…私は貴方あなたより形びけいで素敵な男を見つけます!」

「クラウディア姉様ねえさまそれは…」

「私は選で選ばれただけ!王子のことなどしてないわ!貴方達あなたたちは可いし、この國の貧困をどうにかしてあげたいけど、この人ひとの子を産むなんて吐き気がするわ!國がマシな程度に持ち直したら、即刻婚約破棄!以上!」

無常にもそう言われて俺はショックだった。

確かに過去の俺が酷かったのは皆みんなの態度を見れば判るけど…。

「あの…俺…頑張ります…」

ボソリとそう言うがフンと橫を向き、部屋からクラウディアは出て行く。

「兄上あにうえ…捨てられないように頑張ってね?」

笑いを堪えたこらえた弟にしムカつく。

「お兄様…痩せたら形びけいになるんじゃない?」

「……本當?」

エリーゼちゃんはいい子だな!

「痩せれるかが問題だと思うけど?兄上あにうえがお菓子を辭めるなんてあるのか?」

「ユリウスくん…言ったね?」

俺は絶対に痩せようと思った!

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